2019年12月10日公開「ウエストサイドストーリー」の主役が決定!

ウエストサイドストーリー(West Side Story)

人々の心を掴んで離さない、不朽の青春ストーリーがブロードウェイに帰ってきます!
1957年の初演から話題を呼び、映画化や数々の海外公演を通して莫大な人気と知名度を得た、ニューヨークを舞台としたミュージカル「ウエストサイドストーリー(West Side Story)」がブロードウェイ劇場にて2019年12月10日より公演開始となります。ミュージカルに詳しくない方でもその名前は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回はこの大人気ミュージカルの歴史や時代背景と、2019年版の主演に抜擢された2人について掘り下げたいと思います。

West Side Sotryの初公演は1957年

ウェスト・サイド・ストーリーのブロードウェイでの公演は、現在「ビートル・ジュース」が上演されているウィンター・ガーデン劇場にて2年近く(1957年9月26日から1959年6月27日まで)上演されました。
貧困と差別が問題視されていた当時のニューヨークの人々に大きな衝撃を与え、「Show Boat」や「オクラホマ!(Oklahoma!)」と並び、ブロードウェイ・ミュージカルの金字塔とされています 。

ウエスト・サイド・ストーリー初演の様子
世界的指揮者、ピアニストであるレナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)が手掛けた楽曲は、複雑で情熱的、かつリズミカルなメロディーが特徴的で、作品のエネルギー溢れる世界観を見事に作り出しています。演出・振り付けを努めたのは、「王様と私(1951年)」、「ウエストサイドストーリー(1957年)」、「屋根の上のバイオリン弾き(1964年)」など、多くのヒット作品を手がけトニー賞を受賞している、ジェローム・ロビンズ(Jerome Robbins)。彼が手掛けたウエストサイドストーリー(West Side Story)のトレードマークとも言えるキャッチーで美しい振り付けは、映画やリバイバル作品でも生きています。

2009年のリバイバル公演

ブロードウェイでの初演が好評を得た後、ロンドンでの公演、実写映画化など、さらなる成功を経て、50年ぶりにブロードウェイに舞い戻りました。2009年2月23日~2011年1月2日の間で、2年近くパレス劇場にて公演されたウエストサイドストーリーは、振り付けや音楽は、オリジナルのまま、最新の舞台装置を使うなど、当時の最新技術を使ってパワーアップしたリバイバル作品として注目が集まり、その結果、2009年トニー賞にて「主演女優賞」や「リバイバル作品賞」など複数の部門にノミネートされました。

2019年のウエスト・サイド・ストーリーはここがスゴイ

2019年リバイバル公演の監督と振付

二度目となるリバイバル公演の演出を手がけるのは、ベルギー出身の芸術監督「イヴォ・ヴァン・ホーヴェ(Ivo van Hove)」です。ベルギー出身のホーヴェは、これまで数々の舞台を世に送り出しており、2014年にパリで上演したアーサー・ミラー原作の「橋からの眺め(A View from the Bridge)」でその名を世界中に広めました。この作品は、ローレンス・オリヴィエ賞・最優秀演出賞を受賞した後、ブロードウェイでも公演され(ホーヴェ自身初のブロードウェイ・デビューとなった)、限定上演ながら、2016年トニー賞にて5部門ノミネート、2部門(演劇リバイバル作品賞演劇演出賞)受賞、という快挙を成し遂げました。
また、同年のトニー賞にて、これもまたアーサー・ミラー原作となる「るつぼ(The Crucible)」の演出を手掛け、リバイバル演劇作品賞演劇主演女優賞など、4部門でノミネートしています。既に世の中に知れ渡った有名作品を舞台化しながら、かつそのハイセンスな演出が連続してトニー賞ノミネートに至ってるという事で、今回のウェスト・サイド・ストーリーの演出にも期待が寄せらます!

注目を浴びている若手を積極的にキャスティング

アイザック・パウエル(Isaac Powell)

トニー役:アイザック・パウエル(Isaac Powell)

米・ノースカロライナ州出身。
俳優の他にモデルや歌手としても活躍しています。2018年にトニー賞リバイバル作品賞を受賞した『ワンス・オン・ディス・アイランド(Once On This Island)』で青年ダニエルを演じ、ミュージカル俳優としても注目を集めました。

シャリーン・ピメンテル(Shereen Pimentel)

マリア役:シャリーン・ピメンテル(Shereen Pimentel)

米・ニュージャージー州出身。
9歳の頃からブロードウェイ・ミュージカル『ライオン・キング』などの舞台に立つなど、舞台人として小さい頃から最前線でと経験を積んできた実力派です。

そもそも「ウエストサイド」はどこなのか

日本では「ウェストサイド物語」として知られるこの作品ですが、そもそも「ウェスト・サイド」とはどこを意味するのでしょうか。
ウェスト=西、という事なので「西側」を意味する事は間違いないのですが「どこの西側なのか」説明したいと思います。

実は、ウェストサイドストーリーは、ニューヨーク・マンハッタンが舞台となっています。
マンハッタンでは、セントラルパークが中心となっており、この公園の東側がイーストサイド、西側がウエストサイドと呼ばれています。今でこそ、ウェストサイド(アッパーウェスト)は、閑静な高級住宅地となっていますが、この物語が作られた1940年代は少し状況が違ったようです。

映画版ウエストサイドストーリーのロケ地:リンカーンセンター(敷地内にあるヴィヴィアン・ビューモント・シアター)
ウエスト・サイド・ストーリーの時代である1940年代~1950年代には多くの移民が住んでおり、ギャングや不良の若者たちが歩き回り、差別や貧困による事件も多くおこっていた地域です。移民の人口が増える中、物語の中で白人グループのジェッツとプエルトリコ系移民たちのグループのシャークスが激しく争ったように、人種の違いによる抗争も多くみられたのではないでしょうか。
すっかり治安が改正されて、ミュージカルが終わった深夜帯でも安心して歩いて帰る事ができるタイムズ・スクエアのど真ん中で公演される予定のウェスト・サイド・ストーリーですが、観劇後は、当時の様子とすっかり変わった現代のマンハッタン(ニューヨーク)を肌で感じる事ができるかと思います。
映画版ウエストサイドストーリーのロケ地:リンカーンセンター(正面から見たオペラハウス)
1961年に公開された映画版のロケ地の1つであるリンカーン・センターは、今日ではメトロポリタン・オペラ、ニューヨーク・フィルハーモニック、ニューヨーク・シティ・バレエ、ミュージカルが毎日上演されているアート・センターとなっています。
ブロードウェイ劇場の目の前にある道(Broadway)をまっすぐ北に30分ほど歩けば行ける距離にありますので、映画をおさらいした後、ミュージカルを見た翌日などで散策いただければと思います。