Studio 54(地図)
上演時間:2時間35分(途中休憩1回あり)
キャロライン・オア・チェンジ(Caroline, or Change)|基本情報
劇場:Studio 54 | 254 W 54th St, New York, NY 10019(地図) |
公演スケジュール | 火~日(水・土・日は昼公演あり) 休演日:月 |
初公演日 | 2020年3月13日:プレビュー 2020年4月07日:オープニング |
キャロライン・オア・チェンジ|みどころ
ブラックミュージック好き必見!黒人音楽がとことん詰まった魂心作
黒人差別が色濃く描かれている本作品では、ブラック・ミュージックが多様されています。6つの異なる音楽ジャンル(※下記参照)が組合わされた楽曲は高く評価され、2004年のブロードウェイ初公演にてトニー賞オリジナル楽曲賞にノミネートされるほどでした。
①Spirituals(黒人霊歌):ゴスペルと同じようにキリスト教の礼拝で歌われる賛美歌。
②Blues(ブルース):奴隷の労働生活から生まれた音楽スタイル。兄弟の音楽ジャンルとしてジャズがある。
③Motown(モータウン):レコード会社モータウンが世界的に流行させたポップな黒人音楽。
④Jewish klezmer(クレズマー):ユダヤ系アシュケナジム民謡が黒人によってアレンジされた音楽。
⑤クラシック音楽:ヨーロッパ発祥の西洋音楽。
⑥民俗音楽:民衆のあいだで口頭伝承されてきた音楽。
一例ではありますが、楽曲「Lot’s Wife」を聴いていただくと(試聴はこちら▶)、たった2分の音楽の中で、曲調が何度も変わっているのがお分かりいただけるでしょうか。ブルースがベースになった音楽の上に、パンチの効いた、小節の入った歌声が唸るようにメロディを乗せた、まさにミックスジャンルの一曲になっています。
60年代アメリカの貧困や人種差別問題を色濃く反映する
キャロライン・オア・チェンジ|あらすじ
物語の舞台は、1963年のアメリカ南部にあるルイジアナ州。
キング牧師を指導者とする黒人差別を訴える公民権運動や、ケネディ大統領暗殺事件が起こり、貧困・人種差別問題などの社会の分裂が鮮明になっていた時期でした。
主人公の黒人キャロラインはユダヤ系のゲルマン家で働く家政婦で、低賃金の中、不満も言わず毎日忠実に働いていました。
ゲルマン家の妻ローズは、再婚でゲルマン家に嫁いだばかり。自由主義のニューヨーク出身ということもあり、アメリカ南部の人種差別がはっきりしている保守的な考えにいまいち馴染むことができませんでした。
ゲルマン家の9歳の息子ノアは、ズボンのポッケに小銭を入れたまま忘れる癖があり、それを発見するのはいつも洗濯をするキャロラインでした。ローズはこの悪い癖を治すようノアに注意しますが、実の母親を癌で亡くしたばかりということもあり、彼女の言うことを全く聞こうとしません。そこで、ローズはキャロラインに、もしまたズボンに小銭が入ったままだったら、その小銭はチップ代わりに取って置くようにと言います。これはノアに対しての躾のように見える行動ですが、実はこの行為の裏には、貧しい生活をするキャロラインのために少しでも足しになれば、という意図がありました。しかし、信仰深いキャロラインはそのお金を貰うことなく、洗濯機の上のカップに見つけた小銭を貯めていきます。
この家の人にとって少額とされる余り銭は、キャロラインにとっては生活を支えるほど価値のあるお金でした。小銭を発見する度に彼女は、そのままカップに入れるか、それとも信仰に反して自分の欲を出すか、葛藤に苦しみます。ただ親切心で行われた行為が彼女の心に重くのしかかり、そして目まぐるしく変化する社会の流れと環境がさらに彼女を追い詰め…。
キャロライン・オア・チェンジ|動画紹介
キャロライン・オア・チェンジ|座席表
Studio 54 の座席表
キャロライン・オア・チェンジ(Caroline, or Change)|豆知識
本作品のタイトル「Change(チェンジ)」が持つ意味
タイトル「Caroline, or Change」の「Change(チェンジ)」がこの作品の根本的なテーマとなっており、3つの意味が込められています。1つ目は、変わりゆく社会環境の中で自分を変えていこうとする主人公キャロラインの「心の変化」。2つ目は、白人、黒人、ユダヤ人といった人種差別を否定して共存する事を受け入れていこうとする「社会の変化」。3つ目は「変化」ではなく「お金」を意味します。英語でChangeは「変化する」という以外に「小銭(お金)」という意味があり、貧困層と裕福層の間にある格差問題を無くし、異なるお金の価値観値をお互いに受け入れるという意味が込められています。
ブロードウェイ第2黄金時代と呼ばれた1960年代について
キャロライン・オア・チェンジの登場人物について
キャロラインオアチェンジに登場するキャラクターを紹介します。
観劇する前に、キャラクターを知っておくとより一層ミュージカルを楽しむことができます。
この作品では、乾燥機、ラジオ、バス、月がキャラクターとして登場します。これらのキャラクターたちは、人間に言葉を投げかけたり、ナレーター役として劇中の重要な役割を果たしています。
役名 | 人物像 |
キャロライン(Caroline) | 中年の黒人女性。ユダヤ系のゲルマン家の家政婦。4人の子をもつシングルマザー。 |
スチュアート・ゲルマン(Stuart Gellman) | ユダヤ系のゲルマン家の父親。信仰心の強い南部に違和感を感じるも保守的。 |
ローズ・ストップニック・ゲルマン(Rose Stopnick Gellman) | スチュアートの後妻。ニューヨーク出身で南部の保守性に馴染めない。差別を嫌う自由主義。 |
ノア・ゲルマン(Noah Gellman) | ゲルマン家の息子。後妻のローズになつけず、いたずら好き。 |
エミー(Emmie) | キャロラインの長女。公民権運動に強く賛成し、崇拝する。 |
キャロライン・オア・チェンジ|制作スタッフ
音楽 | Jeanine Tesori |
脚本・歌詞 | Tony Kushner |
監督 | Michael Longhurst |
舞台・衣装デザイン | Fly Davis |
照明デザイン | Jack Knowles |
音響デザイン | Paul Arditti |
音楽監督 | Chris Fenwick |
キャロライン・オア・チェンジの感想|口コミ情報
ミュージカル「キャロライン・オア・チェンジ」に関する皆様からのご感想を紹介しております。
ご帰国された後にでもご一筆を賜れますと幸いです。口コミのコメントはリアルタイムに反映されます。皆様からの評価、コメントをお待ちしております。
ミュージカル「キャロライン・オア・チェンジ」の総合評価
このミュージカルの口コミ
社会問題を題材にしていることもあり、大人向けのミュージカルです。
一番の見どころはやはり楽曲です。主役の歌手力には必ず驚きます。
sakata_30
ウエストエンドで一度観劇したことがあります。
社会問題を題材にしていることもあり、大人向けのミュージカルです。
一番の見どころはやはり楽曲です。主役の歌手力には必ず驚きます。