Stephen Sondheim Theatre|基本情報

住所: 124 W 43rd St, New York, NY 10036(地図
開業: 1918年
収容人数: 1,055人
座席表: ※クリックして拡大
スティーヴン・ソンドハイム劇場の座席表

Stephen Sondheim Theatre 劇場の歴史

1918年にヘンリー・ミラー(Henry Miller)劇場として開業

ヘンリー・ミラー(Henry Miller)
イギリス生まれの役者でディレクター、劇場プロデューサーでもあるヘンリー・ミラー(Henry Miller)は自身で「ヘンリー・ミラーズ劇場(Henry Miller’s Theatre)」を造り、1918年4月1日に「若返りの泉(The Fountain of Youth)」の公演とともに開業しました。
ヘンリー・ミラーはロンドンで生まれ、子役として俳優業を始めた頃に両親と共にカナダへ移住しました。彼は子役として1878年トロントのグランド・オペラハウスにてデビューしています。その後ニューヨークに渡米し、いくつかの劇場プロデュースにも携わり、1917年に自身の劇場を開きました。

スティーヴン・ソンドハイム劇場の座席数は開業当初は950席とブロードウェイの劇場の中では比較的小さな劇場ですが、当時公演されていたミュージカルの規模に合ったちょうど良いサイズの劇場として人気であり、ブロードウェイの劇場で初めて冷房設備を導入した劇場という事でも話題となりました。

息子のギルバート・ミラー(Gilbert Miller)による黄金時代とトニー賞受賞

1926年にイギリス出身の俳優・作家・脚本家・演出家であるノエル・コワード(Noël Coward)による作品「ザ・ボルテックス(The Vortex)」で、ヘンリー・ミラー劇場初のヒット作を出しますが、同年ヘンリーは死去してしまいます。「ザ・ボルテックス」の演出兼役者としてコワードは舞台に立っていましたが、その当時身につけていたタートルネックのセーターや首に巻くスカーフなどは1920年代のファッションに大きく影響を与えました。

ヘンリーの死後、劇場の後を継いだ息子のギルバート・ミラー(Gilbert Miller)は、敏腕キャスティングとして、その時代を代表する役者陣を多く起用することによって、劇場プロデューサーとして成功を収めます。
アカデミー主演男優賞を2度受賞したラズリー・ハワード(Leslie Howard)、女優のヘレン・ヘイズ(Helen Hayes)、無声映画時代を代表する女優のリリアン・ギッシュ(Lillian Gish)や、世界で初めてアカデミー賞授賞式を開催した人物の一人のダグラス・フェアーバンクス(Douglas Fairbanks)など錚々たるメンバーが出演し、1930年代から60年代はスティーヴン・ソンドハイム劇場の黄金時代と言われるようになりました。また、各公演の売上利益の25%を健康政策に関連する問題の研究を支援するミルバンクメモリアル基金(Milbank Memorial Fund)に募金するなどの活動も行っていました。

当時の話題キャストを積極的に起用することで活気に溢れていた劇場は波に乗り、ギルバート・ミラーが演出を手掛けた作品は三度トニー賞にノミネートされ、遂には「カクテルパーティー(The Cocktail Party)」が第4回トニー賞(1950年)演劇作品賞を受賞します。1965年には、「88公演ものミュージカルを作り出したことに加えて、ニューヨークとニューヨークの劇場を存続させた努力と忍耐力」が讃えられ、ギルバート本人がトニー賞特別賞を受賞しています。

低迷期のポルノ劇場、ナイトクラブを経て劇場として復活

1966年にミラー家は、ヘンリー・ミラーズ劇場をネダーランダー・オーガニゼーション(米国でシューベルト・オーガニゼーションの次に大きな劇場所有団体)へ売却しましたが、1968年にすぐ不動産投資家のシーモア・ダースト(Seymour Durst)へ売却され、長編映画を放映する劇場へと姿を変えました。しかし、すぐに「Avon-at-the-Hudson」という名のポルノ劇場へと変貌し、1978年にはディスコクラブへ、1985年には「SHOUT」という名で50年代や60年代の音楽を流すナイトクラブへと姿を変えました。ナイトクラブとして6年間続いた後に閉店しましたが、1995年に「Expo」という名前でクラブとして再オープンしました。
1998年にようやく「the Kit Kat Club」という名前で公演を行う会場へと徐々に本来の劇場としての姿に戻っていき、2001年に「Urinetown」を公演する際にヘンリー・ミラー劇場として再びミュージカルを公演する劇場として戻ってきました。

Bank of America Tower (BOAT) の建設と共に再建築される

画像中央に位置する建物がバンク・オブ・アメリカ・タワーです
2004年に57階建てのバンク・オブ・アメリカ・タワーの建設のため、劇場は取り壊され、再建する事になります。通称BOATと呼ばれているこの超高層ビルは、ニューヨーク市で4番目に高いタワーとなり、氷を用いた冷房システムを採用した環境に優しいビルとなっています。
劇場を建て直すにあたり、上層階に銀行施設がある事から劇場は地下階での建造を余儀なくされますが、座席数が現在の1055席に増やす事ができました。ちなみに、地下にある劇場はマンハッタンに2つだけ(スティーヴン ソンドハイム 劇場とサークル・イン・スクエア劇場)となります。

2007年には、劇団ランドアバウト(Roundabout Theatre Company)が運営を開始すると発表し、自身にとって3個目の劇場運営となりました。2009年にランドアバウトのオリジナルミュージカル作品である『バイ・バイ・バーディー(Bye Bye Birdie)』の公演とともに再出発し、これまでに様々な姿へと変化を遂げてきたヘンリー・ミラーズ劇場ですが、2010年3月22日にミュージカル界に多大な影響と貢献をもたらし、大統領自由勲章を受章した作詞作曲家であるスティーヴン・ソンドハイム(Stephen Sondheim)の88歳の誕生日を記念して、「スティーヴン・ソンドハイム劇場」(Stephen Sondheim Theatre)に改名すると発表され、半年後にBBCプロムスで開催されたセレモニーにて、正式に現在の劇場名で運営開始となりました。

劇場名の由来:スティーヴン・ソンドハイム(Stephen Sondheim)について

2018年現在のスティーブン・ソンドハイム(Stephen Sondheim):87歳
スティーヴン・ソンドハイムは、マンハッタンのアッパー・ウエスト・サイドで生まれ育った作詞作曲家です。1930年3月22日に生まれてから、半世紀以上にわたってミュージカル界、映画界に貢献してきました。
9歳の頃、ブロードウェイ・ミュージカル「Very Warm for May」を鑑賞したことをきっかけにミュージカルに興味を持ち、その後トニー賞8回、アカデミー賞1回、グラミー賞8回、ピューリッツァー賞1回、ローレンス・オリヴィエ賞1回のほか、2015年には大統領自由勲章を受賞する人物へと成長します。

ソンドハイムは裕福な家庭に育ちましたが、10歳の時、父親が別の女性と一緒になるために家を去り、両親は離婚します。その後ソンドハイムは母親と共に暮らしますが、父親に裏切られた母親はソンドハイムを父に投影して、優しくしてきたかと思えば怒鳴り殴ったり、精神的にソンドハイムを苦しめました。兄弟もいなかったソンドハイムは家族からの愛情を受けないまま、人間的な繋がりを持てず孤立していました。

そんな中、ソンドハイムは、ジェイムズ・ハマースタイン(James Hammerstein)という少年と友達になり、彼の父親であるオスカー・ハマンスタイン2世(Oscar Hammerstein II)が代理父となります。作詞家で脚本家であったオスカーは、ソンドハイムに深く影響を与え、ミュージカル劇場への愛情を育てる事となります。

ウィルアムズ・カレッジで音楽を学び、25歳の若さでレナード・バーンスタイン作曲の大ヒット作「ウェストサイド物語」の作詞を任され、最初の成功を収めました。作詞作曲家としての有名作品だけでも「ローマで起った奇妙な出来事」、「ジョージの恋人」、「イントゥ・ザ・ウッズ」などがあり、映画界の音楽面でも活躍し、1981年、ウォーレン・ベイティの映画「レッズ」の曲「Goodbye for Now」や1990年代、映画「ディック・トレイシー」においてマドンナの「Sooner or Later (I Always Get My Man) 」など5曲を作曲し、アカデミー歌曲賞を受賞しました。トニー賞においては特別功労賞を含み、作曲家として受賞回数最多数を記録しています。
そんなソンドハイムの才能を、「キャッツ」や「オペラ座の怪人」などを手がけた世界を代表する演劇プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュは、「かつてない最高の作詞家であろう」と高く評価しています。

スティーヴン・ソンドハイムの受賞履歴

グラミー賞 1970年 「カンパニー」
オリジナルキャストアルバム作曲賞

1973年 「リトル・ナイト・ミュージック」
オリジナルキャストアルバム作曲賞

1976年 Send in the Clowns(「リトル・ナイト・ミュージック」)
Song of the Year賞

1979年 「スウィーニー・トッド」
キャストショーアルバム賞

1984年 「ジョージの恋人」
キャストショーアルバム賞

1988年 「イントゥ・ザ・ウッズ」
ミュージカルキャストショーアルバム賞

1994年 「パッション」
ミュージカルキャストショーアルバム賞

2010年 「ウエストサイド物語」(リバイバル)
ミュージカルキャストショーアルバム賞

アカデミー賞 1990年 Sooner or Later(「ディック・トレイシー」)
主題歌賞
トニー賞 1963年「ローマで起った奇妙な出来事」
ミュージカル作品賞

1971年「カンパニー」
作曲賞・作詞賞

1972年「フォリーズ」
作曲賞

1973年「リトル・ナイト・ミュージック」
作曲賞

1979年「スウィーニー・トッド」
作曲賞

1988年「イントゥ・ザ・ウッズ」
作曲賞

1994年「パッション」
作曲賞

2008年 生涯にわたる舞台演劇への貢献に対して
特別賞

Stephen Sondheim Theatreで上演された過去の作品

上演開始日 演目
1920年11月1日~1921年1月1日 Just Suppose
1921年1月17日~4月1日 Wake Up, Jonathan!
1921年8月22日~9月1日 The Scarlet Man
1921年9月15日~11月1日 The White-Headed Boy
1921年11月7日~1922年1月1日 The Intimate Strangers
1922年1月23日~4月29日 The National Anthem
1922年6月1日~6月24日 A Pinch Hitter
1922年9月18日~1923年1月20日 The Awful Truth
1924年1月16日~4月1日 Merry Wives of Gotham
1924年4月7日~5月10日 Helena’s Boys
1924年6月16日~10月1日 So This Is Politics (Strange Bedfellows)
1924年12月5日~12月31日 The Man in Evening Clothes
1924年12月16日~1925年4月27日 Quarantine
1925年4月27日~5月1日 The Poor Nut
1925年9月16日~1926年1月30日 The Vortex
1926年2月1日~2月27日 Embers
1926年3月1日~3月1日 Still Waters
1926年9月14日~11月20日 Just Life
1926年10月25日~11月1日 Raquel Meller
1926年11月3日~1927年7月30日 The Play’s the Thing
1927年9月12日~1928年1月31日 Baby Cyclone
1928年2月20日~6月9日 Our Betters
1928年8月27日~10月6日 Gentlemen of the Press
1928年11月19日~月日 The Sacred Flame
1928年12月13日~12月29日 The Lady of the Orchids
1929年1月21日~1月31日 Merry Andrew
1929年3月22日~1930年5月17日 Journey’s End
1930年9月29日~11月1日 The Violet
1930年9月29日~11月1日 One, Two, Three
1930年9月29日~11月1日 The Violet and One, Two, Three
1930年11月17日~11月29日 Marseilles
1931年1月13日~7月4日 Tomorrow and Tomorrow
1931年10月20日~10月31日 The Sex Fable
1931年11月24日~1932年4月2日 The Good Fairy
1932年10月31日~1933年4月29日 The Late Christopher Bean
1933年9月27日~10月14日 Amourette
1933年10月24日~11月28日 Spring in Autumn
1934年1月8日~2月24日 Days Without End
1934年4月2日~4月28日 House of Remsen
1934年5月7日~5月12日 These Two
1934年9月13日~9月22日 The Bride of Torozko
1934年10月17日~1935年12月18日 Personal Appearance
1935年12月20日~1936年5月2日 Libel
1936年9月17日~11月7日 Seen but Not Heard
1936年12月1日~1937年2月13日 The Country Wife
1937年3月5日~4月10日 Now You’ve Done It
1937年4月7日~5月8日 Miss Quis
1937年9月28日~1938年1月1日 French Without Tears
1938年1月12日~1月15日 Tortilla Flat
1938年2月4日~2月12日 Our Town
1938年2月15日~5月14日 Once is Enough
1938年9月28日~1939年5月20日 Kiss the Boys Good-bye
1939年11月1日~11月11日 Pastoral
1939年11月22日~11月25日 Ring Two
1939年12月27日~12月30日 Christmas Eve
1940年1月30日~2月10日 Geneva
1940年3月26日~8月3日 Ladies in Retirement
1940年12月4日~12月28日 Delicate Story
1941年1月6日~1月18日 Eight O’Clock Tuesday
1941年2月24日~4月12日 The Talley Method
1941年5月13日~5月31日 The Happy Days
1941年9月3日~9月27日 Village Green
1941年11月10日~1942年1月10日 Spring Again
1942年1月20日~1月24日 All in Favor
1942年2月12日~3月7日 Heart of a City
1942年6月23日~7月11日 Broken Journey
1942年9月10日~12月19日 Janie
1942年12月23日~1943年1月2日 Flare Path
1943年3月3日~1944年4月1日 Harriet
1944年4月5日~5月20日 Chicken Every Sunday
1944年6月14日~7月8日 For Keeps
1944年10月17日~11月4日 The Visitor
1944年11月20日~12月9日 The Streets Are Guarded
1944年12月13日~1946年7月27日 Dear Ruth
1946年10月24日~1947年1月11日 Made in Heaven
1947年1月15日~2月1日 Little A
1947年2月8日~2月15日 The Story of Mary Surratt
1947年3月10日~4月19日 Maurice Chevalier
1947年11月4日~1948年6月19日 For Love or Money
1948年9月22日~9月25日 Grandma’s Diary
1948年11月9日~1949年12月31日 Born Yesterday
1950年1月21日~1951年1月13日 The Cocktail Party
1951年3月8日~1953年5月30日 The Moon is Blue
1953年11月3日~12月5日 The Trip to Bountiful
1953年12月17日~1954年11月13日 Oh, Men! Oh, Women!
1954年11月17日~12月4日 The Living Room
1954年12月16日~1956年6月30日 Witness for the Prosecution
1956年10月10日~1957年2月2日 The Reluctant Debutante
1957年4月11日~7月13日 Hotel Paradiso
1957年10月15日~11月16日 Under Milk Wood
1957年10月10日~10月14日 The Genius and the Goddess
1957年12月23日~1958年1月4日 The Country Wife
1958年1月27日~5月3日 The Rope Dancers
1958年10月28日~11月1日 Patate
1958年11月25日~12月27日 Cue for Passion
1959年1月12日~2月21日 Epitaph for George Dillon
1959年3月3日~4月4日 Look After Lulu
1959年5月12日~5月30日 The Nervous Set
1959年9月22日~10月10日 An Evening with Yves Montand
1959年10月15日~12月26日 Golden Fleecing
1959年12月29日~1960年6月1日 The Andersonville Trial
1960年9月14日~10月8日 The World of Carl Sandburg
1960年11月16日~1961年4月15日 Under the Yum-Yum Tree
1962年3月28日~4月7日 Great Day in the Morning
1962年9月20日~12月29日 The Affair
1963年1月29日~3月9日 The Hollow Crown
1963年3月13日~3月14日 Enter Laughing
1964年3月31日~4月19日 Josephine Baker
1964年5月19日~6月6日 The White House
1964年9月16日~11月7日 The Committee
1964年11月19日~11月28日 P.S. I Love You
1964年12月29日~1965年1月10日 The Sign in Sidney Brustein’s Window
1965年2月10日~2月13日 Diamond Orchid
1965年4月29日~5月1日 A Race of Hairy Men!
1965年10月7日~10月9日 Minor Miracle
1965年12月22日~1966年2月26日 The Subject Was Roses
1966年3月6日~4月2日 3 Bags Full
1966年12月14日~12月17日 Agatha Sue, I Love You
1967年2月11日~2月18日 The Paisley Convertible
1967年4月4日~5月28日 Hello, Solly!
1967年11月14日~12月2日 The Promise
1968年1月11日~2月3日 Befo1re You Go
1968年2月28日~4月20日 Portrait of a Queen
1968年5月28日~6月23日 The Venetian Twins
1968年9月24日~1968年9月24日 The Cuban Thing
1968年11月28日~1969年1月11日 Night
1968年11月28日~1969年1月11日 Noon
1968年11月28日~1969年1月11日 Morning
1968年11月28日~1969年1月11日 Morning, Noon and Night
1969年2月27日~3月1日 But, Seriously…
1983年5月2日~5月2日 The Ritz
1998年3月19日~11月8日 Cabaret
2001年9月20日~2004月1日18 Urinetown The Musical
2002年12月2日~2003年1月6日 Mandy Patinkin in Concert: Celebrating Sondheim
2009年10月15日~2010年1月24日 Bye Bye Birdie
2010年3月18日~4月4日 All About Me
2010年11月11日~2011年1月2日 The Pee-wee Herman Show
2011年4月7日~2012年7月8日 Anything Goes
2011年12月5日~12月5日 She Loves Me
2013年4月23日~10月9日 The Trip to Bountiful
2013年11月21日 ビューティフル ※現在も上演中