305 West 43rd Street New York City(地図
開業:1979年|所有劇場数:3

Second Stage Theatre|基本情報

新人劇作家によるオフ・ブロードウェイ劇場運営会社

1979年に設立したセカンド・ステージ・シアター(Second Stage Theatre)は、劇場プロデューサーのロビン・グッドマン(Robyn Goodman)キャロル・ロスマン(Carole Rothman)によって立ち上げられました。オフ・ブロードウェイ劇場運営会社として、新人劇作家による現代のアメリカ演劇や新演劇の制作を手掛けている非営利団体です。ミュージカル・演劇作品の制作以外に、マンハッタン内で3つの劇場を所有・運営を行っており、劇団名を省略して「2ST」の愛称で知られています。

Second Stage Theatre の歴史

セカンド・ステージ・シアターは、ただミュージカルを制作するだけでなく、役者の新人発掘や、製作者(監督・作家など)の育成を大きな目的としており、新しいスタイルの演劇を魅せるべく「Second stagings(第2の舞台)」として設立しました。劇団設立後の1984年に、創立者であるロビン・グッドマンとキャロル・ロスマンが制作を手掛けた作品「Serenading Louie」が、劇団初となる賞ドラマ・デスク賞最優秀リバイバル作品賞(Drama Desk Award Outstanding Revival)にノミネートされ、セカンド・ステージ・シアターの名を広めることに成功しました。

ドラマ・デスク賞(Drama Desk Award)

ドラマ・デスク賞は、毎年ニューヨークのブロードウェイ、オフ・ブロードウェイ、オフ・オフ・ブロードウェイの優秀な舞台作品や著名な役者、脚本家、デザイナーの他、新人劇作家に贈られる賞です。1949年に設立したニューヨークの演劇評論家、編集者、記者、出版者による組織「ドラマ・デスク・オーガニゼーション(Drama Desk organization)」によって、アメリカ最古の新聞社「ニューヨーク・ポスト(New York Post)」紙の批評家ヴァーノン・ライス(Vernon Rice)に敬意を表して、1955年からヴァーノン・ライス賞(Vernon Rice Awards)の名で開始、1963年に現在のドラマ・デスク賞に改名しました。1947年に開幕したオン・ブロードウェイ作品のみ対象にしているトニー賞とは異なり、ドラマ・デスク賞は当初、演劇とオフ・ブロードウェイ作品を対象とし、ニューヨークで初めて劇作家を含むアーティストに賞を贈りました。1975年からオン・ブロードウェイ作品も賞の対象とし、ニューヨーク初の演劇授賞組織として、アメリカの演劇界において栄誉ある賞の1つです。

トニーカイザー劇場(The Tony Kiser Theater)の設立

その後も、ロビンとキャロルのコンビによるが続き、1986年公開の「Lemon Sky」がドラマ・デスク賞最優秀リバイバル作品賞にノミネート、続き1989年には公開の「The Film Society」がドラマ・デスク賞最優秀新作賞(Drama Desk Award Outstanding New Play)にノミネートするなど、劇団としてのキャリアを伸ばしていたセカンド・ステージ・シアターは、1999年に劇団初となるオフ・ブロードウェイ劇場「トニーカイザー劇場(The Tony Kiser Theater)」を建設しました。

壁で仕切られたボックス席から見た舞台の様子
別名「セカンド・ステージ・シアター(Second Stage Theatre)」とも呼ばれるこの劇場は、セカンド・ステージ・シアターの本拠地として運営を行っており、劇場のデザインは世界的に著名な作家であり建築家のレム・コールハース(Rem Koolhaas. )が手がけました。モダンでユニークな造りの内装に、座席数296席の小劇場を活かしたボックス席は、他の劇場では見ることができない現代建築らしいデザインが施されています
トニーカイザー劇場の座席表はコチラ ▶︎

育成プログラム「セカンド・ステージ・シアター・アップタウン(2ST Uptown)」

セカンド・ステージ・シアターは、2002年に著名なアーティストと新人アーティストの両方を支援するアーティストの育成プログラム「セカンド・ステージ・シアター・アップタウン(2ST Uptown)」を開始しました。この「2ST Uptown」は、劇作家、監督、デザイナー、俳優などアーティストのためのトレーニングを提供するだけでなく、新人劇作家を教育し、実際に演劇制作に取り掛からせ、公共の場で公演を行うまでの支援を行っています。

次世代のアーティストの発掘と実践経験を通して新人劇作家のキャリアを伸ばすことを目的としたこの企画は、セカンド・ステージ・シアターと非営利団体ブロードウェイ制作会社「Time Warner Foundation」の支援のもと、セカンド・ステージ・シアターが所有する劇場「マッギン・カザール劇場(McGinn/Cazale Theater)」で、選考された新人劇作家だけが限定リハーサルと低予算という状況の中で演劇を披露することができます。

マッギン・カザール劇場(McGinn/Cazale Theater)

at the McGinn/Cazale Theatre

住所:2162 Broadway, New York, NY 10024(地図

マッギン・カザール劇場は、マンハッタン・アップタウンのブロードウェイ沿いに位置する座席数108席のオフ・ブロードウェイ劇場です。一定のミュージカル公演を行う劇場ではなく、貸し劇場として短期のイベントや演劇作品の公演場所として利用されています。現在は非営利団体「WP Theater」が劇場の建物を本拠地として使用しているため、劇場名「WP Theater at the McGinn/Cazale Theatre」と表記されることがあります。

トニー賞受賞作品を輩出したヘレンヘイズ劇場(Helen Hayes Theatre)

現在のヘレン ヘイズ劇場 (Helen Hayes Theatre)
セカンド・ステージ・シアターは、2015年4月18日に劇場取引額$24.7億ドル(当時約27億円)でオン・ブロードウェイ劇場「ヘレンヘイズ劇場(Helen Hayes Theatre)」を購入、同年に公開したミュージカル作品「三十九夜(The 39 Steps)」では、トニー賞演劇照明デザイン賞を受賞、3部門でノミネートしました。2018年2月現在、ヘレンヘイズ劇場は、3月から公演するミュージカル作品「Lobby Hero」のために階層工事となり、映画「キャプテン・アメリカ」などで有名なハリウッド俳優 Chris Evans 主演で注目が集まっています。

公演予定のミュージカル作品のための再リニューアルは、建築家デイビッド・ロックウェル(David Rockwell)率いるロックウェル・グループ(Rockwell Group)が建築デザインを担当し、当時のヘレンヘイズ劇場の外見を残しつつ、現代風のモダンでシックなデザインを取り入れ、ドレスルームやお手洗いの拡大、また、エレベータの導入に併せて車椅子専用の座席を確保すると共に、全面的にバリアフリーを取り入れた構造となります。
ロックウェル・グループは、トニー賞受賞経験のあるデイビッド・ロックウェルが1994年に設立、主に建築とプランニングデザインなどを手掛けるデザイン企業として、メットライフ・スタジアムの建設や多数の有名企業の建築にも携わっている有名建築企業です。

数々の名作を生み出すブロードウェイ運営会社へと

今日のセカンド・ステージ・シアターは設立から現在まで、約125賞の名誉ある受賞を獲得し、ブロードウェイのミュージカル制作会社として偉業を成し遂げています。ブロードウェイの制作作品や俳優、制作者に送られる演劇界で最も栄誉のある賞トニー賞では、2005年公開の「Spelling Bee」がトニー賞ミュージカル脚本賞を含める2部門で受賞、4部門でノミネート、2009年公開の「Next to Normal」がトニー賞ミュージカル主演女優賞含む2部門で受賞、8部門でノミネートしました。

セカンド・ステージ・シアターの受賞歴

27回
オビー賞(Off-Broadway Theater Awards)
ニューヨークで上演されたオフ・ブロードウェイとオフ・オフ・ブロードウェイ作品を対象とする賞
23回
AUDELCO賞(AUDELCO Awards)
アフリカ系アメリカ人による演劇作品に対して贈られる
17回
ルシール・ローテル賞(Lucille Lortel Awards)
オフ・ブロードウェイの作品を対象にした賞
12回
ドラマ・デスク賞(Drama Desk Award)
毎年ニューヨークのブロードウェイ、オフ・ブロードウェイ、オフ・オフ・ブロードウェイの優秀な舞台作品や著名な役者、脚本家、デザイナーの他、新人劇作家に贈られる賞
9回
シアター・ワールド賞(Theatre World Award)
ブロードウェイとオフ・ブロードウェイ作品に出演した俳優・女優を対象として贈られる賞
9回
アウター・クリティクス・サークル賞(Outer Critics Circle Awards)
オン・ブロードウェイとオフ・ブロードウェイで開幕した作品を対象に、同市近郊の新聞や雑誌といったメディアで活躍する批評家たちによって選出される演劇賞
2回
クリアレンス・ダーウェント賞(Clarence Derwent Awards)
ブロードウェイミュージカルとロンドンのウエスト・エンドで上演された作品を対象とした賞

Second Stage Theatreとトニー賞作品「Dear Evan Hansen」

ディアー・エヴァン・ハンセン(Dear Evan Hansen)
2017年度トニー賞ミュージカル作品賞、ミュージカル主演男優賞を含む6部門を受賞という記録を残した「ディアー・エヴァン・ハンセン(Dear Evan Hansen)」は、2016年3月にセカンド・ステージ・シアターによる期間限定のオフ・ブロードウェイ作品として開幕しました。その人気から同年11月にブロードウェイに進出し、現在ミュージック・ボックス劇場にて上演されています。今もなお勢いを留めないこの作品チケットは、数ヶ月先までチケットが完売するほどの大ヒット作品となっています。

Second Stage Theatre の業務体系

セカンド・ステージ・シアターは、主に演劇とオフ・ブロードウェイの作品制作を行い、新人劇作家の育成に力を入れていますが、その他にも以下のようなサービスを行っています。

セカンド・ステージ・シアター専用リハーサルスタジオ(Second Stage’s rehearsal room)

自身が所有するトニーカイザー劇場の3階に貸しスペースを設けており、約70名が収容可能なこちらのスタジオには、ミュージカルのリハーサル以外にも、プライベートイベントなどの会場としても利用可能です。

学習プログラム(Educational Programs)

セカンド・ステージ・シアターは、学生のための演劇を専門とした学習プログラムを実施しています。
プログラムは2つに別れており、中学生と高校生に特化した「STUDENT MATINEES」は、毎年セカンド・ステージ・シアターが制作した作品に約1000人以上の学生を無料で招待し、キャストの練習風景や、演劇の専門家との質疑応答の場を設けています。
もう一方の学習プログラム「2nd Generation」は、ニューヨーク市内の短大と提携しており、授業の一貫として年間を通じてセカンド・ステージ・シアターが所有する劇場に繰り返し訪問する事ができ、中長期に渡って演劇家のノウハウを学ぶ事ができます。また、公演を演じるキャストと制作チームとの交流の場も行うなど、一般の学生に対しての育成活動も行っています。

Second Stage Theatre が所有する劇場リスト

 Helen Hayes Theatre|ヘレン ヘイズ劇場 ヘレン・ヘイズ劇場
Helen Hayes Theatre
トニーカイザー劇場(The Tony Kiser Theater) トニーカイザー劇場
The Tony Kiser Theater
McGinn/Cazale Theater|マッギン・カザール劇場 マッギン・カザール劇場
McGinn/Cazale Theater