231 W 39th St #1200, New York, NY 10018(地図)
開業:1965年|所有劇場数:5
Roundabout Theatre Company|基本情報
1965年に、劇作家ジーン・ファイスト(Gene Feist)と女優エリザベス・オーウェンズ夫妻(Elizabeth Owens)によって立ち上げられたラウンドアバウト・シアター・カンパニー(Roundabout Theatre Company)は、クラシックミュージカル作品やリバイバル作品の制作・上演を目的とした非営利団体です。ミュージカル・演劇作品の制作以外に、マンハッタン内で5つの劇場を所有・運営を行っており、現在では会員数4万人、年間観客動員数40万人を数える全米でも最大級の運営会社として知られています。
Roundabout Theatre Company の歴史
スーパーマーケットのビルの地下から始まったRoundabout Theatre Company
元々、夫妻で劇作家と女優のコンビとして活動を行っていた設立者のジーンとエリザベスは、1965年にテネシー州の劇場「the New Theater」を復活させるのと同時に、運営会社「ラウンドアバウト・シアター・カンパニー(Roundabout Theatre Company)」を設立しました。当時お金がなかった2人は、自分たちが住んでいたマンハッタンのアパートの地下で運営会社を開業しました。
1973年に戯曲「The Play at the Castle」などの演劇作品の制作を行うも事業に伸び悩んでいたラウンドアバウト・シアター・カンパニーは、当時250万ドル(約2億5千円/1ドル300円)の赤字を抱えていました。そこでジーンは、1983年に劇場プロデューサーのトッド・ハイムズ(Todd Haimes)をマネージング・ディレクターに就任。ニューヨーク市立大学ブルックリン校などにてシアターマネージメントを教える経歴を持つトッド・ハイムズは、すぐに優れたマネージメント力を発揮し、ラウンドアバウト・シアター・カンパニーの財政を立て直しました。その後、1989年にトッド・ハイムズを2代目の芸術監督(Artistic Director)に任命し、クラシックミュージカルとリバイバル作品の制作を本格的に行うための子会社「New Play Initiative」を設立しました。
劇団初となるトニー賞受賞作品の輩出とブロードウェイの劇場の買収
スタジオ54の詳細はコチラ ▶︎
アメリカン エアライン劇場 (American Airlines Theatre)を買収
アメリカン エアライン劇場の詳細はコチラ ▶︎
トニー賞受賞回数:合計36回
ブロードウェイの劇場を2つ所有・運営を行っていたラウンドアバウト・シアター・カンパニーは、クラシックミュージカルとリバイバル作品を中心に、独創性と芸術性の高い作品を継続して制作していました。設立から現在までに、トニー賞を36回、ドラマ・デスク賞(Drama Desk Award)を51回、アウター・クリティクス・サークル賞(Outer Critics Circle Awards)を12回、シアター・ワールド賞(Theater World Award)を23回、オリバー賞(Olivier Award)を5回、オービー賞(Obie Award)を2回という実績を持ちます。なかでも2003年から2008年まで上演された作品はブロードウェイを代表するミュージカルとなっています。
2003年~2008年の作品の受賞歴
作品名 | 受賞回及び受賞部門 |
2003年 ナイン(Nine) ※リバイバル作品 |
トニー賞:2部門受賞、6部門ノミネート アウター・クリティクス・サークル賞:3部門受賞、9部門ノミネート シアター・ワールド賞:2部門受賞 |
2004年 アサインズ(Assassins) ※リバイバル作品 |
トニー賞:5部門受賞、4部門ノミネート アウター・クリティクス・サークル賞:2部門受賞、1部門ノミネート シアター・ワールド賞:1部門受賞 ドラマ・デスク賞:4部門受賞、3部門ノミネート |
2006年 ザ・パジャマ・ゲーム(The Pajama Game) ※リバイバル作品 |
トニー賞:2部門受賞、8部門ノミネート アウター・クリティクス・サークル賞:1部門受賞、7部門ノミネート シアター・ワールド賞:1部門受賞 ドラマ・デスク賞:1部門受賞、6部門ノミネート |
2008年 サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ(Sunday in the Park with George) ※リバイバル作品 |
トニー賞:8部門ノミネート アウター・クリティクス・サークル賞:2部門受賞、3部門ノミネート シアター・ワールド賞:1部門受賞 ドラマ・デスク賞:2部門受賞、5部門ノミネート |
※アウター・クリティクス・サークル賞(Outer Critics Circle Awards):オン・ブロードウェイとオフ・ブロードウェイで開幕した作品を対象に、同市近郊の新聞や雑誌といったメディアで活躍する批評家たちによって選出される演劇賞
※シアター・ワールド賞(Theater World Award):ブロードウェイとオフ・ブロードウェイ作品に出演した俳優・女優を対象として贈られる賞
Laura Pels TheatreとBlack Box Theatreを建設
2004年にラウンドアバウト・シアター・カンパニーは、「ローラ・ペルス劇場(Laura Pels Theatre)」と「ブラック・ボックス劇場(Black Box Theatre)」という2つのオフ・ブロードウェイ劇場を1つのビルの中に建築し、同年3月公開の演劇「インティメートアパレル(Intimate Apparel)」の初演で開幕しました。スタジオやリハーサルルームなどの施設を完備した劇場では、新作の制作や、クラシックミュージカルのリバイバル作品の制作も行っています。さらに出演者が劇の前や休憩中に利用できるプライベートスペースやロビーには一般の方も利用できるカフェを完備しています。
Laura Pels Theatre と Black Box Theatreの詳細
住所: 111 West 46th Street, New York, NY 10036 (地図)
Laura Pels Theatreの座席表 ▶︎
Black Box Theatreの座席表 ▶︎
スティーヴン ソンドハイム劇場(Stephen Sondheim Theatre)の運営開始
スティーヴン ソンドハイム劇場の詳細はコチラ ▶︎
Roundabout Theatre Companyの業務体系
ラウンドアバウト・シアター・カンパニーは、主に演劇とリバイバル作品制作を行い、5つの劇場の所有・運営を行っていますが、その他にも以下のようなサービスを行っています。
演劇体験プログラム「シアタープラス(Theatre Plus™ Programs)
ラウンドアバウト・シアター・カンパニーは、1991年から会員限定の演劇体験プログラム「シアタープラス(Theatre Plus™ Programs)」を実施しています。シアタープラスの会員は、ブロードウェイやオフブロードウェイの無料観劇に加えて、出演者とのディスカッションに参加したり、観劇前にワイン試飲に出席することができます。設立当初は約400人だった会員数は、現在約3万人以上にまで達する会員制プログラムとなっています。
演劇育成機関(Education at Roundabout)
1996年に形成された演劇育成機関(Education at Roundabout)は、現在約225,000人近くの学生と約7,000人以上の教師が所属する巨大演劇育成学校です。元々、ニューヨーク市の教育省からの奨励を受け、ブロンクスにある劇場高校とブルックリンにある音楽院の2つの高等学校を合同して、この演劇教育プログラムを開発しました。現在、一般者も利用できるようになったラウンドアバウト学習は、主に、ミュージカル制作の基本から生徒自身による演劇の開発プログラムを行っています。
Roundabout Theatre Company が所有する劇場リスト
![]() |
アメリカン エアライン劇場 American Airlines Theatre |
![]() |
スティーヴン ソンドハイム劇場 Stephen Sondheim Theatre |
![]() |
ローラ・ペルス劇場 Laura Pels Theatre |
![]() |
スタジオ 54 Studio 54 |
![]() |
ブラック・ボックス劇場 Black Box Theatre |