Dear Evan Hansen主役交代!ベン・プラット(Ben Platt) の後任 テイラー・トレンシュ(Taylor Trensch)のスゴさ

2017年度トニー賞において、トニー賞、 ミュージカル作品賞、ミュージカル主演男優賞(ベン・プラット)を含む6部門を受賞し,
主役が交代した現在もなお人気を博しているDear Evan Hansen
今回はその主役だったBen Platt(ベン・プラット)が11月19日の公演を最後に降板をしてしまうという事で、
後任を任される事になったTaylor Trensch(テイラー・トレンシュ)についてレポートしたいと思います。

Dear Evan Hansenが人気の理由

今日のブロードウェイミュージカルでは、原作がヒットしたものや歴史(実話)モノが多いと言われていますが、
このDear Evan Hansenは、このミュージカルのために描き下ろした完全オリジナルストーリーとなっており、
オフ・ブロードウェイ(音楽でいうインディーズ)から人気に火がつき、ブロードウェイ(メジャー)デビューを果たした作品です。
それでは、以下でその人気の秘訣をご紹介していきたいと思います。

現代の若者や子を持つ親に圧倒的に共感される内容

今日のインターネットやソーシャルメディアがアメリカのティーンエイジャーの生活に与える影響、そして、それらがもたらすうつ病、不安、そして孤独感などのテーマを非常に上手く表現しているので、若い世代からは勿論、その子供を持つ親からも高い評価を受けています。
「孤独とは何か」という性別や年齢を超えた問いに対する、モヤモヤした痛みや鬱屈した感情をキャストが非常に上手く演じています。

演技を超えた役作りをするキャスト陣

現代ならではの難しいテーマをミュージカルで演出するために、親役をしているのは実際に自身の子を持つ俳優が演じています。
主人公Evenの母親役を演じるトニー賞受賞者レイチェル・ベイ・ジョーンズ(Rachel Bay Jones)、Evenの同級生コナー・マーフィーの両親を演じる、ジェニファー・ローラ・トンプソン(Jennifer Laura Thompson)とマイケル・パーク(Michael Park)は、子供達へ対する愛と心の痛みを実際の経験を活かしながら出演に望んだと言われています。

憑依型役者として知られる主人公2人にも、彼らならではのこんな裏話があります。
映画「ハイスクール・ミュージカル」で一躍スターになった、ハリウッド映画俳優のザック・エフロン(Zac Efron)は、前主役のベン・プラットのEvanを見た際、「ベンは全然Evan Hansenを演じきれてない。週8回Evan Hansenになってしまっているから。」とジョークを交えて褒めちぎったそうです。また、ニ代目主役のテイラーは自身についてのインタビューで、「この作品にはリアルに暗いシーンを演じる場面が所々にあるので、それが実際の生活に影響を及ぼしてくることがある。」と語っています。毎公演終わった直後にEvenからTaylor(本人)に戻る為に、共演者達にジョークを言って共演者たちを笑わせなければいけないそうです。

演者は週に8回同じ舞台に立ち、しかも題材が現代をテーマにしている影響もあり、彼らの生活の一部と化しているDear Evan Hansen。日本でも様々なカテゴリでリアルドキュメンタリー番組等人気ですが、これも単なるミュージカルショーではなく、生で見ることの出来るリアルドキュメンタリーショーです。

この作品の内容についてはこちらのページをご覧ください。

初代主役 ベン・プラットについて

ベン・プラット|Ben Platt
1993年9月24日生まれ:カルフォルニア出身

父親は3つの映画スタジオの最高責任者を務め、独自の制作会社であるMarc Platt Productionsを率いているMarc Platt(マーク・プラット)。
ハリウッドの世界ではアカデミー賞ノミネート作品「ラ・ラ・ランド(La La Land)」や、トム・ハンクス主演の映画「ブリッジ・オブ・スパイ(Bridge of Spies)」プロデューサーを務め、ブロードウェイでは彼の息子も出演経験のあるWickedのプロデューサーを務めました。ハリウッド、ブロードウェイ、どちらでも大変著名な大御所です。

そんな父を持つ彼は、2012年 アイビーリーグの一つとしても有名なコロンビア大学に入学直後、ブロードウェイ・ミュージカル The Book of Mormonと契約の為、僅か6週間で休学しそのままブロードウェイ初のステージへ。
その後、ミュージカルコメディ映画 Pitch perfect(2012年)で映画初出演を果たし、主役級では無いにもかかわらず
一般の10代の若者(13歳~19歳)が映画・テレビ・音楽などで活躍した人物を投票して決める2013年度 ティーン・チョイス・アワードにノミネートされ、その人気の高さで続編Pitch Perfect 2(2015年)にも出演。

そして同年、約2ヶ月間限定でワシントンDCのアリーナ・ステージで主演を努めたDear Evan Hansenが話題になり、2016年オフ・ブロードウェイに、2016年度末には本家ブロードウェイまで進出しました。世間からは「今までのミュージカルの中で最も優れた俳優の一人」との声が上がり、その言葉通り2017年度 トニー賞ミュージカル主演男優賞を史上最年少23歳で獲得しました。

さらに、最近は2018年のグラミー賞を総ナメしたブルーノ・マーズも所属する大手レコード会社Atlantic Recordsとレコード契約をし歌手としても活躍中。昨年末にはニューヨーク マンハッタンの高級住宅街 アッパーウエストサイドに約2億円の自宅を買ったとも報じられています。まだまだ若い彼だけに、色々な才能を発揮して欲しいところです。これからの活躍に目が離せません!

二代目主役 テイラー・トレンシュについて

テイラー・トレンシュ|Taylor Trensch
1989年5月3日生まれ:フロリダ出身

ベン・プラットより4歳年上の現在28歳。演劇の世界に足を踏み入れたのは5歳の時。
彼の両親が新聞に載っていた、地元の劇場で行われるオズの魔法使いのオーディションの記事を見せた際、彼から「やってみたい」と頼み込まれ、両親は彼に小人役を演じさせた所、その夜、彼は両親に「これは僕がこの先の人生でやっていくことだ」と僅か5歳にして言ったといいます。

その後、フロリダ州タンパにある、ハワードWブレイク芸術学校で演技を専攻し、その才能はたちまち開花。高校在学中にフロリダ州俳優協会からベストパフォーマー賞を受賞し、2007年、エロン大学のミュージカルシアター科に進学後、大学2年生の時に ミュージカル Spring Awakening (邦題:春のめざめ)の全国ツアーにキャスティングされ本格的にミュージカルデビュー。

2012年1月、約3ヶ月間ブロードウェイ・ミュージカル Wicked (邦題:ウィキッド)にBoq役で出演しブロードウェイデビューを果たします。同年、オフ・ブロードウェイにてミュージカル Bare (英題:ベア)で初主演を獲得しました。

その後も数々のミュージカルで活躍し、2015年度 トニー賞において演劇最優秀作品賞を含む、5部門を受賞したミュージカル The Curious Incident of the Dog inthe Night-time (邦題:夜中に犬に起こった奇妙な事件)では、主役の代役を努めていました。

テイラー・トレンシュがDear Evan Hansenの舞台に立つまで

彼は中でも、ブロードウェイ・ミュージカル「ハロー・ドーリー!(Hello,dolly!)」のバーナビー・タッカー役を演じた事でよく知られていますが、彼がDear Evan Hansenの主演に選ばれたきっかけは、彼が出演中のそのHello,dollyをDear Evan Hansenの数人のキャストが見に来たことでした。彼らはテイラーにオーディションを受けるべきだと伝え、後日テイラーはオーディションを受け、見事Dear Evan Hansenの主役を勝ち取リました。
Hello,dollyの最終公演の時、彼は最後の日はとても寂しかったが、
今まで複数公演行っていた分、Dear Evan Hansen 1本に集中出来るようになるので、その点は安心していると語っています。

自身が同性愛者である事をカミング・アウトしている彼は、時々パートナーの写真もインスタグラムにアップしています。

🖤 📷: @mattxiv

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テイラー・トレンシュ(Taylor Trensch)に対する評価

前主役が輝かしい功績を残した後の二代目となるテイラーに対して、各メディアが次のように評価しています。

The New York Timesの記事では「全てが同じ、しかし全てが違う。新しいバランスを持ったDear Evan Hansenだ」とコメント。

新聞社デイリービースト上級編集長 Tim Teemanは
「テイラーの演じるEvenはベン演じるEvenより神経質で、か弱く見える。押し倒される演技の時は本気で心配した。」と語り、

現地テレビ局 NY1のTorre Romaは、「テイラー自身は大スターであるのに、主人公Evenの弱々しい神経質な部分を動きや声色など様々なユニークな方法で表現している」と評価。

観客からも上場な評価を得ているそうです。
彼は本作品が2017年度トニー賞受賞の時から出演している豪華キャスト陣に単身で加わりながらも、前主役ベン・プラットとは一味違うEvanを演じ高い評価を受けています。また違った憑依型の役者によって主役が交代した、新しいDear Evan Hansenは観る価値アリ!変わらず完売日の続く大人気演目ですが、是非一度は観てみたい作品です。