ユージン・オニール劇場の基本情報
ユージン・オーニール劇場(Eugene O’Neill Theatre)の最寄駅、座席表などの基本情報です。
住所 : | 230 W 49th St, New York, NY 10019(地図) 49ストリート沿い、ブロードウェイと8番街の間 |
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創設 : | 1925年11月24日 |
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収容人数 : | 1,108人 |
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座席表 : | ※クリックして拡大できます |
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ユージン・オニール劇場の行き方・アクセス
ユージン・オニール劇場への行き方は、ニューヨーク公共地下鉄(MTA)を利用するのが一般的です。
公演時間が近づくと劇場周辺は大変混み合いますので、地下鉄で行かれる方も、タクシーで行かれる方も時間に余裕を持ってお出かけください。
ユージン・オニール劇場の地図
以下は、ユージン・オニール劇場(Eugene O’Neill Theatre)の地図です。
ユージン・オニール劇場の歴史
前身となったフォレスト劇場
ユージン・オニール劇場(Eugene O’Neill Theatre)は、1925年、 ホテル「the Forrest Hotel」の複合施設として「フォレスト劇場(Forrest Theatre)」という名で運営を開始しました。フォレスト劇場は、建築家ハーバート・クラップ(Herbert J. Krapp)とブロードウェイ最大の劇場運営団体「シューベルト・オーガニゼーション(Shubert Organization)」によって建築されました。現在は、ブロードウェイにユージン・オニール劇場を含め約5つの劇場を所有するユージャムシン劇団(Jujamcyn Theaters)が運営しています。
建設当時の所有者である「シューベルト・オーガニゼーション」は、シューベルト兄弟により1900年に設立されたブロードウェイ最大の劇場運営会社ですが、1925年にユージン・オニール劇場の建築された時には既にブロードウェイ地区一体に192以上の劇場が存在しました。
シューベルト兄弟は、ユージン・オニール劇場に観客を引き寄せるため、無料のコーヒーやタバコの提供に加え、
読心術を売り物にする芸人や絵描きなどによる催し物を無料で開催し、隣のフォレストホテル内にあるバーと劇場舞台をつなぐ連絡路を設けるなど、複合施設ならではの工夫を施しました。
フォレスト劇場の由来は、暴動を起こしたエドウィン・フォレストから
ミュージカル公演「Mayflowers」と同時に開幕したフォレスト劇場の名称は、19世紀のアメリカで主にシェイクスピア公演で人気を博した俳優
エドウィン・フォレスト(Edwin Forrest)から由来しています。フィラデルフィア出身のエドウィン・フォレストは、11歳からフィラデルフィアの舞台に立ち、20歳の時に初めてニューヨークでシェイクスピア公演「オセロ」を演じ人気を獲得した後、長年に渡りブロードウェイとフィラデルフィアの舞台で活躍しました。
1920年代に建築家ハーバート・クラップがブロードウェイとフィラデルフィアに劇場を建築するにあたり、彼の舞台での活躍を貢献して両方の劇場に「フォレスト劇場」の名を抜擢しました。ブロードウェイの劇場は後に当劇場「ユージン オニール劇場」に改名されたものの、フィラデルフィアに存在する劇場は現在も同名「フォレスト劇場」で運営しています。
ちなみにこのエドウィン・フォレストは、1849年5月10日に勃発したアスター・プレイス暴動 (Astor Place Riot) を引き起こした人物としても知られています。
19世紀初めにシェイクスピア公演で人気のあった俳優は、エドウィン・フォレストの他に、ウィリアム・マクレディー(William Macready )というイギリスの俳優がいました。体つきが良く、肉体派のエドウィン・フォレストは労働階級の庶民から特に人気があり、一方、気品ある演技が魅力的とされたウィリアム・マクレディーは本国イギリスだけでなく、アメリカの上流階級に支持されており、そんか彼らはライバル同士として有名でした。
そんなある日、アスター・オペラハウス(Astor Opera House)でフォレスト主演のシェイクスピア「マクベス(Macbeth)」の公演を聞きつけたマクレディーが劇場に出向き、現地を荒らして大きな喧嘩沙汰となりました。これを引き金に、当時ニューヨークのアイルランド人の間で、ジャガイモ飢饉による反イギリス感情が高まっていた民衆が加わり、騒動は警察や民兵が出動するまでに及びました。その結果、被害は少なくとも20人以上の死者と120以上の人々が負傷する大惨事となりました。
ジャガイモ飢饉(Potato Famine)とは
ルイ16世により王妃マリー・アントワネットに与えられた宮殿の1つで、正方形の形をした外見に、内装はロココ様式を使用しています。マリー・アントワネットが生前に過ごした場所として、現在もヴェルサイユ宮殿の庭園内に存在します。
コロネット劇場(Coronet Theatre)に改名
フォレスト劇場として運営をしていた時期に発表したミュージカル「タバコ・ロード(Tobacco Road)」は、1934年9月17日から1941年5月31日の間で公演回数3,182回にも及びロングラン作品第18位の記録を達成します。しかし1945年に、City Playhouses, Incという団体がフォレスト劇場を購入するのをきっかけに、劇場名を「コロネット劇場(Coronet Theatre)」に改名、建築事務所「ウォーカー・アンド・ジレット(Walker & Gillette)」による再構築が行われました。
再構築後の1945年10月27日公演のミュージカル「Beggars Are Coming to Town」では、人気の役者揃いで公演したにも関わらず、不評に終わり僅か25回の公演で幕を下ろしましたが、次作品ミュージカル「ドリームガールズ(Dream Girl)」では公演回数348回と達成し、劇場としても人気を取り戻していきます。
ユージン・オニール劇場の誕生秘話
ノーベル文学賞受賞者のユージン・オニールに由来
コロネット劇場は、1959年に現在の劇場名「ユージン・オニール劇場」に改名しました。劇場名の由来は、ノーベル文学賞受賞者としてアメリカの近代演劇を築いた劇作家ユージン・オニール(Eugene O’Neill)。劇場名に劇作家の名前が抜擢にされるのは
ブロードウェイにおいて初となる快挙でした。
その後、1960年代には、劇作家兼脚本家ニール・サイモン(Neil Simon)がユージン・オニール劇場を買収し、ニール・サイモンのよる7つの演劇が行われます。ニール・サイモンは、1982年に現在の所有者である劇場運営団体「ユージャムシン劇団(Jujamcyn Theaters)」へ所有権を売り、ユージン・オニール劇場の運営・存続を継続しています。
ユージャムシン劇団(Jujamcyn Theaters)は、ブロードウェイの中で3番目の大きさを誇る劇場運営会社で、ブロードウェイ劇場街に位置する主要劇場の内、ユージン・オニール劇場を含む5つの劇場を所有しています。
ユージン・オニールの活躍と功績
ユージン・オニール劇場の名前の由来となったユージン・オニール(Eugene O’Neill)は、20世紀初めに活躍した劇作家で、印刷報道、文学、作曲に与えられる最も権威のあるピューリッツァー賞(Pulitzer Prize)を受賞やノーベル文学賞受賞の名誉を成し遂げた人物です。
また、1920年12月に公開されたユージン・オニールによる戯曲「別物(Diff’rent)」は、上演から1ヶ月後にブロードウェイで上演が決定、
オフ・ブロードウェイからオン・ブロードウェイに進出する作品の先駆者として、劇場名の抜擢されるに至りました。
ユージン・オニール劇場の建築スタイル
ハーバート・クラップによる鉄筋建築
ブロードウェイ劇場街の15個にも及ぶ劇場を手がけた建築家ハーバート・クラップによる建築デザインは、主に高層ビルやマンションの建設時に使用される
鉄骨構造(Steel Frame Construction)を初めてブロードウェイの劇場建築で使用しました。
劇場の内装には、石灰や石膏に砂など繊維類を混合して水で練り合わせた漆喰(plasterwork)と呼ばれる塗装材料を使い、舞台上で動く舞台装置を設置するに伴い、
オペラ・カーテン(Opera Curtain)を舞台枠に設置しました。一般的な劇場の幕が、中央で割れて左右斜め上方に向かって開いて行くのに対し、オペラ・カーテンは、上下左右に開閉可能で演出に合わせた多様な動きをする事が可能な舞台カーテンです。
トニー賞受賞作品の上演会場として
多くのトニー賞受賞作品を輩出してきたユージン・オニール劇場
ユージン・オニール劇場は多くのトニー賞受賞作品を輩出している事でも有名です。1988年公開のミュージカル「M.バタフライ(M. Butterfly)」は、同年のトニー賞授賞式で演劇作品賞を含む3部門で受賞、4部門でノミネートを獲得、2006年12月10日から2009年1月18日公演のミュージカル作品「春のめざめ(Spring Awakening)」では、2007年のトニー賞授賞式にてミュージカル作品賞を含む8部門で受賞、4部門でノミネートを獲得するという偉業を成しています。
2011年03月24日にユージン・オニール劇場で開幕したミュージカル「ザ・ブック・オブ・モルモン(The Book of Mormon)」は、2011年のトニー賞授賞式でミュージカル作品賞を含む6部門で受賞、4部門でノミネートし、今でも大人気のミュージカル作品です。
日本人にはあまりなじみのない”モルモン教”という宗教をテーマにした今作品は、舞台上で繰り広げられる面白おかしいモルモン教に対するギリギリのブラックジョークの連発で観客を楽しませるというアメリカならではのミュージカルで、下品で不謹慎だけど最後にはついつい笑ってしまうユーモアたっぷりのコメディ作品です。
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