321 W 44th St #703, New York, NY 10036(地図
開業:1992年|所有劇場数:3

The Ambassador Theatre Group(ATG)|基本情報

世界的に有名なミュージカルはロンドンとニューヨークにあり、それぞれロンドンでは「ウエスト・エンド(West End)」とニューヨークでは「ブロードウェイ(Broadway)」と呼びます。アンバサダー・シアター・グループ(Ambassador Theatre Group)はウエスト・エンド発祥の劇団で、ウエストエンドで最も多くの劇場所有している劇場運営会社です。全世界各地で合計43劇場を所要し、ウエスト・エンドでは12劇場、ブロードウェイでは3劇場を所有・運営をしており、劇団名を省略して「ATG」の愛称で知られています。 また、劇場運営だけでなく劇団独自のチケット販売に加え、英国とブロードウェイでのミュージカル制作とイギリス、北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、アジアの地域でミュージカルツアー公演も行っており、世界を股にかけて活躍する劇場運営会社です。

ウエスト・エンド・シアター(West End Theatre)について

ウエスト・エンド・シアター(West End theatre)番街
イギリスを代表するエンターテイメント「ウエスト・エンド(West End)」は、ブロードウェイと並ぶ大規模なミュージカル劇場街として、多くの主要劇場を始め、映画館、レストラン、ホテル、娯楽施設が集結しています。別名「シアターランド(Theater Land)」とも呼ばれるこの劇場街には、大小合わせて約50の劇場がシャフツベリー番街(Shaftesbury Ave)からコヴェント・ガーデン(Covent Garden)付近を中心に位置しています。

ウエスト・エンドとブロードウェイの違い

ニューヨークを代表するブロードウェイは、1950年代のミュージカル映画が登場した時代から人気が出始め、主にダンスを重要視した軽快で愉快な曲のミュージカル作品が多いのが特徴的です。1994年からは「アラジン」や「ライオンキング」などといったディズニーブロードウェイが参入したことによって、大人だけではなく子どもと一緒に楽しむことができるミュージカルへと変化していきました。一方のウエスト・エンドは、1980年代に登場した「レ・ミゼラブル(Les Misérables)」やアンドリュー・ロイド=ウェバー氏による「キャッツ」「オペラ座の怪人」の登場によって、世界を代表するミュージカル地区へと変貌しました。舞台は、主に音楽やストーリーを重要視し、ドラマチックな落ち着いた雰囲気の展開や現実社会に起こる問題をテーマにした作品が多いのが特徴的です。

シアターランド(Theater Land)地区の駅の看板
また2つの劇場街は、劇場で囲まれるエリアの形成方式が異なります。
ブロードウェイは、40から成る劇場がタイムズ・スクエアを囲むよう劇場が立ち並んでいるのに対して、ウエスト・エンドは、50ほどの劇場が4つの地域に分かれて点在しています。シアターランドの中でも特に劇場が集結している地区は4つに分かれており、劇場地区として認定されいてる地域の駅の看板には「Theater Land」と記載がされています。
シアターランド4地区の地図はコチラ ▶︎
①ヘイマーケット地区
(Haymarket)
ハー・マジェスティーズ劇場:Her Majesty’s Theatre(地図
公演中の演目:オペラ座の怪人
②チャリング・クロス・ロード地区
(Charing Cross Rd)
フェニックス劇場:Phoenix Theatre(地図
公演中の演目:シカゴ
③ストランド地区
(Strand)
アデルフィ劇場:Adelphi Theatre(地図
公演中の演目:キンキーブーツ
④オルドウィッチ地区
(Aldwych)
ノヴェロ劇場:Novello Theatre(地図)公演中の演目:マンマ・ミーア
ライシアム劇場:Lyceum Theatre(地図)公演中の演目:ライオンキング

The Ambassador Theatre Group(ATG)の歴史

1992年に設立したアンバサダー・シアター・グループ

1992年に設立したアンバサダー・シアター・グループ(The Ambassador Theatre Group)は、夫婦であるハワード・パンター(Howard Panter)ローズマリー・スクワイア(Rosemary Squire)によって立ち上げられました。

元々、劇場プロデューサーとして演劇制作を行っていたハワード・パンターは、「サリー(Surrey)」と呼ばれる4輪馬車を使用した劇場送迎の事業を立ち上げるため、1986年に「ベックウィズ社(The Beckwiths’ company)」を立ち上げました。メンバーに、当時ウエスト・エンドの劇場運営会社「Maybox Group PLC」で責任者をしていた妻ローズマリー・スクワイアと劇場プロデューサーのエディー・クルクンディス(Eddie Kulukundis)とジョン・ベックウィズ(John Beckwith)を率いれ、劇場マネージメントなどの業種にも乗り出します。その後、ハワード・パンターは、自身の演劇制作経験と劇場マネージメントを組み合わせた事業を行うため、1992年にデューク・オブ・ヨーク劇場(Duke of York’s Theatre)を買収するのと同時に劇場運営会社「アンバサダー・シアター・グループ(The Ambassador Theatre Group)」を設立しました。劇場運営会社として劇場運営の保持だけでなく、演劇制作やチケット販の全てのマーケティングと連携して事業を行うことを目的としたビジネスモデルを確立しました。

アンバサダーズ劇場(Ambassadors Theatre)
劇場運営に成功したアンバサダー・シアター・グループは、1995年に2つめの所有劇場となるアンバサダーズ劇場(Ambassadors Theatre)を買収しました。1913年に建設されたアンバサダーズ劇場は、世界最長のロングラン記録を持つアガサ・クリスティ(Agatha Christie)作の演劇「ねずみとり(The Mousetrap)」の初演を行ったことでも有名で、1952年の初演から1974年まで約21年間にも渡り公演を行いました。1997年から1999年にかけては、ウエスト・エンド中心部だけでなく、ロンドンの北西に位置するミルトン・キーンズ(Milton Keynes)やストーク=オン=トレント(Stoke-on-Trent)で3つの劇場運営を開始します。

ウエスト・エンドに13劇場をもつ巨大劇場運営会社へと

2000年に入るとアンバサダー・シアター・グループは、ウエスト・エンドの7つの劇場を一気に買収し、ウエスト・エンドでの所有劇場は合計13劇場にまで達しました。また、ウエスト・エンドに限らず他地域での劇場買収も持続して行っていた劇団は、2009年にロンドンの大手チケット販売会社「Live Nation UK」から、彼らが所有していたイギリス各地16ヶ所の劇場やライブ会場を約9000万ポンド(日本円:約133億968万円)で購入するなどして、イギリスの主要劇場運営会社としての地位を確立しました。
さらに、イギリス国内で最大の規模を誇る運営会社に登りつめた設立者ハワード・パンターとローズマリー・スクワイアは、2010年から2016年の間に、英国の著名な劇場の人物として称される「ステージ100(Stage 100)」に選ばれました。

ブロードウェイそして世界への進出

2013年 劇団初となるブロードウェイ劇場Lyric Theatreを買収

2012年にアンバサダー・シアター・グループは、オーストラリアと中国で劇場の所有権を拡大する意向を示し、同年11月にシドニーに地域本部を設置、イギリス国内だけでなく世界各地へと進出を開始します。さらに、2009年から劇場買収を一旦中止していた劇団は、2013年に劇団初となるフォックス・ウッズ劇場を買収し、ニューヨーク・ブロードウェイへの進出を果たします。

リリック劇場(Lyric Theatre)の入口
アンバサダー・シアター・グループは劇場買収後、劇場名を現在の「リリック劇場(Lyric Theatre)」に改名し、改装工事を行いました。外観のデザインは、1903年に建設された旧リリック劇場のデザインをモチーフにし、かつての劇場の姿が忠実に再現されています。また、リリック劇場は、ブロードウェイの劇場で2番目に客席数が巨大な劇場で、その天井がとても高い事から、ワイヤーアクションを利用したアクロバティック演出を可能にした劇場として知られています。
リリック劇場についてもっと詳しく ▶︎

2018年3月からは、演劇「ハリーポッターと呪いの子(Harry Potter and the Cursed Child)」の舞台が始まります。今作品は世界中で大ヒットを起こした映画「ハリー・ポッター(Harry potter)」の新作第8作目の物語となっており、舞台の初演はイギリスのウエスト・エンドで行われました。本国イギリスでのこの公演は大ヒットとなり、国内で最も権威のあるローレンス・オリヴィエ賞を受賞する快挙となり、ブロードウェイにも受賞したキャスト陣が続投されるという事で、チケット販売開始後すぐに完売日が続く状況になっています。

2015年 オフ・ブロードウェイ劇場Kings TheatreとHudson Theatreを買収

2015年8月にアンバサダー・シアター・グループは、アジア太平洋地域における最初の劇場として、シドニー最古の劇場であるシアター・ロイヤル(Theatre Royal)の運営を行うことを決定、さらに同年9月には、ニューヨークの劇場運営会社「ACE Theatrical Group」を買収し、同社が所有していた「キングス劇場(King’s Theatre)」の運営を開始しました。

ブルックリンにあるキングス劇場(King's Theatre)

King’s Theatre

住所:1027 Flatbush Ave, Brooklyn, NY 11226(地図

1929年に大衆向けの演劇を行う小劇場「ボードビル(Vaudeville)」や映画館としてニューヨークのブルックリンに開業。2015年にアンバサダー・シアター・グループは約95億ドル(日本円:約1兆157億万)を掛けて再構築を行いました。現在この劇場は、約3,000名が収容できるライブ会場として使用されています。

同年の2015年12月には、アンバサダー・シアター・グループは子会社である「Hudson Theatre LLC」を通じて、オフ・ブロードウェイ劇場「ハドソン劇場(Hudson Theatre)」の運営権の長期契約を決定しました。

ハドソン劇場(Hudson Theatre)

Hudson Theatre

住所:141 W 44th St, New York, NY 10036(地図

1903年にブロードウェイ初となる女性劇場プロデューサーが建築したハドソン劇場は、2015年に41つ目のブロードウェイ劇場として正式に登録され、トニー賞対象劇場とて認可されました。正式にブロードウェイ劇場と認可されたことで、約115年以上の歴史を持つ最古のブロードウェイ劇場となりました。その後改装工事が行われ、2017年2月11日にブロードウェイで一番新しい劇場としてリニューアルオープンしました。

The Ambassador Theatre Group(ATG)の業務内容

アンバサダー・シアター・グループは、劇場運営以外にも、以下のように様々な事業を行っています。

本国イギリスにて映画館の運営

劇場以外に3つの映画館をイギリスで所有しています。いずれの映画館も収容人数1,000人程で、ロンドン中心部ではなく郊外に位置します。
①アンバサダー映画館(Ambassador Cinemas)
②ザ・ニュー・ビクトリー劇場(New Victoria Theatre)
③ローダ・マグロー劇場(Rhoda McGaw Theatre)

ウエスト・エンド以外のミュージカルも制作

アンバサダー・シアター・グループはミュージカル制作も行っており、本拠地とするウエスト・エンドでの演劇・ミュージカル制作は勿論のこと、ブロードウェイやオーストラリアでもミュージカル制作を行っています。
ブロードウェイでの代表作品は、渡辺謙主演で話題となった2015年4月16日公演のリバイバル作品「王様と私(The King and I)」です。本作品は同年の2015年トニー賞授賞式4部門をノミネートし、ミュージカル・リバイバル作品賞を含む4部門で受賞しました。渡辺謙はミュージカル主演男優賞にノミネートされ受賞には至りませんでしたが、日本人としては1976年以来の42年ぶりとなる快挙となりました。また、主演女優を演じたケリー・オハラ(Kelli O’Hara)は、本作品で6度目のノミネートを受け、ついにこのトニー賞で念願のミュージカル主演女優賞を獲得しました。

社従業員向けサービス:ATG Tcikets

一般チケット以外に、自社で働く社員に向けたチケットサービスを提供しており、自社で運営される会員専用ウェブサイト「ATG Tickets」を通じてチケットの先行発売や特典キャンペーンを行っています。2008年から開始されたこのサイトは、現在年間2,000万回のアクセス数を記録し、ウエスト・エンドを代表する劇場チケット発行ウェブサイトとなっています。また、ウエスト・エンドで先駆者としてマーケティング活動を行うアンバサダー・シアター・グループは、2010年にホレス・シルバー・メダル・スポンサーシップ賞(the Hollis Silver Medal Sponsorship Award)を受賞、2012年にはメディア・ウィークス・ナショナル・メディア・コラボレーション・オブ・ザ・イヤー賞(Media Week’s National Media Collaboration of the Year Award)を受賞するなど、チケット販売のサポート会社として、ウエスト・エンドを支えています。

The Ambassador Theatre Group(ATG)が所有する劇場リスト

ATGがブロードウェイで運営している劇場

ATGがウエスト・エンドで運営している劇場

デューク・オブ・ヨーク劇場,Duke of York’s Theatre デューク・オブ・ヨーク劇場
Duke of York’s Theatre
※1992年に買収
 Donmar Warehouse|ドンマー・ウエアハウス ドンマー・ウエアハウス
Donmar Warehouse
※2000年に買収
トラファルガー・スタジオズ,Trafalgar Studios Studio 1 トラファルガー・スタジオズ
Trafalgar Studios Studio 1
※2000年に買収
フォーチュン劇場,Fortune Theatre フォーチュン劇場
Fortune Theatre
※2001年に買収
サヴォイ劇場,Savoy Theatre サヴォイ劇場
Savoy Theatre
※2005年に買収
アポロ・ヴィクトリア劇場,Apollo Victoria Theatre アポロ・ヴィクトリア劇場
Apollo Victoria Theatre
※2009年に買収
 コメディ劇場,Comedy Theatre コメディ劇場
Comedy Theatre
※2000年に買収
ピカデリー劇場,Piccadilly Theatre ピカデリー劇場
Piccadilly Theatre
※2000年に買収
ェニックス劇場,Phoenix Theatre フェニックス劇場
Phoenix Theatre
※2000年に買収
プレイハウス劇場,Playhouse Theatre プレイハウス劇場
Playhouse Theatre
※2003年に買収
トラファルガー・スタジオズ,Trafalgar Studios Studio 2 トラファルガー・スタジオズ
Trafalgar Studios Studio 2
※2005年に買収
ライシアム劇場,Lyceum Theatre ライシアム劇場
Lyceum Theatre
※2009年に買収

ATGがその他エリアで運営している劇場

アリスバーリー・ウエストサイド劇場,Aylesbury Waterside Theatre アリスバーリー・ウエストサイド劇場
Aylesbury Waterside Theatre
ロンドン(英)
アレキサンドラ シアター劇場,New Alexandra Theatre アレキサンドラ シアター劇場
New Alexandra Theatre
ウェスト ミッドランズ(英)
エディンバラ・プレイハウス,Edinburgh Playhouse エディンバラ・プレイハウス
Edinburgh Playhouse
スコットランド(英)
オックスフォード・ニュー劇場,New Theatre Oxford<場 オックスフォード・ニュー劇場
New Theatre Oxford
オックスフォード(英)
 Kings Theatre|キングス劇場 キングス劇場
King’s Theatre
スコットランド(英)
グランドオペラハウス
    York Grand Opera House グランドオペラハウス
York Grand Opera House
ヨーク(英)
コロニアル劇場,Colonial Theatre コロニアル劇場
Colonial Theatre
ボストン(米)
サウスポート劇場,Southport Theatre サウスポート劇場
Southport Theatre
サウスポート(英)
サウスランダー・エンパイア劇場,Sunderland Empire Theatre サウスランダー・エンパイア劇場
Sunderland Empire Theatre
サンダーランド(英)
シアター・ロイヤル(シドニー)|Theatre Royal シアター・ロイヤル
Theatre Royal
シドニー(豪)
  Saenger Theatre|センガー劇場 センガー劇場
Saenger Theatre
ニューオーリンズ(米)
チャーチル劇場,Churchill Theatre チャーチル劇場
Churchill Theatre
ロンドン(英)
チャーライン・マコームズ・エンパイア劇場,Charline McCombs Empire Theatre チャーライン・マコームズ・エンパイア劇場
Charline McCombs Empire Theatre
サンアントニオ(米)
ドルーリー・レーン王立劇場,Theatre Royal ドルーリー・レーン王立劇場
Theatre Royal
ロンドン(英)
 ニュー・ウィンブルドン劇場,New Wimbledon Theatre ニュー・ウィンブルドン劇場
New Wimbledon Theatre
ロンドン(英)
 ニュー・ウィンブルドン・スタジオ,New Wimbledon Studio ニュー・ウィンブルドン・スタジオ
New Wimbledon Studio
ロンドン(英)
ブリストル ・イッポドローム,Bristol Hippodrome ブリストル ・イッポドローム
Bristol Hippodrome
ブリストル(英)
プリンス劇場, Princess Theatre プリンス劇場
Princess Theatre
ブリストル(英)
   Majestic Theatre|マジェスティック劇場(サンアントニオ) マジェスティック劇場
Majestic Theatre
サンアントニオ(米)
マヘリア・ジャクソン 劇場,Mahalia Jackson Theate マヘリア・ジャクソン 劇場
Mahalia Jackson Theate
ニューオーリンズ(米)
 マンチェスター・オペラハウス,Manchester Opera House マンチェスター・オペラハウス
Manchester Opera House
マンチェスター(英)
ミルトン・キーネス劇場,Milton Keynes Theatre場 ミルトン・キーネス劇場
Milton Keynes Theatre
ロンドン(英)
リッチモンド劇場,Richmond Theatre リッチモンド劇場
Richmond Theatre
ロンドン(英)
リヴァプール・エンパイア劇場,Liverpool Empire Theatre リヴァプール・エンパイア劇場
Liverpool Empire Theatre
リヴァプール(英)
リース ・クリフホール,Leas Cliff Hall リース ・クリフホール
Leas Cliff Hall
フォークストーン(英)
レジェント劇場,Regent Theatre
レジェント劇場
Regent Theatre
ストーク=オン=トレント(英)
ロイヤル劇場,Theatre Royal ロイヤル劇場
Theatre Royal
スコットランド(英)
ヴィトリア・ホール,Victoria Hall ヴィトリア・ホール
Victoria Hall
ストーク=オン=トレント(英)