150 W 65th St, New York, NY 10023(地図
開業:1985年|所有劇場数:3

Lincoln Center Theater|基本情報

リンカーンセンター劇団 (Lincoln Center Theater)は、1985年の設立から現在までに約140作品を手掛けている演劇作品の制作会社です。アッパーウエスト地区に位置する複合芸術施設リンカーンセンター(Lincoln Center for the Performing Arts)内にある以下3つの劇場で行われる作品の制作を担っています。
ビビアン ビューモント劇場(Vivian Beaumont Theater)
②ミッチ・ニューハウス劇場(Mitzi E. Newhouse Theate)
③クレア・トウ劇場(Claire Tow Theatere)

また、この劇団は、別名「レパートリー・シアター・オブ・リンカーンセンター(Repertory Theater of Lincoln Center)」や「ミュージック・シアター・オブ・リンカーンセンター(Music Theater of Lincoln Center)」とも呼ばれています。

複合施設:リンカーンセンター (Lincoln Center for the Performing Arts)とは

複合施設:リンカーンセンター (Lincoln Center for the Performing Arts)
リンカーン・センター(Lincoln Center for the Performing Arts)は、創立者ロックフェラー3世(John D. Rockefeller3世)により、1955年から1969年の建設期間をかけて建設され、劇場、コンサートホール、芸術学校・大学、図書館など21の公共施設が入った総合芸術施設です。名前の由来は、第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンを貢献して付けられた土地「リンカーン・スクエアー(Lincoln Square)」にちなんで付けられ、ニューヨーク初の巨大な芸術総合施設として、今日のニューヨークを代表するエンターテイメントの1つです。

Lincoln Center Theater の歴史

ロックフェラー3世によって創立されたリンカーンセンター 

一代にしてアメリカで富と名誉を築き上げた石油王ジョン・ロックフェラー(John Davison Rockefeller)の孫である創立者ロックフェラー3世は慈善家としても知られており、総合施設「リンカーンセンター」を建設するにあたり、「少数の富裕層のための特別な施設ではなく、多くの人のために」をモットーとし、民衆に安価で質の良い演劇を提供するのを目的として建築を行いました。

今日のリンカーンセンターでは、メインとなる建物が4つありますが、その歴史は50年以上前に遡ります。
1961年にリンカーンセンターの会長となったロックフェラー3世は、まず、1962年に「ディヴィッド・ゲフィン・ホール(David Geffen Hall)」を建設し、1964年に「ディヴィッド・H・コーク劇場(David H. Koch Theater)」、1966年に「メトロポリタン歌劇場(Metropolitan Opera House)」同年「リンカーン・センター・シアター(Lincoln Center Theater)=ビビアンビューモント劇場 + ミッチ・ニューハウス劇場)を含める21施設を建設しました。
また、メインとなる3つの劇場では、「ニューヨーク・フィルハーモニック(New York Philharmonic)」「ニューヨーク・シティ・バレエ(New York City Ballet)」「メトロポリタン・オペラ(Metropolitan Opera)」の本拠地となっています。

リンカーンセンター劇団 (Lincoln Center Theater)の設立

リンカーンセンター劇団 (Lincoln Center Theater)
1985年にリンカーンセンターは、弁護士事務所を経て政治家になった元ニューヨーク市長のジョン・V. リンゼイ(John V. Lindsay)を会長に、過去にトニー賞演劇演出賞のノミネート経験がある映画監督グレゴリー・モッシャー(Gregory Mosher)を取締役として、制作会社「リンカーンセンター劇団 (Lincoln Center Theater)」を設立しました。さらに、製作の最高責任者に映画プロデューサーのバーナード・ゲルステ(Bernard Gersten)を加え、立ち上げ当初は作品を公演する側ではなく、制作側として演劇の制作を開始しました。

メディアで「The pre-eminent theater in the country(全米でこれから一番期待されている劇団)」と評価を受けたリンカーンセンター劇団は、創立者ロックフェラー3世のモットーに基づき、2つの劇場で行われるミュージカルのチケット代金を安価に設定し、年齢や富裕層関係なく誰でも観劇することができる運営体制目指しました。また、約30,000人が参加できる会員限定のミュージカル公演のチケット代金は、ブロードウェイ・ミュージカルなどと比べてても非常に安価な50~80ドル程で提供し、毎年1回、何千枚もの無料チケットを配布するイベントなどを積極的に行いました。

Repertory Theaterと呼ばれるVivian Beaumont Theater

リンカーンセンター劇団は、立ち上げ1年後に、リンカーン・センター・シアター内にあるビビアンビューモント劇場で初のミュージカル公演を行いました。ビビアンビューモント劇場は、唯一、シアター・ディストリクト(Theater District)から離れて位置するブロードウェイ劇場として、1965年10月21日に設立しました。ビビアンビューモント劇場開幕後は、ブロードウェイ街の劇場で行われているような1つの演目を上演し続ける公演体制でなはく、劇場専属の劇団が日替わりで上演する運営形態「レパートリー・シアター(Repertory Theater)」として劇場を運営してたこともあり、リンカーンセンター劇団の別名にもなりました。レパートリー・シアター公演終了後は、設立者ジョゼフ・パップ(Joseph Papp)による団体「ニューヨーク・シェイクスピア・フェスティバル(New York Shakespeare Festival)」の公演が1973年から1977年まで行われました。

トニー賞受賞作品を輩出するビビアン ビューモント劇場(Vivian Beaumont Theater)

渡辺謙主演ミュージカル作品「The King and I」
1980年の劇場再オープン後は、1つの演目を一定期間で上演し続ける方針に変わり、2015年4月16日公演のリバイバル作品「王様と私(The King and I)」が、2015年トニー賞授賞式でミュージカル・リバイバル作品賞を含む4部門で受賞4部門をノミネートしました。ハリウッド映画でも活躍する渡辺謙が主演し、受賞には至りませんでいせたがミュージカル主演男優賞にノミネートされ、日本人では1976年以来の42年ぶりとなる快挙となりました。また、主演女優を演じたケリー・オハラ(Kelli O’Hara)は、本作品で6度目のノミネートを受け、ついにこのトニー賞で念願のミュージカル主演女優賞を獲得しました。

オフ・ブロードウェイ劇場:ミッチ・ニューハウス劇場(Mitzi E. Newhouse Theater)

ビビアンビューモンド劇場と同様にリンカーン・センター・シアター内に位置するミッチ・ニューハウス劇場は、座席数299席のオフ・ブロードウェイ劇場として1967年11月10日に開業しました。建設当初は劇場名「ザ・フォーラム(The Forum)」という名で、ビビアンビューモンド劇場の公共広場として使用されていましたが、1973年に、劇場に約$1億ドル(約108億円)の寄付金を贈った慈善家ミッチ・ニューハウス(Mitzi E. Newhouse)の名を取って「ミッチ・ニューハウス劇場(Mitzi E. Newhouse Theater)」に改名しました。

ミュージカル「オスロ(Oslo)」
1981年までは、ニューヨーク・シェイクスピア・フェスティバル(New York Shakespeare Festival)や他の団体によるミュージカル公演が行われましたが、リンカーンセンター劇団が設立されるまでの4年間はこの劇場で公演は行われませんでした。1985年に劇団が設立されると同時に、オリジナル作品(ミュージカル)制作を開始しました。2016年には、ミッチ・ニューハウス劇場にて公開されたミュージカル「オスロ(Oslo)」が、2017年トニー賞授賞式で演劇作品賞を含む2部門で受賞5部門でノミネートを獲得し、ブロードウェイの劇場として成功を収めました。

2012年クレア・トウ劇場(Claire Tow Theater)の開業

屋根一面に緑を植えた緑化勾配屋根を使用したリンカーンセンター
2012年に、リンカーンセンター劇団はリンカーン・センター・シアター内に、座席数112席のオフ・ブロードウェイ劇場「クレア・トウ劇場(Claire Tow Theatere)」を建築しました。劇場の他にリハーサルスペース、ドレスルーム、オフィス、そしてバーを備えたロビーを設備しており、建物自体の全面工事を行い、屋根一面に緑を植えた緑化勾配屋根や、建物一面の窓には太陽からの光を遮るアルミニウムルーバー(日よけ・通風のために、一等間隔で透き間をあけて羽根板を取りつけたよろい張り)を使用するなど、自然を基調とした作りの建物として生まれ変わりました。

クレア・トウ劇場は、リンカーンセンターに約7.5億ドル(約810億円)の寄付を贈ったクレア・トウ(Claire Tow)を敬意して名付けられ、新しい演劇舞台や制作、デザイナーのための会場として使用することを目的としています。チケットの価格は一枚あたり$20ドルと格安のため、長期のミュージカル公演ではなく、年間の運営費用約$2億ドルの中で、毎年3~4つの単発の演劇作品のみ公演を行っています。

今日のリンカーンセンター劇団は、会長にエリック・ミンディック(Eric Mindich)が務め、舞台プロデューサーとしてアンドレ・ビショップ(André Bishop)が担当し、ビビアン ビューモント劇場、ミッチ・ニューハウス劇場、クレア・トウ劇場の演劇とミュージカル作品の制作を行っています。2018年からは約25年振りにブロードウェイの舞台となるミュージカル「マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)」の公演がビビアンビューモンド劇場で決定しました。

Lincoln Center Theaterの業務体系

リンカーンセンター劇団は演劇・ミュージカル制作とチケット販売の他に、高校生向けの演劇・文学プログラムを提供しています。

高校生向けプログラム(High School Program)

リンカーンセンター劇団主催の高校生向けプログラム「High School Program」は、約1年間を通して生徒が実践して座学と演劇を学ぶプログラムです。クラスは、専門家による座学「Teacher Professional Development」と実技「In-Class Workshops with Teaching Artists」の2つがあり、1年間のコース授業終了後には、2つのクラスが合同してコースで学んだ事を話し合う場「Talkbacks」も設けられています。

シェイクスピア・プログラム(Shakespeare Program)

シェイクスピア・プログラム(Shakespeare Program)は、シェイクスピア演劇を学ぶためのプログラムです。このプログラムは、ワークショップ形式でシェイクスピア演劇を学び、演劇や制作ついて、また少人数で行うアンサブル(合唱)の学ぶことができます。

作詞作曲のためのプログラム(Songwriting in the Schools)

演劇やミュージカルの作詞作曲を学ぶための授業「Songwriting in the Schools」は、授業で文学や歌詞構成を学び、学生一人ひとりが自分で考えた曲と詞で楽曲を作成するプログラムです。このプログラム内で、最も優秀であった楽曲は表彰され、実際にリンカーンセンターの劇場で公演される事なり、まさに制作からお披露目までの課程を体験できる内容となっています。

Lincoln Center Theaterが所有する劇場リスト

 Vivian Beaumont Theatre|ビビアン ビューモント劇場 ビビアン ビューモント劇場
Vivian Beaumont Theater
Mitzi E. Newhouse Theate|ミッチ・ニューハウス劇場 ミッチ・ニューハウス劇場
Mitzi E. Newhouse Theate
 Claire Tow Theatere|クレア・トウ劇場 クレア・トウ劇場
Claire Tow Theatere