Vivian Beaumont Theater|基本情報

住所: 50 Lincoln Center Plaza, New York, NY 10023(地図
開業: 1965年10月21日
収容人数: 1,105人
座席表: ※クリックして拡大
ビビアン・ビューモント劇場の座席表

Vivian Beaumont Theater 劇場の歴史

1965年リンカーンセンター(Lincoln Center)の1つとして登場

リンカーンセンターの複合施設の1つビビアン ビューモント劇場(Vivian Beaumont Theatre)
ビビアン ビューモント劇場は1965年10月21日に、アッパーウエスト地区の位置するリンカーンセンター(Lincoln Center)の複合施設の1つとして開業しました。舞台様式「スラスト・ステージ(Thrust Stage)」を使用し、約9.6億ドルを掛けて建築されたビビアン ビューモント劇場は、唯一、タイムズ・スクエアのブロードウェイ劇場街(Theater District)から離れて位置するブロードウェイ劇場です。

劇場名は、1958年のリンカーンセンター建設時に約3億ドル(当時のレートで約1000億円 ※360円/ドル)を寄付した女優「ビビアン・ボーモント・アレン(Vivian Beaumont Allen)」から命名されており、1962年にビビアン・ボーモント・アレン他界後、リンカーンセンターが彼女の寄付活動を貢献して「Vivian Beaumont Theatre」の名を付けました。

レパートリー・シアター(Repertory Theater)について

劇場開幕は、映画監督ジュールス・アーヴィング(Jules Irving)と演出家ハーバート・ブラウ(Herbert Blau)による作品を、リンカーンセンター専属の劇団が日替わりで作品を上演するレパートリー・シアター(Repertory Theater)として劇場を運営していました。

レパートリー・シアターは、ブロードウェイ街の劇場で行われているような1つの演目を上演し続ける公演体制でなはく、劇場専属の劇団が即興とする様々な演目を、日替わりで上演する運営形態で、主に、ウィーン国立歌劇場やベルリン、ドイツなどヨーロッパのオペラハウスで行われている形態です。反対に、1つの演目を一定期間で上演する公演(ロングラン作品を含む)や、外部の劇団が、公演のために劇場を貸りて上演する場合を「スタジオーネ・システム(Stazione system)」と言い、日本では宝塚大劇場、歌舞伎座、劇団四季などがこの運営形態を取り入れています。

ジョゼフ・パップ(Joseph Papp)によるNew York Shakespeare Festival

レパートリー・シアター公演終了後は、設立者ジョゼフ・パップ(Joseph Papp)による団体「ニューヨーク・シェイクスピア・フェスティバル(New York Shakespeare Festival)」の公演が1973年から1977年まで行われました。

セントラルパーク内にあるデラコート劇場(Delacorte Theater)
ジョゼフ・パップは劇場プロデューサー兼監督で、1954年にパブリック劇場(The Public Theater)を設立すると同時に、シェイクスピア(Shakespeare)の戯曲を上演する団体「New York Shakespeare Festival」を設立しました。1957年に、セントラルパーク内で入場料無料のシェイクスピア公演を始めると同時に人気が急上昇し、これをきっかけに、1962年にセントラルパーク内に野外デラコート劇場(Delacorte Theater)を建築、団体名「シェイクスピア・イン・ザ・パーク(Shakespeare in the Park)」に改名しました。

デラコート劇場のこれまでの公演総動員数は約5億人以上にも登り、夏季限定とはなるものの、当時から変わらない野外スタイルで無料のシェイクスピア公演が行われます。ちなみに、ジョゼフ・パップは、ブロードウェイ劇場街(Theater District)に昔から存在する劇場を維持するために、株式会社「Save the Theatres, Inc.」を設立し、ブロードウェイ劇場街の構築にあたり、多くの歴史的劇場や建築物を守る運動に力を入れていた人物です。

シェイクスピア・イン・ザ・パーク団体によるシェイクスピア公演の無料チケット受取方法は、公演日の午後12時にセントラルパーク内の野外デラコート劇場にて配布されます。またオンラインアプリの抽選で無料チケットが当たる「Lottery Ticket」でも入手が可能です。オンラインからの場合は、応募専用の指定アプリケーションをダウンロードし、公演日の午前12時から午後12時までの間に名前・メールアドレスを登録するだけで完了です。抽選に当たった方のみ連絡が入り、チケット窓口までチケットを受け取りに行きます。詳しい詳細は公式サイト(英語)よりご確認いただけます。

アーチ形式の舞台会場Thrust StageとProscenium Arch

エーロ・サーリネン(Eero Saarinen )とジョウ・ミールジナー(Jo Mielziner)によって建築デザインされたビビアンビューモント劇場は、1977年から1980年まで舞台配置の再構築のため休業しました。元々使用していた舞台様式「スラスト・ステージ(Thrust Stage)」から「プロセニアム・アーチ(Proscenium Arch)」を用いた建築方式へ、また、音響や機械の設備も大幅に改善をし、約6.5億ドル(当時のレートで約12億円 ※200円/ドル)を掛けて新しいビビアンビューモント劇場へと生まれ変わりました。

ビビアン ビューモント劇場建築当初の舞台様式スラスト・ステージ(Thrust Stage)

スラスト・ステージ(Thrust Stage)

建設当時、ブロードウェイ劇場街に位置するほとんどの劇場は、プロセニアム・アーチの舞台様式を使用していましたが、エーロ・サーリネンとジョウ・ミールジナーは「スラスト・ステージ」の舞台様式を使用しました。舞台と観客の間にプロセニアムとよばれる円縁(枠)が存在せず、舞台の三方向を客席が囲むようなフラットな形をした舞台様式です。

再構築後の舞台様式プロセニアム・アーチ(Proscenium Arch)

プロセニアム・アーチ(Proscenium Arch)

再構築されたプロセニアム・アーチは、舞台と客席の境界が区分されている額縁がある舞台となり、客席から舞台を一方向から見る建築様式です。ブロードウェイに存在する劇場は、主にこの様式を使用しています。元々のアーチ型をした客席を残し、舞台奥のスペースを切り抜く形でプロセニアム・アーチ様式を実現しました。

アーチ型建築の巨匠エーロ・サーリネン(Eero Saarinen)

アーチにこだわるエーロ・サーリネン(Eero Saarinen)
ビビアンビューモント劇場の建築デザインを担当したエーロ・サーリネン(Eero Saarinen )は、20世紀のアメリカを代表する巨匠建築家の1人で、アメリカ国内の有所ある建築物を作り上げた人物です。
エーロ・サーリネンが手がける建築物は、シンプルかつアーチ構造を多く取り入れることが特徴的で、彼の建設による代表的な建物には、ジョン・F・ケネディ国際空港空港のターミナル5の建物やダレス国際空港ターミナル、また本社CBSビルなどが挙げれます。
エーロ・サーリネンはビビアンビューモント劇場の建築にあたり、過去に約7回のトニー賞受賞、約5回のノミネート受賞経験のある舞台美術デザイナージョウ・ミールジナーとともに活動しました。

渡辺謙主演ミュージカル作品「The King and I」上演会場

渡辺謙主演ミュージカル作品「The King and I」
1980年の劇場再オープン後は、1つの演目を一定期間で上演し続ける方針に変わり、2015年4月16日公演のリバイバル作品「王様と私(The King and I)」が、2015年トニー賞授賞式でミュージカル・リバイバル作品賞を含む4部門で受賞4部門をノミネートしました。ハリウッド映画でも活躍する渡辺謙が主演し、受賞には至りませんでいせたがミュージカル主演男優賞にノミネートされ、日本人では1976年以来の42年ぶりとなる快挙となりました。また、主演女優を演じたケリー・オハラ(Kelli O’Hara)は、本作品で6度目のノミネートを受け、ついにこのトニー賞で念願のミュージカル主演女優賞を獲得しました。

その後も、2017年公開のミュージカル「オスロ(Oslo)」は、2017年トニー賞授賞式で演劇作品賞を含む2部門で受賞5部門でノミネートを獲得し、2018年からは約25年振りにブロードウェイの舞台となるミュージカル「マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)」の公演が決定しており、ブロードウェイ界を代表する劇場の1つとして運営を存続しています。「王様と私(The King and I)」の主演女優ケリー・オハラのように、トニー賞では1947年の第1回トニー賞受賞式以来、数多くのブロードウェイミュージカルに関わるドラマやトリビアを生み出し続けています。

複合施設:Lincoln Center for the Performing Artsについて

リンカーンセンター内にある複合施設ビビアン ビューモント劇場(Vivian Beaumont Theatre)
リンカーン・センター(Lincoln Center for the Performing Arts)は、創立者ロックフェラー3世(John D. Rockefeller3世)により、1955年から1969年の建設期間をかけて建設され、劇場、コンサートホール、芸術学校・大学、図書館など21施設含めた総合芸術施設です。
名前の由来は、第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンを貢献して付けられた土地「リンカーン・スクエアー(Lincoln Square)」にちなんで付けられ、ニューヨーク初の巨大な芸術総合施設です。リンカーン・センターを代表する4つの主要施設は、以下が挙げられます。

リンカーン・センター内の主要施設

ディヴィッド・ゲフィン・ホール(David Geffen Hall)

ディヴィッド・ゲフィン・ホール(David Geffen Hall)

1962年に、全施設の中で1番最初に開業したコンサートホールです。ニューヨーク・オーケストラ団「ニューヨーク・フィルハーモニック(New York Philharmonic)」の本拠地として運営をしています。1973年に、約10億5000万ドルの寄付を行ったAvery Fisherを貢献して、旧名称「ハーモニック(Harmonic Hall)」から現在の名前へと改名しました。

ディヴィッド・H・コーク劇場(David H. Koch Theater)

ディヴィッド・H・コーク劇場(David H. Koch Theater)

1964年開業後からニューヨーク・バレエ団「ニューヨーク・シティ・バレエ(New York City Ballet)」の本拠地として運営しており、旧名称は「ニューヨーク州立劇場 (New York State Theater) 」で、2008年に石油・ガスの大富豪David H. Kochが約1億ドル以上の資金提供をしたことで、ディヴィッド・H・コーク劇場の名前に抜擢されました。

メトロポリタン歌劇場(Metropolitan Opera House)

メトロポリタン歌劇場(Metropolitan Opera House)

1966年に開業したメトロポリタン歌劇場は、ニューヨークを代表するオペラハウスでオペラ歌劇団「メトロポリタン・オペラ(Metropolitan Opera)」の本拠地として運営をしています。劇場の収容人数は、座席数約3,800席と195名の立見の合計3,995名となり、4つの主要施設の中で最も大きく、また最新の舞台装置が完備されており、舞台上には上下に動くエレベーター式の2層式迫りや、前後左右に動くスライディングステージが見どころです。

リンカーン・センター・シアター(Lincoln Center Theater)

リンカーン・センター・シアター(Lincoln Center Theater)

ビビアンビューモント劇場を含むこちらの建物内には、小型劇場「the Claire Tow Theater」やリハーサルスペース、ドレスルーム、オフィス、そしてバーを備えたロビーを設備しています。建物自体のデザインは、屋根一面に緑を植えた緑化勾配屋根に、建物一面の窓には太陽からの光を遮るアルミニウムルーバー(日よけ・通風のために、一等間隔で透き間をあけて羽根板を取りつけたよろい張り)を使用するなど、自然を基調とした作りとなっています。

Vivian Beaumont Theaterで上演された過去の作品

上演開始日 演目
1965年12月9日~1966年1月23日 The Country Wife
1966年2月3日~3月13日 The Condemned of Altona
1966年3月24日~6月18日 The Caucasian Chalk Circle
1966年10月13日~11月26日 The Alchemist
1966年12月8日~1967年1月28日 Yerma
1967年2月9日~4月1日 The East Wind
1967年4月13日~6月17日 Galileo
1967年7月6日~9月16日 The Unknown Soldier and His Wife
1967年10月26日~12月16日 The Little Foxes
1968年1月4日~2月10日 Saint Joan
1968年2月29日~4月6日 Tiger at the Gates
1968年4月25日~6月8日 Cyrano de Bergerac
1968年6月25日~7月14日 The Three Musketeers
1968年6月27日~7月14日 George Dandin
1968年7月2日~7月14日 Tartuffe
1968年7月25日~11月30日 Losers
1968年7月25日~11月30日 Winners
1968年7月25日~9月14日 Lovers
1968年11月7日~1969年2月12日 King Lear
1968年11月14日~1969年2月15日 A Cry of Players
1969年3月6日~4月20日 In the Matter of J. Robert Oppenheimer
1969年5月8日~6月21日 The Miser
1969年11月6日~12月20日 The Time of Your Life
1970年1月8日~2月21日 Camino Real
1970年3月12日~4月25日 Operation Sidewinder
1970年5月14日~6月27日 Beggar on Horseback
1970年11月5日~12月13日 The Good Woman of Setzuan
1971年1月7日~2月20日 The Playboy of the Western World
1971年3月11日~4月25日 An Enemy of the People
1971年5月13日~6月20日 Antigone
1971年11月12日~12月18日 Mary Stuart
1972年1月6日~2月12日 Narrow Road to the Deep North
1972年3月2日~4月8日 Twelfth Night
1972年4月27日~6月3日 The Crucible
1972年6月22日~10月21日 Man of La Mancha
1972年11月9日~12月16日 Enemies
1973年1月4日~2月10日 The Plough and the Stars
1973年3月1日~4月7日 The Merchant of Venice
1973年4月26日~7月29日 A Streetcar Named Desire
1973年11月8日~12月9日 Boom Boom Room
1973年12月27日~1974年1月27日 The Au Pair Man
1974年2月14日~3月17日 What the Wine-Sellers Buy
1974年4月4日~5月5日 Dance of Death
1974年5月23日~8月4日 Short Eyes
1974年10月30日~12月8日 Mert & Phil
1975年1月6日~2月9日 Black Picture Show
1975年3月5日~4月20日 A Doll’s House
1975年5月7日~6月1日 Little Black Sheep
1975年10月15日~11月23日 Trelawny of the “Wells”
1975年12月17日~1976年1月25日 Hamlet
1976年2月18日~4月4日 Mrs. Warren’s Profession
1976年5月1日~1977年1月23日 Threepenny Opera
1977年2月17日~4月10日 The Cherry Orchard
1977年5月18日~6月19日 Agamemnon
1977年5月18日~6月19日 The House of Atreus
1980年11月14日~1981年1月4日 The Philadelphia Story
1981年1月22日~3月8日 Macbeth
1981年4月27日~6月21日 The Floating Light Bulb
1983年11月17日~1984年4月28日 La Tragedie de Carmen
1984年7月17日~7月22日 Oedipus Rex
1986年4月1日~4月20日 The Flying Karamazov Brothers “Juggling and Cheap Theatrics”
1986年4月29日~10月5日 The House of Blue Leaves
1986年11月23日~1987年1月11日 The Front Page
1987年3月1日~3月29日 Death and the King’s Horseman
1987年4月12日~4月26日 The Regard of Flight
1987年5月31日~7月26日 The Comedy of Errors
1987年10月19日~1989年9月3日 Anything Goes
1989年12月10日~1990年1月14日 The Tenth Man
1990年5月2日~6月17日 Some Americans Abroad
1990年11月8日~1992年1月5日 Six Degrees of Separation
1991年1月21日~3月12日 Monster in a Box
1992年3月18日~4月19日 Four Baboons Adoring the Sun
1992年12月10日~1993年1月10日 My Favorite Year
1993年4月11日~4月12日 Company
1993年8月1日~8月22日 In the Summer House
1993年11月28日~1994年1月3日 Gray’s Anatomy
1993年11月29日~1994年1月2日 Abe Lincoln in Illinois
1994年3月24日~1995年1月15日 Carousel
1994年6月5日~6月27日 Gray’s Anatomy
1995年3月31日~8月27日 Arcadia
1995年11月20日~12月31日 Racing Demon
1996年11月10日~1997年1月6日 It’s a Slippery Slope
1996年11月24日~1997年1月5日 Juan Darien
1997年4月27日~6月15日 The Little Foxes
1997年11月20日~1998年1月4日 Ivanov
1998年3月18日~5月3日 Ah, Wilderness!
1998年7月16日~8月30日 Twelfth Night
1998年12月17日~1999年2月28日 Parade
1999年4月26日~8月29日 It Ain’t Nothin’ But the Blues
1999年11月8日~2000年1月10日 Morning, Noon and Night
1999年12月2日~2000年1月9日 Marie Christine
2000年3月30日~2002年9月1日 Contact
2000年11月13日~12月17日 Matters of the Heart
2001年11月18日~2002年6月10日 QED
2002年1月14日~8月25日 Mostly Sondheim
2002年4月1日~4月1日 Anything Goes
2002年6月17日~6月17日 Back from Broadway
2002年12月19日~2003年1月26日 Dinner at Eight
2003年11月20日~2004年1月18日 Henry IV
2004年3月4日~4月18日 King Lear
2004年3月28日~4月18日 Barbara Cook’s Broadway!
2004年7月22日~10月10日 The Frogs
2004年12月16日~2005年1月23日 The Rivals
2005年4月18日~2006年7月2日 The Light in the Piazza
2005年5月1日~5月23日 Love/Life
2006年11月27日~2007年5月13日 The Coast of Utopia
2006年11月27日~2007年5月12日 The Coast of Utopia (Part 1: Voyage)
2006年12月21日~2007年5月12日 The Coast of Utopia (Part 2: Shipwreck)
2007年2月18日~5月13日 The Coast of Utopia (Part 3: Salvage)
2007年12月2日~2008年1月6日 Cymbeline
2008年4月3日~2010年4月22日 South Pacific
2010年11月18日~2011年1月9日 A Free Man of Color
2011年4月14日~2013年1月6日 War Horse
2013年3月7日~6月30日 Ann
2013年11月21日~2014年1月12日 Macbeth
2014年4月17日~6月15日 Act One
2015年4月16日~2016年6月26日 The King and I
2017年4月13日~7月16日 Oslo
2017年11月27日 現在上演中の演目は御座いません。