Helen Hayes Theatre ヘレン・ヘイズ劇場の詳細

四方八方に劇場がある賑やかな44ストリートに立地するブロードウェイの劇場。細やかな建築技術にご注目を。

ブロードウェイミュージカルのヘレン・ヘイズ劇場

ヘレン・ヘイズ劇場の基本情報

ヘレン・ヘイズ劇場(Helen Hayes Theatre)の最寄駅、座席表などの基本情報です。

住所 :240 W 44th St, New York, NY 10036(地図
44ストリート沿い、7番街と8番街の間
創設 :1912年3月12日
収容人数 :597人
座席表 :※クリックして拡大できます
ヘレン・ヘイズ劇場の座席表

ヘレン・ヘイズ劇場の行き方・アクセス

ヘレン・ヘイズ劇場への行き方は、ニューヨーク公共地下鉄(MTA)を利用するのが一般的です。
公演時間が近づくと劇場周辺は大変混み合いますので、地下鉄で行かれる方も、タクシーで行かれる方も時間に余裕を持ってお出かけください。

地下鉄の最寄駅 :

1 2 3 7 A C E N Q R W 路線「42st – Times Square / Port Authority」駅から徒歩8分ほど

N R W 路線の「49st」駅から徒歩8分ほど

「42st – Times Square / Port Authority」駅は、構内が広い駅ですので、時間に余裕を持ってお出かけください。

ヘレン・ヘイズ劇場の地図

以下は、ヘレン・ヘイズ劇場(Helen Hayes Theatre)の地図です。

ヘレン・ヘイズ劇場の歴史

旧名称は「ザ・リトル劇場」

ヘレン・ヘイズ劇場(Helen Hayes Theatre)は1912年、演出家ウィンスロップ・エイメス(Winthrop Ames)と建築家ハリー・クレイトン・インガルズ(Harry Creighton Ingalls)、レル・ホフマン(F. Burrall Hoffman)により「ザ・リトル劇場(the Little Theatre)」という名で創設しました。当時、新しい戯曲の公演を行うにあたり、収容規模が大きいブロードウェイの劇場では、集客数の見込みができずリスクがあったため、ザ・リトル劇場を商業目的ではない新しい戯曲の発表会場として座席数299席の小規模サイズで建築しました。

ザ・リトル劇場の所有者であるウィンスロップ・エイメスは、元々スタジオ建築を専門としていましたが、劇場に居ながら家で劇を観劇しているようなアットホームな会場を建築したいと考え、あえて劇場建築未経験であった建築家ハリー・クレイトン・インガルズとバレル・ホフマンを連れてザ・リトル劇場の建築を行いました。

劇場建築家ハーバート・クラップのよる増築で劇場拡大

創設後、ヒット作品を生み出すも、収容人数が少なかったザ・リトル劇場はなかなか売上が伸びず、1915年発売のニューヨーク・タイムズ紙で「所有者ウィンスロップ・エイメスの家まで売りに出されるだろう」と記事が出るほど経営悪化が続きました。

そこで、ウィンスロップ・エイメスは、1920年に数々のブロードウェイの劇場の建築デザインを手がけてきたハーバート・クラップ(Herbert J. Krapp)に劇場の再建築を依頼し、座席の増加とバルコニー席を設け、収容人数を597席まで拡大しました。それでも、拡大後の収容人数は、現在ブロードウェイに存在する劇場の中で最も少ない収容人数となっています。

ニューヨーク・タイムズが買収した後、ABC局とCBS局のスタジオに

1942年に、ザ・リトル劇場はアメリカで新聞発行部数の第3位を誇るニューヨーク・タイムズ(The New York Times)に買収され、会議場として「ニューヨーク・タイムス・ホール(New York Times Hall)」という名で活動します。

また、1959年からは、アメリカのテレビ会社ABCスタジオ(ABC television studio.)が主催する番組「マーヴ・グリフィン・ショー(The Merv Griffin Show)」のスタジオとして、また兼用して放送局CBSによるラジオスタジオしても使用されていました。ちなみに、同時期にコート劇場(Cort Theatre)でも同番組の撮影が行われていました。

旧ヘレン・ヘイズ劇場の名を引き継ぐ形で改名

さて、かつて劇場街の46丁目にヘレン・ヘイズ劇場(旧名フルトン劇場)という劇場がありました。豪華な内装とテラコッタの壁が自慢の美しい劇場でした。アメリカの大女優のヘレン・ヘイズ(Helen Hayes)の名を冠するこの劇場は、多くの演劇ファンに支持をされてきましたが、1982年、マリオット・マーキースホテルの建築にあたり、劇場の取り壊しを余儀なくされます。

当時、劇場関係者はヘレン・ヘイズ劇場を守ろうと大規模な反対運動を行いました。その過激さは、165人にも上る逮捕者が出るほどだったと言います。しかし抵抗も虚しく、旧ヘレン・ヘイズ劇場は惜しまれながら取り壊されます。翌年の1983年、当時まだ存命だった女優のヘレン・ヘイズへ敬意を表し、ザ・リトル劇場がヘレン・ヘイズ劇場の名を引き継ぎました。

幻の旧ヘレン・ヘイズ劇場と現在のヘレン・ヘイズ劇場、2つの劇場の由来となった大女優のヘレン・ヘイズ・ブラウンは「ブロードウェイのファーストレディ(First Lady of the American Theater)」の愛称を持つアメリカの大スターです。5歳で初舞台、9歳でブロードウェイへ進出し、エミー賞(Emmy Award)、グラミー賞(Grammy Award)、アカデミー主演女優賞やアカデミー助演女優賞を受賞、また第1回トニー受賞式ではノミネート、後に3回に渡ってトニー賞受賞を獲得し、アメリカの映画界、演劇界に多くの功績を残した人物です。

更なる活躍に向けて生まれ変わるヘレン・ヘイズ劇場

2008年にヘレンヘイズ劇場が売りに出される事が公表され、2015年4月18日に劇場取引額$24.7億ドル(当時約27億円)で非営利団体「セカンド・ステージ・シアター(Second Stage Theatre)」へ売却しました。

運営会社「セカンド・ステージ・シアター」による再リニューアルは、建築家デイビッド・ロックウェル(David Rockwell)率いるロックウェル・グループ(Rockwell Group)が建築デザインを担当しました。当時のヘレンヘイズ劇場の外見を残しつつ、現代風のモダンでシックなデザインを取り入れ、ドレスルームやお手洗いの拡大し、また、エレベータの導入に併せて車椅子専用の座席を確保すると共に、全面的にバリアフリーを取り入れた構造となります。

ロックウェル・グループは、トニー賞受賞経験のあるデイビッド・ロックウェルが1994年に設立、主に建築とプランニングデザインなどを手掛けるデザイン企業として、メットライフ・スタジアムの建設や多数の有名企業の建築にも携わっている有名建築企業です。

ヘレン・ヘイズ劇場の建築スタイル

ニューイングランドの家をモチーフに

ヘレン・ヘイズ劇場の前身、ザ・リトル劇場の建築デザインを手掛けたハリー・クレイトン・インガルズとバレル・ホフマンは、パリ国立高等美術学校(the Ecole de Beaux-Arts in Paris)在学中に出会い、1910年ニューヨークに移住する際にビジネスパートナーとなり、以降は共にスタジオや住居地の主に建築デザインを手がけました。

インガルズとホフマンによる建築デザインは、赤いレンガと黒い短いレンガが交差するフランス積み様式(the Flemish Bond Style)を用いたニューイングランドの家をモチーフに、一等間隔の格子付きの窓と鉄製のバルコニーの設置しました。

ニューイングランド様式とは

ニューイングランドは、アメリカの中で最も歴史の古い北東部の6つの州(コネチカット州、メイン州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、ロードアイランド州、バーモント州)を意味しますが、1776年のアメリカ独立宣言が発表されるまでイギリス植民地の中心だった事で有名です。この地方の街並みは「ニューイングランド様式」と呼ばれるイギリスからの移民によって建てられたヨーロッパ風建築が多く存在し、コロニアル様式(※)の代表的住宅様式の1つとなります。

※コロニアル様式(Colonial)は、アメリカがイギリスなどのヨーロッパ植民地であった時代の建築や家具の形式を指し、語源は「植民地」を意味した英語:コロニー(Colony) またはスペイン語:コロニア (Colonia)から由来しています。

フランス積み様式とは

レンガ造りの壁には、外からのに圧から守り建物の構造を安定するための様々な壁構造方式が存在します。ザ・リトル劇場が使用しているフランス積み様式は、一段に大小異なる大きさのレンガを交互に積む方式で、色が鮮やかなのが特徴的です。日本でも明治時代初頭に多く使用されていましたが、明治後期以降は、段ごとに長手、もしくは小口の大きさを揃えたレンガを積んだ「イギリス積み方式」が主流となりました。

フェデラル様式とは

内装には、一般的にアダム様式(Adam style)として知られているフェデラル様式(Federal style)を使用されています。ヨーロッパ風の気品で優雅な造りで装飾が特徴です。アダム様式は、18世紀に流行したイギリスの伝統的な新古典主義(Neoclassical Architecture)をもとに、細部まで凝った彩色装飾と、スタッコと呼ばれる大理石に似た塗り壁材料を組み合わせた装飾様式を用いた室内装飾です。

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