ミュージカル ハリー・ポッターと呪いの子(Harry Potter)第二部 チケットと観劇レポート

ミュージカル「ハリー・ポッターと呪いの子」感想

このページは「ハリー・ポッターと呪いの子(Harry Potter and the cursed child)第二部」の観劇レポートで、第一部の続きとなっております。まだ第一部のレビューを読まれていない方は、まずはそちらを読んでからこちらのページを読んでください。あと、このページには(良い意味での)ネタバレも少し含まれますので、要注意です!

※ 2021年度の公演から「ハリーポッターの呪いの子(ブロードウェイ公演)」は1部構成の舞台に変更となりました。こちらの観劇レポートは、2部構成だった時のものです。

舞台 ハリー・ポッターと呪いの子 について

この舞台は、2011年に公開された映画「ハリー・ポッターと死の秘宝」の続編に位置付けられています。
「ブロードウェイで公演中のハリーポッター」と聞いて、NY名物の「ミュージカル」と思われる方がおられるかもしれませんが、この作品はミュージカルでなくプレイ(劇)となります。2016年6月に本国イギリスにて初公演された後、2018年からブロードウェイ公演が開始しています。

2018年トニー賞で6部門を受賞した舞台

ハリー・ポッターと呪いの子は、本国イギリスでも最高峰と言われるローレンス・オリヴィエ賞を含む数々の賞を受賞していましたが、ブロードウェイ公演でも2018年の第72回トニー賞にて、10部門にノミネートし、演劇作品賞を含む6部門を受賞するという快挙を達成したブロードウェイ・プレイです。

ミュージカルではなく、トニー賞でプレイ(演劇)がここまで大きく評価されたのは非常に珍しく、しばらく完売連日が続き、チケット料金は$1,000を超えるプレミア値となる時期が続きました。

ミュージカル「ハリー・ポッターと呪いの子」のご観劇を少しでも考えている方は、詳細ページにて、本作品のあらすじ、登場人物、見どころなどを是非チェックしてみて下さい!

ハリーポッターの劇場で座席を徹底比較

昨日の第一部を見に来た時も、かなり散策したのですが、今回は各階の座席の雰囲気と、それぞれの見え方を撮影してきたのでご紹介します。

結論から言うと、ハリーポッターを見るにあたって、2階ドレスサークルの最前列~3列目くらいが一番見やすいかもしれません。

リリックシアターの座席の特徴

1階オーケストラ席はとても傾斜が緩やかで、前の人の頭が気になります。
2階ドレスサークル席と3階バルコニー席は、傾斜が急なので、前の人は気になりませんが、2階席の時点でかなり高さがあるので、ステージからはかなり距離を感じてしまします。ただし、1階席では味わえない演出が第二部ではあるので、2~3階席で見たらある部分でとても得をするはず!

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リリックシアター 各階座席からの見え方

1階席は、他の劇場に比べて、壁寄りでも端に座っている感じがしないので、その点はラッキー。ただし、前の人が大きい人だと、視界をかなり遮られてしまいます。この劇場は非常に天井が高い事でも有名ですが、さすがに3階バルコニー席からだと、ステージを見た時に、かなり見下ろす感じになってしまいます。

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座席から飲食物を注文できる

なんと、リリックシアターでは、座席に座りながらリフレッシュメント(スナックや飲み物)を注文できるのです!まるでヤンキースタジアムの1階VIP席のような感じで感動してしまいました。

リフレッシュメントのメニュー表
1階オーケストラ席に座ると、前の座席の背もたれの中に、小さな紙が入っているので、中を見るとメニュー表でした。現金またはクレジットカードでお支払いが可能です。ワイン($13)、カクテル($16)、ビール($9~)、コーヒー、お水など、一通りの飲み物が揃っており、お菓子はポップコーン($10)、チョコレート($6)、クッキー($5)など、劇場ロビーの売店で販売されているものと同じ商品が販売されています。

野球のスタジアムみたいにドリンクホルダーが座席にないので、観劇中ずっと飲み物を手に持っておかないといけないので、そこは考えた方が良さそうです。
座席まで注文を聞きに来てくれる劇場スタッフ
手を上げて、このメニューをパタパタと振っているお姉さんが自分の隣のお客さんのところに来て注文を取っているのを見かけました。その場でスマホみたいな端末に注文を入れて、そのままカードで決済。5分ほどしたら別のスタッフが飲み物と食べ物が入った紙袋を持って来ました。この大きな劇場でなかなかのサービス対応。リリック劇場恐るべし。

係員の人におすすめを聞いてみたところ、この劇場限定の「リリック・コンボ(サンドイッチとお水のセット)」との事で、アメリカらしいと思いました。

ハリー・ポッター第二部の座席は第一部(昨日)と同じ

あっとブロードウェイでは、「ハリー・ポッターと呪いの子」のチケットは第一部と第二部のセットで販売されています。 基本的に、第一部と第二部をまとめて購入する場合、同じ座席に座る事になります

チケット券面 ORCHL R 9 の見方:

前から16列目の席は2階席に覆われた位置
OrchestraLeft = 1階オーケストラ席 左側
R列(前から16列目)のシート番号9(通路から5番目)

ハリー・ポッターと呪いの子のキャストは全員神対応だった

第1部では舞台後のファンサービスがない事は前回のレポートで説明しましたが、今回の第2部の終演後のみファンサービスあり!という事で、43丁目側の玄関を出て左にバリケードが並んでいる場所まで、カーテンコールの途中で劇場を出て走りました。

公演終了後に出待ちで並ぶファンの人たち
カーテンコールの途中で抜け出した事もあり、バリケード最前列を陣取る事に成功しましたが、あれよあれよという間に出待ちファンがびっしり並びました。おそらく、自分が陣取ってから10分も立たない内に、50人以上の人が駆けつけていたと思われます。最近の出待ち経験に比べて、かなり若いファンの人が並んでいた印象です。

待つことたったの15分、すぐにメインキャストが出てきて、びっくり。 他のミュージカルでは、アンサンブル(脇役ダンサー)が先に出てくるのが通常ですが、この日はいきなり主要登場人物であるロン役のパトリック・レイニーが出てきました。

ハリー・ポッターの出演者はとにかく優しい

この舞台のキャストは、ブロードウェイで一番ファンサービスが丁寧でした。
何と言っても、一人ひとりに接する時間が長い!「どこから来たの?」「印象に残ったシーンは?」「どのキャラが好き?ここに呼んであげようか?」など、社交辞令で言ってる様なそぶりが全くありませんでした。

大人になったドラコ・マルフォイ役のジョノは、まるでコメディアンのようにサイン待ちのファンをイジり倒して、笑顔で写真に応じてくれます(彼は全て変顔で撮っていました)。ハリー・ポッター役のジェームスは、舞台では黒い髪の毛のカツラをかぶっていたようで、出てくると自前の金髪をなびかせており、いかにもイケメン白人俳優、という感じでした。舞台上の演技でも、彼の渋くて深い声がかっこ良いと思ったのですが、目の前で話している時もそのままの声だったので、感動しました。

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ハリー・ポッターのキャストは一緒に写真を撮ってくれる

出待ちの対応は、本当にキャストによって様々ですが、ハリーポッターのキャストは全員がめちゃくちゃ良い人でした。
サインはもちろん、一人ひとりに挨拶、会話をしてくれて、一緒に写真を撮ってくれていました。ファンにとってキャストと一緒に記念撮影ができるのは夢のような事なのですが、写真を一人が撮りだすと相当な時間がかかってしまう事から、写真NGの俳優さんもいたりします。
しかし、今日はラッキーなのか、ハリーポッターが素敵すぎなのか、写真を断っているキャストはゼロ!まさに神対応でした。

私の隣に立っていた役者志望の男性は、オーディションに受かるためのアドバイスをキャスト全員に聞いていましたが、みんながそれぞれアドバイスをしてくれていました。横で聞いている限り、共通して「絶対に諦めないで、どこかに引っかかるまで絶対にオーディションは受け続けて」という事を言われていたので、やはりブロードウェイは狭き門なのだと思いました。

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ハリー・ポッターと呪いの子|感想まとめ

イギリス英語がハリーポッター感をアップさせる

アメリカ・ブロードウェイ公演でもイギリス英語で通すのが舞台ハリーポッター。
ハリウッド俳優でもイギリス人役をする時は、ブリティッシュ英語(クイーンズ・イングリッシュ)に切り替えて演じているのを見ると、すごいなぁと思うのですが、それでも今回見たアルビス・ポッター(ハリーポッターの息子)役のニコラスは完璧と言わんばかりのイギリス英語で演技をしていました。

彼こそイギリス出身かと思いきや、プロフィールにアメリカ出身と書いてあったのでビックリ!舞台が終わった後に、彼に質問するチャンスがあったので「どうしてそんなに自然なイギリス英語が話せるの?クイーンズ・イングリッシュで演技をするレッスンとかを受けたの?」と質問してみました。

とても気さくで1人1人に丁寧に声をかけていた本作の主人公:アルバス・ポッター役のニコラス・ポダニー
ニコラスは笑顔で「いや、僕の場合はちょっとズルいんだけど、お母さんがイギリス出身で、お母さんに話す時はクイーンズ・イングリッシュ、お父さんに話すときはアメリカ・イングリッシュ、という感じで切り替えて育ったんだ」と教えてくれました。

ちなみに、ニコラスは、6歳の時にハリーポッターの映画を見てドハマリしたらしく、役者を志すきっかけにもなったそう。そんな彼がハリーポッターの息子役を得たという事で、オーディションに合格した時は、人生で一番最高の日だった、とも教えてくれました。

舞台化に費やしたお金6,800万ドル(約73億円)は伊達じゃない

「ハリー・ポッターと呪いの子」をブロードウェイで実現させるためには、とんでもないお金が動いているのを後で知りましたが、劇場改装費で3,500万ドル(約38億円)制作費で3,300万ドル(約35億円)の投資が必要だったという事です。

三次元に移動する階段
大手配給会社ユニバーサルが14億円ものお金を投資して大ヒットになった「ウィキッド」のはるか上をいくハリーポッターの投資額(約73億円)ですが、それは劇場に一歩入るだけで感じるものがありました。

劇場の外壁や彫刻、スタッフの制服、物販コーナーの作り、など全てが完全にハリーポッターの世界になっています。アメリカではなくイギリスらしい気品が、既に外観から感じられるのはとてもすごいことだと思います。
ネタバレになりすぎない程度に説明すると、ずっと見つめている舞台セットからいきなり何かが浮き上がったり、とんでもない仕掛けだらけです。

第1部と第2部を見比べた結果

現在のブロードウェイで唯一の「二部構成」となっているハリー・ポッターですが、中途半端にしかストーリーを知らない私は、見に行く前はかなり足取りが重かったです。ハズレ作品だったら、第2部は行かないからね、とまで言っていた私ですが、第1部を見た結果、早く明日になれ、と思うくらいハマりました。

すべてを見終わった時に感じたのは、これは一部だけだったらここまでの濃いストーリー展開が表現できないだろうな、と納得しました。逆に一部だけに簡潔にまとめた内容でなくて本当に良かったと思いました。

そんな第一部と第二部では、物語の展開具合も違えば、見ている者に伝わってくる内容も異なりました。
第1部では、この舞台のとんでもない演出(火が出たり、魔法が飛んできたり、客席にデス・イーターが飛んで来たり、舞台上の人が違う人に入れ替わったり…。開いた口が塞がらない状態が連続しましたが、第二部では、そういった派手な演出にも目が少し慣れてきて、少し冷静になって物語の中身にもっと集中する事ができました。(ネタバレすみません)

最後のカーテンコール
第2部では、キャラクターの心境変化がとても細かく表現されていました。劇なので、ミュージカルのように感情を歌で表現する事がありません。言い換えれば、歌でごまかす事ができないので、シリアスな場面はBGMも何もない、静寂の中で迫真の演技が続きました。

ハリーとアルバスの親子喧嘩のシーンや、大切な人が奪われるシーンなど、本当にこれを毎日演じているのか、と思うほど、怒り狂って怒鳴り散らす場面や心の外から悲しんで泣いている場面など、迫真の演技が続きました。この第2部の終盤で、ハリーの暗い過去を目の前で見る事になるのですが、こちらは不覚にも思わず泣いてしまいました。完全に静まり返った劇場の中で、あんな姿を目の前で見せられたら、誰でも泣くでしょう、という感じです。

英語が苦手な人にとって「すべて英語セリフの劇」はキツい

久しぶりにミュージカル(今回は劇ですが)を見た後に、スタッフと飲みに出かけました。 リリックシアターの1つ南、42丁目の大通り沿いにある「Applebee’s Bar and Grill」というバー・レストランに行く事にしました。良い作品を見た後に飲むビールは最高でした。

42丁目にあるアメリカンレストラン「アップルビーズ(Applebee's)のバーカウンター
ここで熱く語ったのが、この素晴らしい劇の良さが、日本から来る人に言葉の壁を越えてどこまで伝わるのか、という事でした。正直言って、映画のハリーポッター・シリーズを見ていなければ、登場人物の関係が分からないので、かなりハードルが高くなる事は確実です。さらに「英語が理解できない…」となると、どうなるか…。

この劇では、「ミニストリー(Ministry)は魔法省という魔法の世界を管轄する組織」、「魔法の薬品で何と何を混ぜると化学反応で文字が浮き出るようになる」など、日本語字幕があってもちょっと首をかしげてしまうような、ハリーポッターならではの専門用語が出てきたりと、かなりハードルが高くなっています。

英語が苦手な人にもこの劇は絶対見てもらいたい

英語が苦手な方は、おそらく第一部の前半の途中休憩を待たずに睡魔に襲われる事でしょう。
実際、初日の途中休憩で帰って行ったアジア人を何組か見かけました(もったいない…とても悲しい…でも仕方ないかもしれない)。

色々考えていると、スタッフ水木と2人で黙り込んでしまったのですが、これはある程度ネタバラシになっても、物語のキーポイントを事前に頭に入れる他ない、という結論に至りました。
というのも、第一部の後半からストーリーが一気に展開して、めちゃくちゃ面白くなるからです。それまでに頭に入れておくべき事が入っていれば、迷子になる事なく楽しめるはず!そう思った僕たち2人は42丁目通りを歩きながら、アイデアをまとめました。

42丁目の大通りが珍しく一時封鎖
繰り返しになりますが、ミュージカルと違って、歌って踊る場面がないので、ひたすら英語のセリフでストーリーが展開されていきます。しかも、この舞台は、登場人物が全員(老人以外)結構な早口です。キーポイントとなる話や、キャラクターの関係なども容赦なく英語でどんどん進んでいきます。

自分はある程度英語は理解できていると思っていましたが、思い返すと、ちょっと迷子になった場面が何箇所かありました。全然理解できないと「ちょっと待った、今何が起こったの?なんで隣のお客さんが息を呑んで深刻な顔をしてるの?」なんて事になりかねません。

ブロードウェイでハリーポッターを見る前にココを読んで!

という事で、ネタバレ覚悟でも、この最高の舞台を楽しんで頂くために、事前に知っておくべき情報、当日のセリフが理解できなくても理解できるコツ(秘訣)などをまとめましたので、是非読んでいただきたいと思います。シリーズ全作を読んだ、映画を全て見た、という方にも読んでいただきたいと思います。

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