Radio City Music Hall|基本情報
住所: | 1260 6th Ave, New York, NY 10020(地図) |
開業: | 1932年12月27日 |
収容人数: | 6,015人 |
座席表: | ※クリックして拡大![]() |
Radio City Music Hall 劇場の歴史
企画当初、石油王ロックフェラー二世はメトロポリタン・オペラハウスを建てようとしていた
1911年に連邦最高裁から解体命令が出されるまで、世界最大の石油会社として業界を独占していたスタンダード・オイル社(アメリカ国内の製造・販売を9割を独占)は有名ですが、一人息子であるジョン・ロックフェラー・Jrが社長を努めている間に世界恐慌に面しながら、大胆な建設事業への投資をした事は同じくらい有名な話です。元々買収による企業拡大を得意とするロックフェラーの手法は、世界恐慌の中にありながらもニューヨークにおける最大の不動産所有者の地位に追い上げる事になります。
その手始めとして、まずロックフェラーはラジオ・コーポレーション・オブ・アメリカ(RCA)と契約を交わします。同社は、ラジオ受信機の製造を中心とする大手電機会社でしたが、アメリカ三大ネットワークであるNBCラジオやレコード会社の運営など、メディア事業部も目立っていました。そんな多国籍企業とタッグを組み合うことにより、ロックフェラーセンターをマスメディアの複合建築にしようと方針を立てました。
その後、ロックフェラーは相談役として当時「劇場界の天才」と呼ばれていたロキシー・ロサフェル(Samuel Roxy Rothafel)を呼びかけました。無声映画を世に展開し、劇場や音楽のプロデュース、自身のラジオ放送局まで運営する彼の多才な力を借りて、「誰でも高品質なエンターテイメントをお手頃価格で楽しむことができるような劇場を作りたい」という目標を掲げていました。
ラジオシティ・ミュージックホールの開業~経営不振~閉業回避のために
1970年代の映画配給の変化により、一般向けの映画しか上映しなかったラジオシティでは人々の期待に次第に応えることができなくなり、劇場に足を運ぶ人が少なくなっていきました。
その結果、ラジオシティは350万ドル(当時のレートで約8億円)の損失が予想され、テニスコート、ショッピングモール、またはアメリカ証券取引所に変換する移行計画を打ち出すと共に、1978年1月5日に「3ヶ月後に閉鎖する」という発表をしました。2日後の1月7日にはこの計画を阻止しようとShowpeople’s Committee to Save Radio City Music Hallが発足しました。
Showpeople’s Committee to Save Radio City Music Hallによる署名運動
主要なTV番組やラジオに出演しては「ラジオシティを存続すべき」と主張し続け、アメリカの反対側であるカリフォルニアまでテレビ番組に出演するため移動したりと精力的に活動しました。
ある時は、反抗する意味を込めて鎧を着用した姿で劇場前に集まり、劇場に入ろうと列を作っている聴衆に対して署名活動を行いました。見た目も目立つこの行為は、新聞やテレビに大きく取り上げられ、全米に強烈なインパクトを与えました。
2ヶ月に渡る反対運動により、世界中からは請願書に署名が15万件以上も寄せられ、1978年3月28日にニューヨーク市のランドマークに認定されることによって、劇場の閉鎖を回避することができました。ニューヨーク市のランドマーク保存委員会は、ラジオシティの内部を建物がシアターのままであることを保証し、その後の運営費用については、ラジオシティの上層部に20階建ての複合型ビルを設ける事によってオフィスビルとして貸出、その賃貸料をラジオシティの資金に回すようにしました。 そして1978年5月12日には正式にアメリカ合衆国国家歴史登録財に登録されました。
反対運動から40年近く経った現在のラジオシティ・ミュージックホール
※1999年、2011年、2012年、2016年を除き、1997年より過去17回開催
ラジオシティ・ミュージックホールの建築様式
劇場内の内装デザインを手がけたのは米国ミネソタ州生まれのドナルド・デスキーです。
彼の幾何学的なアールデコ調の装飾はアルミニウム、金箔、大理石、ガラス、コルクなど様々な素材を使用し、劇場内の壁紙やカーペットや家具に贅沢に施されました。当時まだ無名だったデスキーは、コンペに勝ち進んでやっとの思いで手に入れた建築デザインの仕事であった事もあり、「その時代で一番優雅な劇場にする」と意気込んでおり、家具以外にも劇場のインテリア空間を完成させるために手すり、看板、装飾の細部のデザインも注意し調整しました。そんな彼のエレガントで洗練されたアール・デコ調のデザインは、劇場に訪れる人々を魅了し、瞬く間にデスキーの名は世間に知れ渡っていきました。
ラジオシティ・ミュージックホールのステージは「夕日」をモチーフとしている
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舞台の前には観客に向かい合うように複雑なコーブ照明(天井の隅や壁にくぼみを設けて内部から光を拡散させる照明手法)が組み込まれていて、滲み出るような柔からかな照明を演出しています。また、劇場内の各照明は自動的に色が変える事ができ、場内の明るさ検知によって照明の明るさを変える事もできたりと、当時では最新照明システムを備えた劇場として知られていました。
ラジオシティ・ミュージックホールの周辺情報
Rockefeller Center Christmas Tree
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1933年以来、ロックフェラーセンターの中心地であるロックフェラープラザ前に大きなクリスマスツリーを飾る伝統が続いており、年に1回の催し物として、冬になると世界中から多くの観光客が足を運んできています。2017年のツリーはペンシルバニア州から240マイル(約386キロ)の距離を大型トラックによって運ばれてやってきました。

過去5年のロックフェラー・クリスマスツリーの高さ
2017年:75フィート(22.86メートル)
2016年:94フィート(28.6メートル)
2015年:78フィート(23.7メートル)
2014年:85フィート(25.9メートル)
2013年:76フィート(23.1メートル)
The Rink at Rockefeller Center
ホーム・アローン2の映画のロケ地としても使われ、ニューヨークでは馴染みのある場所となりますが、プロポーズの地としてスケート場を貸し切ることもできます。(公式サイトより予約可)
営業時間 | 8:30AM~12:00PM |
通常料金(2018年1月2日~4月15日) | 大人 $25 小人(11歳以下)/シニア $15 |
繁忙期料金(2017年12月15日~2018年1月1日) | 大人 $32 小人(11歳以下)/シニア $15 |
スケート靴レンタル | $12 |
ニューヨークの夏冬の風物詩 ロケッツによる「スペクタキュラー」の上演会場として
ラジオシティ・ミュージックホール鑑賞ツアー(Radio City Stage Door Tour)
ラジオシティ・ミュージックホールについてもっと知りたい方には、毎シーズン約23,000人もの参加者が募るラジオシティ・ミュージックホール鑑賞ツアーがお勧めです。ラジオシティ・ミュージックホールの歴史や建築について学べるだけでなく、ステージの裏側やザ・ロケッツメンバーと対面することもできます。名誉あるロケッツメンバーに間近で会うことのできる貴重な体験ツアーです。
営業時間 | 9:30AM~5:00PM (30分置きに出発します) |
通常料金 | 大人 $26.95 小人(12歳以下)/シニア/学生 $19.95(シニア62歳以上/学生は学生書が必須) |
所要時間 | 約75分 |
チケットはRadio City公式サイトチケットは公式サイトよりご購入いただけますが、あっとブロードウェイへお問い合わせいただければ、代行予約手配も承ります。
※以下お申込みフォーム内の「ご希望ミュージカル」から「ラジオシティ・ミュージックホール鑑賞ツアー」をご選択ください
Radio City Music Hall 過去の公演・出演者
ラジオシティでは、トニー賞授賞式はもちろん、各大物アーティストがライブ・コンサートなどを行っている事でも有名です。
※以下リストは有名アーティストのみ一部抜粋して記載しています。
公演日 | 演目 |
1973年2月14日 | David Bowie |
1978年10月5日~10月11日 | Diana Ross |
1983年10月18日~10月23日 | Stevie Wonder |
1983年4月7日~5月15日 | Porgy and Bess |
1993年5月1日~5月2日 | Aretha Franklin |
1985年6月6日~6月8日 | Madonna |
1997年6月1日 | 第51回トニー賞 |
1998年6月7日 | 第52回トニー賞 |
1999年10月7日 | Celine Dione |
2000年6月4日 | 第54回トニー賞 |
2001年6月3日 | 第55回トニー賞 |
2002年6月2日 | 第56回トニー賞 |
2003年6月8日 | 第57回トニー賞 |
2004年6月6日 | 第58回トニー賞 |
2005年6月5日 | 第59回トニー賞 |
2006年6月11日 | 第60回トニー賞 |
2007年6月10日 | 第61回トニー賞 |
2008年6月15日 | 第62回トニー賞 |
2009年6月7日 | 第63回トニー賞 |
2010年5月28日~5月29日 | Glee Live! |
2010年6月13日 | 第64回トニー賞 |
2013年6月9日 | 第67回トニー賞 |
2014年4月3日~5月4日 | Heart and Lights |
2014年6月8日 | 第68回トニー賞 |
2015年6月7日 | 第69回トニー賞 |
2015年6月19日~6月23日 | Lady Gaga and Tony Bennett |
2015年11月17日 | Adel復活ライブ一夜限り |
2016年6月15日~8月7日 | New York Spectacular |
2016年11月11日~2017年1月2日 | Christmas Spectacular Starring the Radio City Rockettes® |
2017年6月11日 | 第71回トニー賞 |
2018年6月10日 | 第72回トニー賞 |
2018年11月9日~2019年1月1日 | Christmas Spectacular Starring the Radio City Rockettes® |
2019年6月9日 | 第73回トニー賞 |