Ed Sullivan Theater|基本情報

住所: 1697 Broadway, New York, NY 10019(地図
開業: 1927年11月30日
収容人数: 457人
座席表: ※クリックして拡大
エド・サリヴァン劇場の座席表

Ed Sullivan Theater 劇場の歴史

設立者アーサー・ハマースタインとその一家

エド・サリヴァン劇場は1927年11月30日に劇作家、劇場監督のアーサー・ハマースタインによって、「ハマースタイン劇場」として誕生しました。設立者のアーサー・ハマースタインは、ブロードウェイの劇場文化においては特筆すべき「ハマースタイン一家」の一員です。アーサーの父:オスカー・ハマースタイン1世は、ヨーロッパから持ち込んだオペラをニューヨークに浸透させた作曲家で、メトロポリタン・オペラ劇場を建築から経営まで手かげたアメリカのオペラ界の第一人者です。弟のウィリー・ハマースタインは、「ビクトリア劇場」などの劇場運営に尽力した人物で、甥のオスカー・ハマースタイン2世は、「王様と私(The King and I)」や「サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music)」の作詞を手掛け、今日ではブロードウェイミュージカルの基盤を創り上げた人物と呼ばれる超大物ミュージカル作家です。このように、ハマースタイン一家は、ニューヨークの劇場文化の立役者となる、多大な功績を残した芸術一家であり、今日も語り継がれている「ブロードウェイはユダヤ人が基盤を作った」という話も、彼らがユダヤ系ドイツ人だった事が大きく影響しています。

エド・サリヴァン劇場は、ミュージカルの舞台としては使用されなかったことで有名ですが、実際は、開業後間もない1927年に一度だけミュージカル「The Golden Dawn」が上演されたのは知る人ぞ知る話です。このミュージカルには後のアカデミー賞俳優、ケーリー・グラント(Cary Grant)も出演していました。

世界恐慌により売却。テレビ収録スタジオ「スタジオ50」に

「CBSスタジオ50」と名前を変え復活したエド・サリヴァン劇場。
そんな有名一家の手掛けた劇場も、1929年の世界恐慌の煽りには勝てませんでした。開業からたった2年後に起きたこの世界的な大不況により、ビリー・ローズというショービジネスで成功していた実業家に劇場を売り払う事になります。買収された後は「マンハッタン劇場」という名で営業を再開し、一時はナイトクラブとしても人気を博しました。1936年には、アメリカのテレビ局(CBS)が劇場の不動産権を取得し、ラジオやバライティーショーを発信するようになります。1950年、CBSはテレビ収録用に大幅に内装を変え、劇場を「CBSスタジオ50」として「What’s My Line?」「To Tell the Truth」「Password」「The $10,000 Pyramid」などの人気テレビ番組の収録を行いました。

劇場名の由来は昔の人気番組「エド・サリヴァン・ショー」

「スタジオ50」で続々と人気番組が生み出される中、当時、殆ど無名だったエド・サリヴァンが司会を務めた「エド・サリヴァン・ショー」が大人気になり、彼のデビュー20周年記念となった1967年に、劇場名が正式に「エド・サリヴァン劇場」に改名されました。テレビが生活の中心にあったこの時代、エド・サリヴァンもまたたく間に時の人となります。

エド・サリヴァン・ショーで歌を披露するビートルズ。記念すべきアメリカのテレビ初出演の瞬間です。
この番組が残した大きな功績として、世界中からのトップスターを呼び、ショーを放映したことが挙げられます。エルヴィス・プレスリーやジェームス・ブラウン、コール・ポーターやジャクソン5などの大スターが出演し、そして何よりも、ビートルズやローリング・ストーンズがアメリカでデビューを果たした場所としても知られています。また、人種差別があった時代も、保守的にならずアフリカ系の歌手やグループを出演させ、多くの才能を開花させたと有名です。また、当時の日本では異例中の異例となりますが、「モスラの歌」を歌う「小美人」役で有名な女性デュオ「ザ・ピーナッツ」が、このショーで出演を果たしています。

Ed Sullivan Theaterの建築はハーバート・クラップによるもの

エド・サリヴァン劇場の設計、建築を手掛けたのは、ブロードウェイを代表する劇場建築家のハーバート・J・クラップ(Herbert J. Krapp)です。彼は20世紀初頭に数々の劇場を手がけ、現在のブロードウェイ劇場街(シアター・ディストリクト)を築き上げたとされています。エド・サリヴァン劇場は、彼がシューベルト兄弟(Shubert Brothers)と共に手掛けたアンバサダー劇場(Ambassador Theatre)の開業後、そしてマジェスティック劇場(Majestic Theatre)を手掛ける前の、まさに波に乗っている時期に設計した劇場です。

ブロードウェイの劇場では珍しいゴシック・リヴァイヴァル様式(Neo-Gothic architecture)を採用

1927年開業当初のハマースタイン劇場(現:エド・サリヴァン・シアター)。ステンドグラスと高い天井が特長です。
エド・サリヴァン劇場はイギリスを発祥とするゴシック様式を採用しています。ゴシック様式は教会に多く使われ、大きな窓と高い天井、大規模なステンドグラスを特長とします。エド・サリヴァン劇場の内装に施されたステンドグラスは、創立者アーサー・ハマースタインの父、オスカー・ハマースタイン1世が手掛けるオペラ作品のワンシーンを描いたもので、2015年にアメリカ合衆国国家歴史登録財に登録されました。※保管の為、現在取り外されております。また、開業当初、オーケストラセットの中には大きなオルガンが設置されました。
ゴシック・リバイバル建築について ▶︎

テレビ仕様にリニューアルした内装に注目

テレビ番組の収録用に改装されたエド・サリヴァン劇場の天井。ザ・レイト・ショーの収録時には司会者のスティーブン・コルバートの顔が映し出されます!
クラップのこだわりが細部まで吹き込まれたエド・サリヴァン劇場ですが、テレビ番組の収録等、その時々の用途に合わせ、何度も姿を変えています。特に、テレビ放送がカラー放送に変わった1965年には、カメラの設置台からステージ裏まで、大掛かりな改装工事が行われました。現在のエド・サリヴァン劇場の内装は、天井が真っ白のスクリーンの仕様になっており、放映中の「ザ・レイト・ショー」の収録時には、司会のスティーブン・コルバートの顔を切り取ったステンドグラス風の映像が天井一面に現れます。

エド・サリヴァン劇場で上演中のLate Showについて

キレキレの切り返しトークが面白い司会のスティーブン・コルバートにゲストもタジタジなご様子。笑
「ザ・レイト・ショー(The Late Show)」とは、アメリカのテレビ局CBSが2015年9月8日から放送している大人気深夜トーク番組で、日本で言う「笑っていいとも」のようなバラエティ番組です。観客として参加するには、公式サイト(リンクはこちら ▶)から応募し、抽選で当たる必要があります。運が良ければ無料でこの有名なショーを目の前で生で見ることができます。放送時間は深夜ですが、実際は夕方に収録していますのでご安心ください。皮肉たっぷりの直球トークで人気の司会者スティーブン・コルバート(Stephen Colbert)は、コメディアン、俳優、作家と幅広い分野で活躍する人物で、エミー賞を3度受賞し、2006年にはタイム・マガジンの「最も影響力のある人物100人」の一人に選ばれています。

Ed Sullivan Theaterで上演・収録された過去の作品

上演・放送開始日 演目・番組名
1927年 The Golden Dawn
1948年6月20日~1971年6月6日 The Ed Sullivan Show
1950年2月2日~1967年7月 What’s My Line?
1955年10月1日~1956年9月22日 The Honeymooners
1956年12月18日~1968年 To Tell the Truth
1961年10月2日~1967年9月15日 Password (game show)
1962年3月29日~1986年9月5日 The Merv Griffin Show
1973年3月26日~ Pyramid (game show) ※現在も放映中
1984年5月22日~1989年5月22日 Kate & Allie
1993年8月30日~2015年5月20日 Late Show with David Letterman
2015年9月8日~ The Late Show with Stephen Colbert ※現在も放映中