マッキトリックホテルの基本情報
マッキトリックホテル(The McKittrick Hotel)の最寄駅、座席表などの基本情報です。
住所 : | 530 W 27th St, New York, NY 10001(地図) 27ストリート沿い、10番街と11番街の間 |
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創設 : | 1939年 |
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マッキトリックホテルの行き方・アクセス
マッキトリックホテルへの行き方は、駅から離れた場所にあるためタクシー、専用車が一般的です。
地下鉄やバスで行くこともできますが、夜遅くなると道が暗いのでお気を付けください。
姉妹サイト、あっとニューヨークの専用車送迎サービスもぜひご利用下さい。
地下鉄の最寄駅 :
路線の「23st」駅から徒歩20分ほど
マッキトリックホテルの地図
以下は、マッキトリックホテル(The McKittrick Hotel)の地図です。
マッキトリックホテルの歴史
かつてオープン前に閉業した高級ホテル
マッキトリックホテル(The McKittrick Hotel)は、1939年に、当時のニューヨークで最も華やかでラグジュアリーなホテルとして、チェルシー地区に完成しました。当時の名のある実業家や富裕層を客層の視野に入れて建築された事もあり、多くのメディアから期待をされていました。
しかし、1939年にポーランド侵攻によって第二次世界大戦が勃発し、株価の暴落と共に、世界恐慌後の回復を辿っていたアメリカ経済に歯止めがかかりました。その煽りを受けたマッキトリックホテルは、予約キャンセルが激増し、経営不振に陥いったため、開業予定の6週間前に閉鎖する事になります。結果的に約100万ドル(当時で約500万円)以上の借金を抱えたマッキトリックホテルは、その後永久に開業することはありませんでした。
長年放置されていたマッキトリック ホテル
閉業後のマッキトリックホテルは、売却されるもなかなか買い手が見つからず、廃墟ホテルとして長年放置されていました。
1950年代には、マッキトリックホテルを再オープンしようと試みますが、開業どころか再構築もされず公共の場に現れることはありませんでした。1960年台~1970年台には、一時的に商用のオフィススペースとして使用されます。
この当時のチェルシー(Chelsea)地区は、工場が盛んな街として産業の中心地でしたが、マッキトリックホテルは、建物自体が狭い路地に面しているため、立地的に産業には不向きと言われ、1978年以降は、再び廃墟としてニューヨークから存在を消しました。
マッキトリックホテルのリニューアル
マッキトリックホテルを復活させた「スリープノーモア」
長い閉鎖期間を経て、ホテル完成から約73年後の2014年に、オフ・ブロードウェイ「スリープ・ノー・モア(sleep no more)」の会場としてThe McKittrick Hotelは利用されることになります。スリープノーモアは、シェイクスピアの「マクベス」の物語を基に、マッキトリックホテル館内を自分の足で周りながら、舞台となる殺人から恋愛まで様々なシーンの演技を間近で見ることができる新感覚の体感ミュージカルです。
会場はシアター式の劇場ではなく、当時の内装をそのまま残したチェルシーの廃ホテルそのものが会場となった今までにないエンターテイメント兼お化け屋敷です。 尚、観客は全員スリープノーモア専用の仮面(アノニマス(見えざる者))が義務付けられています。
スリープノーモアの基となる戯曲「マクベス(Macbeth)」は、1606年頃の書かれたシェイクスピア作品の四大悲劇の1つの最後の作品として知られています。物語の内容は、実在したスコットランド王マクベス(在位1040年~1057年)をモデルにしており、勇猛果敢で小心な主人公マクベスは、妻と謀って主君を暗殺し王位に就きます。
しかし重圧に耐えきれず暴政を行った結果、貴族や王子らの復讐されてしまう物語です。また、1958年に公開されたアルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock’s)監督によるアメリカ映画 「Vertigo(めまい)」をモデルとしており、サスペンスの神様と呼ばれた監督アルフレッド・ヒッチコックの作品の中でも、妖艶でかつ芸術性も高い傑作いわれているミステリーサスペンス作品です。
スリープ・ノー・モアの会場探しは約3年を要した
スリープノーモアの制作会社は、ロンドンを起点として活動をしているパンチドランク(Punchdrunk)とスリープノーモア制作のために作れた劇団エマーシブ(Emursive)の共同制作によるものです。当時、制作チームは、スリープノーモアの約1930年代のホテルを舞台設定と、ヒッチコック監督による独特の当時の時代背景や衣装、繊細な心理描写を上手く映し出す最適な雰囲気の会場を見つけ出すことに苦戦していました。
そこに、廃墟化していたマッキトリックホテルを見つけ出したのは、劇団エマーシブの一員である舞台プロデューサーのサージョナサン・ホックワルド(Jonathan Hochwald)と劇作家ランディー・ウェイナー(Randy Weiner)です。彼らは、シアター式の劇場ではなく、会場全体を歩き回って体験するための十分な広さの会場、そしてニューヨークで今までにない演劇を受け入れてくれるビルのオーナーを探し出すのに多大なる歳月を費やし、ついに制作開始から約3年後に、舞台となるこの場所マッキトリック ホテルを見つけ出しました。
後にホックワルドとウェイナーは、ニューヨークで展開する世界的な経済誌(Forbes)のインタビューで、「スリープノーモアで一躍に世に出た私たち劇団エマーシブは、最低限の費用で劇場を見つけ出したかったため、当時知り合いの不動産や友人、家族に情報を聞き歩き、この廃墟化していたこのマッキトリック ホテルまで辿り着いたんだ」と述べています。
スリープノーモアの会場用に100部屋全てを改装
スリープノーモアの会場をデザインしたのは、オビー賞特別賞デザイン部門受賞者の舞台美術デザイナー:リビ・ヴォーン(Livi Vaughan)とベアトリス・ミンズ(Beatrice Minns)です。彼女らは、6階からなるマッキトリックホテルの約100部屋全ての部屋を、スリープノーモアの会場となるようデザインしました。
大掛かりな改装はしておらず、マッキトリックホテルが本来の目的として建築された当時のままのホテル内装を残しつつ、小道具のみで舞台の雰囲気を作り上げました。
中でも、スリープノーモアの原作「マクベス」に登場する舞台会場の1つでもある魔女ヘカテー(Hecate)の薬剤部屋は、小道具を含めた細部に渡るまでこだわって作られた、スリープノーモアの世界観が漂う空間となっており、見どころの1つとなっています。
5階に位置する魔女ヘカテーの薬剤部屋(Hecate’s Apothecary room) (1) 壁に飾られた図面:毒を作るための作成図。
(2) 鳥かご: いけにえの動物の内臓によって占いを行うため。
(3) ドライフラワー: ゲッケイジュやパセリも毒を作るのに最適なため。
(4)ドレスフォーム(衣服の型紙を作るための人台): 呪いをかけると言われているドレスを置くため。
(5) 机の上のくし: 人の髪の毛や爪を集めるため。
(6) ロープ: 天井に吊り下がっているロープが魔女のシンボルマーク「ペンタグラム(五角の星型)」を表している。
オビー賞(Off-Broadway Theater Awards)とは
オービー賞(Obie Award)とは、オフ・ブロードウェイ(Off-Broadway Theater Awards)の略で、その年にニューヨークで上演されたオフ・ブロードウェイとオフ・オフ・ブロードウェイ作品を対象とする賞です。
正式名称はザ・ビレッジボイス・オフ・ブロードウェイアワード(The Village Voice off-Broadway Award)で、語源は、Off Broadway の省略形「OB(オービー)」の発音のつづりから来ています。受賞内容は、トニー賞と異なり、オビー賞はノミネートの発表と特定の部門が存在せず、各部門に複数の受賞者やまた、特定の作品に属さず優秀な仕事内容を評価されて受賞する場合もあります。
現在のマッキトリックホテル
マッキトリックホテルの3つのコンセプト
現在スリープノーモアが行われているマッキトリックホテルは、大きさ約 100,000 square foot(約9290.304m2)で、スリープノーモア会場を含めその他2つのバーを営業をしています。
ちなみに、100,000 square feetという広さは、日本で約3000坪に相当し、日本初の温泉ブランドとして全国13ヶ所の温泉地に展開している「星野リゾート」の界ブランドの1つ「星野リゾート 界 日光」と同様の広さとなります。19世紀から存在するホテルだからこそ、ニューヨークという物価が高い土地でも広大な面積を所有し続けています。
マッキトリックホテル&スリープノーモア
スリープノーモアのメインとなる会場です。座席は存在せず、ホテル館内を自分たちの足で回りながら体験する、日本未上陸の新感覚体験型シアターです。
ザ・ヘルス&ガロウ・グリーン
ザ・ヘルス&ガロウ・グリーン(the health & Gallow Green)は、マッキトリックホテル唯一のルーフトップバー。緑を貴重としたこのレストランでは、開放式の座席にテーブルや椅子の素材は木造復元された木材を使用しています。ブランチから夕食まではお食事を、夜はルーフトップバーでお酒をお楽しみいただけます。
マンダレイ・バー
マンダレイ・バー(Manderley Bar)は、マッキトリックホテル内にあるジャズ・バー。建築当時の1930年代のホテルをイメージした雰囲気です。ジャズだけではなく、ライブミュージックとしても使用されており、お酒やお食事を楽しむことのできます。
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