Lyric Theatre リリック劇場の詳細

入口は43ストリート側なので注意。天井が高く、何度も大幅な改修工事が行われてきたブロードウェイの劇場です。

ブロードウェイミュージカルのリリック劇場

リリック劇場の基本情報

リリック劇場(Lyric Theatre)の最寄駅、座席表などの基本情報です。

住所 :214 W 43rd St, New York, NY 10036(地図
入口は43ストリート沿い、7番街と8番街の間
創設 :1998年
収容人数 :1,500人
座席表 :※クリックして拡大できます
リリック劇場の座席表

リリック劇場の行き方・アクセス

リリック劇場への行き方は、ニューヨーク公共地下鉄(MTA)を利用するのが一般的です。
公演時間が近づくと劇場周辺は大変混み合いますので、地下鉄で行かれる方も、タクシーで行かれる方も時間に余裕を持ってお出かけください。

地下鉄の最寄駅 :

1 2 3 7 A C E N Q R W 路線「42st – Times Square / Port Authority」駅から徒歩5分ほど

「42st – Times Square / Port Authority」駅は、構内が広い駅ですので、時間に余裕を持ってお出かけください。

リリック劇場の地図

以下は、リリック劇場(Lyric Theatre)の地図です。

リリック劇場の歴史

2つの劇場を1つに

リリック劇場(Lyric Theatre)は、1998年、元々同じ場所にあった2軒の劇場(旧リリック劇場、アポロ劇場)を1年がかりで取り壊して1つの劇場に建て替えて誕生しました。この劇場は、現在のオン・ブロードウェイ劇場の中では一番新しい劇場として知られています。

旧リリック劇場について

1903年に建てられた旧リリック劇場は、作曲家であり音楽評論家のレジナルド・デ・コーブン(Reginald De Koven)が、不動産開発者のEugene C. Potterに依頼して建設しました。

この劇場は間もなくして、数多くの劇場を所有していたシューベルト家の手に渡り、シェイクスピアの演劇を公演するなど、観客で賑わっていた劇場でしたが、「5000万人のフランス人(Fifty Million Frenchmen)」のヒット公演を最後に、世界恐慌の煽りがブロードウェイの劇場全体を襲うと客足が遠のき劇場は低迷し、1934年から1992年まで58年の間、映画館に姿を変えてしまいました。

旧アポロ劇場について

スタジオ54やブロードウェイ劇場の建築を手掛けたユージン・デローサ(Eugene De Rosa)によって1910年に建設されたこの劇場は、1920年にセルウィン兄弟が買収・改築して「アポロ劇場」となりました。

旧リリック劇場と同様に世界大恐慌の影響で映画館に姿を変えた後、大手劇場運営会社ブラント・オーガニゼーションに買収されて演劇公演を再開。しかし長くは続かず、1983年に再び映画館として姿を変え、その後ナイトクラブとなり、最終的には使われることにない劇場として佇んでいました。

ジュリアーニ市長が設立した新42丁目団体により劇場が取り壊される

1970年~80年代のタイムズスクエア周辺(42丁目周辺)では、荒廃や破損が酷いアポロ劇場や旧リリック劇場を含む多くの劇場や建物が街の景観を損ねて治安の悪さに拍手を掛けていると非難されていました。1990年代に入った頃、当時ニューヨーク市長に就任したルドルフ・ジュリアーニは、州の協力の元でこの地域を再開発し、各劇場を再開発させる計画を打ち出しました

結果、ニューヨーク州と市が協同してアポロ劇場と旧リリック劇場の所有権を買い取り、2つの劇場を保護下に置いた後、前述した新生リリック劇場の再建を実行します。世界中のメディアに取り上げられたジュリアーニ市長の大胆な治安改善について、詳細を別ページにまとめていますので是非お読みください。

建て替え後、何度も改名を繰り返す

1998年、ミュージカル作品「ラグタイム(Ragtime)」の公演と共に劇場名「the Ford Center for the Performing Arts」という名前でミュージカル公演劇場として再始動を果たし、現在のリリック劇場としての歴史が始まりました。

2005年、USプレミアの「チキ・チキ・バン・バン(Chitty Chitty Bang Bang)」を公演する為に劇場を改装し、「the Hilton」という名前で再開業しました。その後に公演された「ヤング・フランケンシュタイン(Young Frankenstein)」の公演は2009年1月4日に終焉となり、同年内、劇場は使用されることなく歳月が流れました。

ミュージカル「スパイダーマン」で再起を図るも大赤字

2010年8月、大型娯楽カジノ施設のFoxwoods Resort Casinoと大手イベントプロモーター会社のLive Nationとの合意の下で、劇場名を「フォックス・ウッズ劇場」と改名し、マーベル・コミックの人気ヒーロー「スパイダーマン」をブロードウェイ・ミュージカルとして舞台化させました。誰もが知っているこの作品には多くの人が期待を寄せていましたが、資金繰りと技術面の問題が原因で当初予定されていた公演日より半年以上遅れてのスタートとなり、2011年6月14日にようやく公演されるも危険なアクションシーンによる事故が多発し、僅か7か月という短い期間で幕を閉じました

スパイダーマンはブロードウェイ史上最も高額な製作費6500万ドル(当時約54億円)を掛けて制作されたにもかかわらず、6000万ドル(当時約50億円)を損失した大赤字演目となりました。これには劇団が傷害保険へ加入することが出来ず、公演を継続出来なかった背景がありました。

2013年に、イギリスに拠点を置く劇場運営会社「アンバサダー・シアター・グループ(Ambassador Theatre Group)」が劇団初となるブロードウェイの劇場としてフォックス・ウッズ劇場を買収し、2014年、劇場名を現在の「リリック劇場(Lyric Theatre)」と改名しました。

リリック劇場の建築スタイル

元々あった劇場から受け継がれたデザイン

リリック劇場を建設するにあたり、当時の劇場建築を担ったのは、エンパイアステートビル内部の修復建築やグランドセントラル駅内部の改装を手掛けた建築会社Beyer Blinder Belle Architects & Planners LLPでした。旧リリック劇場とアポロ劇場は、お互いに全く異なった建築様式でしたが、いずれも1900年代初頭に建てられた貴重な歴史建築物であったため、その装飾品の数々は、劇場から慎重に取り外されて新しいリリック劇場へ移管されることとなりました。

外観は、旧リリック劇場の42丁目と43丁目側の正面部分のデザインや装飾が完璧に移管されています。以下の画像では、劇場外装の移管前(左)と移管後(右)の姿を見ることが出来ます。内装にはアポロ劇場のデザインを採用し、天井のドームや、ロビーにある階段を綺麗に取り除き移管しました。

劇場の総支配人であるErich Jungwirdh氏によると、劇場内部の95%は新しく造り直されているにもかかわらず、ひとたび劇場の席について周りを見渡すと、95%は昔の劇場のままの姿をしている、と言われており、かつての劇場の姿が忠実に再現されています。

リリック劇場のアクロバット設備について

空中を舞台とした演出ができる

リリック劇場は、ブロードウェイの劇場で2番目に客席数が多い劇場で(1番は1,933席のガーシュウィン劇場)、この巨大な劇場の席上空間でアクロバット演出し、空中をもう一つの舞台とした演出が可能となっています。他の劇場に比べてかなり高く設計された天井の真ん中に凹みがあり(下図参照)、アクロバット演出のために使用するワイヤーを設置するための回転装置が備え付けられています。

このワイヤーに吊るされながら劇場内を縦横無尽に飛び回ったスパイダーマンの演技や、ロープを使用して舞台上空まで飛び出すシルク・ドゥ・ソレイユ・パラモアのアクロバット演技などを実現してきました。
また、巨大な劇場にも関わらず、舞台から1階オーケストラ席の最後列までの距離が約27メートルしかなく、ダイナミックな演技を近距離で楽しめることもこの劇場の魅力の一つとされています。

シルク・ドゥ・ソレイユのブロードウェイ・デビュー作を上演

2016年にリリック劇場で上演された「パラモア(Paramour)」は、ラスベガスのショーなど、世界的に有名なサーカス団「シルク・ドゥ・ソレイユ」が、独自のアクロバット技術をブロードウェイ・ミュージカルと融合させて放った作品で、同劇団のブロードウェイ・デビュー作となりました。

得意のトランポリンやシーソーのアクションはもちろん、アサートン兄弟による空中アクロバット(イギリス代表として体操の世界大会に5度出場経験のあるAndrew AthertonとKevin Athertonの兄弟デュオによる演技)では、リリック劇場の広さ・高さを最大限に利用して観客を魅力しました。ただのサーカスではなくて、オリジナルストーリーを練り込み、笑い、涙、感動ありのブロードウェイ・ミュージカルとして鮮烈なデビューとなりました。

ハリーポッターと呪いの子の公演のために劇場を大幅改装

リリック劇場は、2018年春から公演を開始したミュージカル「ハリーポッターと呪いの子(Harry Potter and the Cursed Child)」のために巨額な予算を投じ、大規模な劇場の改装工事が行いました。外観を一新し、本作品のイメージにも使用されている「巣の中にいる呪われた子」のモチーフが置かれ、43丁目を寂しそうな眼差しで見下ろしています。また、劇場内では座席数を減らして舞台を拡大し、ハリーポッターの世界観を味えるように工夫されています。

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