新着レポ:ブロードウェイミュージカル「マイ フェア レディ」My Fair Lady

「マイ フェア レディ」My Fair Lady

1956年にミュージカル初演、1964年にオードリーヘップバーンが主演で映画化されたことでも有名な「マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)」がリバイバル作品として2019年1月6日までの期間限定公演として半世紀ぶりにブロードウェイに復活します。 第11回(1957年)トニー賞でミュージカル作品賞を含む6部門を受賞、ブロードウェイの初演以来2,717回というロングラン記録を達成しするという快挙を達成した名作のリバイバル公演という事だけあって、多くの注目を浴びています。

公演開始まで残り1ヶ月を切った今、公演予定となっているビビアン・ビューモント劇場(Vivian Beaumont Theater)にて新しいキャストによる本格的なリハーサルが始まりました。観劇前にこれまでのマイ・フェア・レディの成り立ちについて少し調べていきましょう。

マイ・フェア・レディのリバイバル作品化が実現するまで

My Fair Ladyの原作はバーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」

今作品は1912年にジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)が制作した戯曲「ピグマリオン(Pygmalion)」が基になっています。1913年のウィーン公演にて初めて舞台化された後、名女優パトリック・キャンベルが主演を務めたロンドン公演では大きな反響を呼び、バーナード・ショーと作品の知名度が一気に上がりました。1938年にはアンソニー・アスキス監督により初めての映画化が実現し、相次いでミュージカル化の話が出たものの、バーナードが否定的な態度を示していたため、彼が亡くなるまではミュージカル化が実現せずにいました。 マイ・フェア・レディのあらすじについてはこちらで紹介していますのでご覧ください。

1956年にブロードウェイミュージカル「My Fair Lady」が公演される

バーナードの死後から5年半が過ぎた1956年3月15日に、ブロードウェイのマーク・ヘリンジャー劇場(Mark Hellinger Theatre:現在のハリウッド劇場)にて初演が行われました。作詞・脚本をアラン・ジェイ・ラーナー(Alan Jay Lerner)、作曲をフレデリック・ロウ(Frederick Loewe)が手がけ、当時名の知れた2人が制作に関わった事により、この初公演は「Lerner & Loewe’s My Fair Lady」とも呼ばれます。イライザ役はジュリー・アンドリュース、ヒギンズ役にはレックス・ハリスンを抜擢した結果、前述したトニー賞受賞に至ります。

こちらの動画では当時のリハーサル映像がご覧いただけます。

1964年の映画化でアカデミー賞を受賞

マイ・フェア・レディは、トニー賞受賞を経てから映画化された作品としても知られていますが、その映画がアカデミー賞受賞に至った事は知るひとぞ知る話しです。ブロードウェイミュージカル版がヒットしたことで、ワーナー・ブラザーズの設立者であるジャック・ワーナー(Jack L. Warner)が映画化する権利を650万ドル(当時のレートで約2,340億円 ※360円/ドル)で買い取り、商業的に成功させるためにミュージカル版の主役(ジュリー・アンドリュース)ではなく、当時の大スターであるオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)を抜擢しました。 これが大きく当たり、第36回アカデミー賞12部門にノミネート、8部門を受賞し、興行収入:7,204万ドル(当時のレートで約259億円)という記録となりました。

こちらの動画では当時の予告編がご覧いただけます。

60年ぶりにブロードウェイに戻るマイ・フェア・レディ

約60年振りにブロードウェイの舞台に再登場し、ビビアン ビューモント劇場(Vivian Beaumont Theater)にて公演が決まりました。今回のリバイバル作品の音楽を手掛けるは、ブロードウェイミュージカル初公演時に手がけたフレデリック・ロウ(作曲)とアラン・ジェイ・ラーナー(作詞)となります。

演出を担当するのは、過去に「南太平洋(South Pacific)」や「王様と私(The King and I)」などでミュージカル演出賞及び演劇演出賞の計7回のトニー賞受賞経験のある演出家バートレット・シェール(Bartlett Sher)です。ちなみに上記2作品はいずれもビビアン ビューモント劇場(Vivian Beaumont Theater)にてリバイバル公演されて人気を博したことで知られ、今回のマイ・フェア・レディが同劇場でリバイバル公演となる事から大きな期待がもたれています。

舞台ではトニー賞、映画ではアカデミー賞を受賞した世界的大ヒット作品が、オリジナル音楽そして大ベテラン演出家によりどのように生まれ変わるのか期待しましょう。

ミュージカル版「マイ・フェア・レディ」の裏話

タイトル「My Fair Lady」の意味

My Fair Ladyの題名は、「我が美しき貴婦人」という意味ですが、元々はMayfair Ladyから由来しています。主人公イライザのコックニー訛り(イライザが住むロンドンのイーストエンド周辺の労働者の人々が使う、独特の話し方、強い訛り)でMayfair Ladyの発音すると「マイ・フェア・レディ」になるという言葉遊びが含まれています。ちなみに「Mayfiar(メイフェア)」は、今日では高級店舗がならぶロンドンの地区として有名です。

ミュージカル版の結末が異なる

原作であるバーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」をもとに作られたマイ・フェア・レディの結末は、作詞・脚本を手掛けたアラン・ジェイ・ラーナーにより変更されています。ネタバレを避けるため、詳しくは劇場にてお楽しみください。

主演ジュリー・アンドリュース(Julie Andrews)のギャラ

1956年に初演が行われるにあたり、キャストが決定する前に「出演する女優には100万ドル(当時のレートで約3億6000万円)のギャラが支払われる」と公表されていました。 主演を務めたジュリー・アンドリュースはその額を受け取ったとされています。

My Fair Lady 最新キャスト情報

今回のリバイバル作品に大抜擢されたキャスト人をピックアップ!

イライザ・ドゥーリトル(Eliza Doolittle)役:ローレン・アンブローズ Lauren Ambrose

イライザ・ドゥーリトル(Eliza Doolittle)役:ローレン・アンブローズ Lauren Ambrose
明るい赤毛が特徴的なイタリア系アメリカ人女優及び歌手です。 彼女の役者人生はオフブロードウェイで開始し、次いでテレビシリーズドラマの「Law & Order」へ脇役で出演しました。1998年に映画「In & Out」、2001年から2005年まではテレビシリーズ「Six Feet Under」で出演し2002年、2003年にそれぞれエミー賞最優秀助演賞を受賞しています。2006年にリンカーンセンターで行われたミュージカル「Awake and Sing!」でブロードウェイデビューを飾り、2007年にはロミオとジュリエットでジュリエット役を演じました。

2012年に「ファニー・ガール」のリバイバル公演が予定され、今回演出を手掛けるバートレット・シェールとタッグを組む予定でしたが公演には至らずとなりましたが、今回の「マイ・フェア・レディ」で実現する形となりました。また、現在公演されている人気ドラマシリーズの「The X-Files」でも捜査官役で出演しています。

ヘンリー・ヒギンズ(Henry Higgins)役:ハリー・ハーデン・ペイトン Harry Hadden-Paton

ヘンリー・ヒギンズ(Henry Higgins)役:ハリー・ハーデン・ペイトン Harry Hadden-Paton
1981年生まれのイギリス人俳優。 イギリスの舞台や映像作品で活躍中ですが、今回がアメリカでの初舞台になります。 彼のもっとも有名な出演作品はイギリスの歴史時代劇「ダウントン・アビー(Downton Abbey)」で、数々のテレビに出演しており、最近では2016年ネットフリックスのドラマシリーズ「ザ・クラウン(The Crown)」でイギリス女王エリザベス2世時代の秘書官のマーティン・チャータリス役を演じました。

ミセス・ヒギンズ(Mrs. Higgins)役:ダイアナ・リグ Diana Rigg

ミセス・ヒギンズ(Mrs. Higgins)役:ダイアナ・リグ Diana Rigg イングランド・サウス・ヨークシャー州ドンカスター出身の英国女優。 ロンドンの王立演劇学校(Royal Academy of Dramatic Art)で演技を学び、1955年に舞台デビューを飾りました。1969年には007シリーズ「女王陛下の007」のボンドガールとして出演、1994年、舞台「メデイア(Medea)」で第48回トニー賞主演女優賞を受賞しました。

最近では大人気のドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)」で、ずる賢く毒舌のオレナ・レッドワイン(Olenna Redwyne)を演じたことで有名です。

上記3名の主演キャスト人が舞台裏で語る「マイ・フェア・レディ」の様子を少し覗いてみましょう!

My Fair Ladyの公演会場:Vivian Beaumont Theatre

ビビアン ビューモント劇場 ビビアン ビューモント劇場は、タイムズ・スクエアのブロードウェイ劇場街(Theater District)からは少し離れて位置するリンカーン・センター(Lincoln Center for the Performing Arts)の総合施設の1つとして、約9.6億ドル(当時のレートで約3456億円 ※360円/ドル)を掛けて建築されました。この劇場は「South Pacific」や渡辺謙主演のミュージカル「The King and I」などリバイバル作品公演を行った事で知られています。

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