ミュージカル「オペラ座の怪人」の見どころ徹底解析

ミュージカル「オペラ座の怪人」の見どころ徹底解析

ブロードウェイ初演から1988年初演の超ロングラン・ミュージカル「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)」。なぜこんなにも多くの人に愛され続けるのか。ミュージカルの王道「オペラ座の怪人」の良さについて徹底的に迫りたいと思います。

1988年から長く愛される「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)」

ミュージカル「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)」 1911年にフランスで出版されたガストン・ルルー(Gaston Leroux)による小説を原作に、天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー(Andrew Lloyd Webber)と奇才監督ハロルド・プリンス(Harold Prince)によってミュージカル化された作品です。現在も公演が行われているマジェスティック劇場で1988年1月より上演が開始され、同年のトニー賞でミュージカル作品賞を含む7部門で受賞、3部門でノミネートする快挙を成し遂げました。

ミュージカル「オペラ座の怪人」が超ロングラン作品になった理由

ミュージカル「オペラ座の怪人」の原作ガストン・ルルーによる小説の物語は、1905年時代のパリまで遡ります。古くから知られる小説の初のミュージカル舞台は、1986年10月9日公開のロンドン・ウエストエンド「ハー・マジェスティーズ劇場」から公演が開始しました。

ロンドンでは「レ・ミゼラブル」に次ぐミュージカル史上第2位、2年後の1988年に開幕したブロードウェイ「オペラ座の怪人」では、史上最長ロングラン公演記録の快挙を現在も更新していますが、なぜ現在でも多くの人に愛され続けるのか。実際に作品の何が魅力的なのか。ここでは分かりやすく説明したいと思います。

悲しくも切ないストーリーが良い

醜い容姿で迫害をされ劇場(オペラ座)の地下に棲み着くオペラ座の怪人と歌姫クリスティーヌの悲恋を描いたミュージカル「オペラ座の怪人」は、愛するクリスティーヌを自分の側に置いておきたいがために彼女を連れ去り、仮面を被り自分を偽るオペラ座の怪人の虚構と現実が入り交じり、かつ華麗で重厚な怪奇ロマンを描いています。

そんな物語を見事舞台化に成功させた天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー(Andrew Lloyd Webber)がその喜怒哀楽を完全に楽曲で表現しており、多くの人の心に悲しくも美しさを残しました。

舞台の仕掛けとビジュアルが凄い

地上のオペラ座で行われる舞台の様子 この作品は、シーンごとの素早い舞台展開、遠近法の使い方、細部までこだわった装置でオペラ座の怪人の世界観を再現しました。例えば、パリオペラ座で行われる華やかなオペラ舞台を舞台上に再現したと思えば、一瞬にしてオペラ座の怪人が棲む暗闇の地下へと舞台が切り替わります。

地下道の雰囲気をより一層演出するスモークやオペラ座の演劇を再現した羅びやかな舞台装飾など、物語に沿ってどんどん展開していく舞台演出は、1988年に作られたミュージカルとは思えない舞台設計で観客全員をオペラ座の怪人の世界へと引きずり込みます。

オペラ座の怪人のミュージカル化決定秘話が凄い

本作の楽曲・脚本を担当し、ミュージカル「オペラ座の怪人」制作の第一人者であるアンドリュー・ロイド=ウェバーは、20世紀のミュージカルを作り上げた人物といっても過言ではありません。

ミュージカル音楽の寵児も呼ばれる彼は、「キャッツ」「スターライト・エクスプレス」など数々の大ヒットミュージカルを制作したのち、1984年にオペラ座の怪人の制作に踏み込みました。

当初、1925年と1943年公開の映画「オペラ座の怪人」を見た彼は、舞台化への想像ができずにいましたが、ニューヨークの古本屋でたまたま原作の小説を発見し、ミュージカル化へのインスピレーションが浮かんだそうです。

のちに彼は「当時私は、この仕事を始めてからずっとやりたかった、壮大なロマンティック・ストーリーを書こうとしていたが作品に行き詰っていた。そしてオペラ座の怪人がそこにあったのだ。」と述べています。

耳に残る名曲「Music of the Night」が凄い

アンドリュー・ロイド=ウェバーが作り出したオペラ座の怪人の楽曲は、1976年に劇作家ケン・ヒルによって制作された「オペラ座の怪人」とモーツァルトの曲から着想を得て、グランド・オペラと呼ばれるオペラ曲調に仕上げました。また、完全なオペラ曲になりきらないよう、ミュージカルならではの言い回しでセリフを混ぜ込み、新しいスタイルのミュージカル楽曲作りに成功しました。

ミュ-ジック・オブ・ザ・ナイト(Music Of The Night)を歌うオペラ座の怪人とクリスティーヌ オペラ座の怪人の代表曲「ミュ-ジック・オブ・ザ・ナイト(Music Of The Night)」は、オペラ座の怪人がクリスティーヌへの想いを歌うバラード曲となりますが、オペラ座の怪人が叶わぬ恋を願い、悲しく切ない気持ちにかすかな希望を乗せて美しいメロディーラインで聴く人の心を響かせます。こちらの画像のように、怪人とクリスティーヌが触れ合うシーンは、まさにオペラ座の怪人が”ミュ-ジック・オブ・ザ・ナイト”をクリスティーヌの前で歌う場面となりますが、地下に連れ去られ不安がっていたクリスティーヌが、徐々にオペラ座の怪人の美しい歌声に惹かれ、心を開いていき、まるで恋人のような雰囲気を作り出しています。

観劇前にココだけ聴いてからオペラ座の怪人の観よう

ミュージカルオペラ座の怪人の代表曲「Music of the Night」は、是非、観劇前に聴いてほしいと思います。 以下にて動画と、その歌詞を一部ご紹介します。

Let your mind start a journey to a strange new world.Leave all thoughts of the life you knew before.
新しい道の世界へ 2人で旅立とう

Let your soul take you where you long to be.Only then can you belong to me
心赴くまま 君は私のもの

Floating, falling, sweet intoxication.Touch me, trust me, savor each sensation.
私にゆだねてほしい 私に触れてほしい

Let the dream begin, let your darker side give in.To the power of the music that I write.
闇を治める私の力に 私の音楽に

The power of the music of the night
夜の調べの中で

20世紀のミュージカルを代表する完璧な舞台美術

本作品の演出を担当したのは「ウエスト・サイド・ストーリー」「キャバレー」などを制作し、過去に21回トニー賞にノミネート経験のあるハロルド・プリンス(Harold Prince)、衣装担当は、本作品でトニー賞衣装デザイン賞を受賞したマリア・ビヨルンソン(Maria Bjornson)です。

完全なる舞台美術として称賛されている彼ら2人による演出とデザインは、華麗で神秘的かつ重厚に形容されています。

例えば、劇場内のシャンデリアや地下の広大な奈落は、原作の舞台となった実際のパリのオペラ座「ガルニエ宮(Palais Garnier)」をモチーフにし、徹底した華美な装飾と演出の荘厳さ、さらに舞台を盛り上げる楽曲を加えて、今世紀を代表する王道ミュージカルの地位を確立しました。

オペラ座の怪人の代名詞、螺旋階段と豪華な衣装 こちらの画像の「仮面舞踏会(Masquerade)」は、クリスティーヌと恋人ラウルが婚約し、盛大に舞踏会で祝っている最中に、嫉妬したオペラ座の怪人が赤い骸骨姿で乱入する場面ですが、オペラ座の怪人が登場し、綺羅びやかな舞踏会が散乱する演出の展開に圧倒されます。

仮面舞踏会での衣装は、なんと約200着以上のドレスをデザインして制作され、豪華な衣装と舞台を彩る螺旋階段と装飾によって1905年代のパリの社交界を作り上げました。

観劇前に要チェック!是非舞台で見てほしいおすすめポイント

劇場の頭上にそびえ立つ巨大なシャンデリア

マジェスティック劇場内に装飾さている巨大なシャンデリア 劇場装飾の一番の見どころである巨大なシャンデリアは、舞台を盛り上げる大事な役割を果たしています。目の前でシャンデリアが浮上、落下する舞台装置は、舞台の臨場感がたっぷりと味わえることができます。そんなシャンデリアを舞台中に眺められるのは、1階オーケストラ席前方か中央または2階フロントメザニン席の特権です。2階席の人も係員にチケットを提示し、2階に誘導される前に1階席の前まで見に行くことをお勧めします。

オペラ座の怪人がクリスティーヌをさらって、自身の棲家である地下へ船で向かうシーン

オペラ座の怪人がクリスティーヌをさらって、自身の棲家である地下へ船で向かうシーン 舞台全体にまるで本当の湖があるかのような舞台装置とスモークは、地下に棲むオペラ座の怪人の恐怖とミステリアスを引き出します。見も知らぬオペラ座の怪人に連れられ、どこへ向かうか分からないクリスティーヌの演技と、愛するクリスティーヌをやっと自分の棲家(地下)へと連れていける喜びと不安さが存分に味わえるシーンです。

オペラ座の怪人とクリスティーヌが繰り広げる演技

オペラ座の怪人とクリスティーヌ 本作品は、オペラ座の怪人とクリスティーヌ、そしてクリスティーヌの恋人ラウルの三角形を描いた物語ですが、醜い姿をし、人に呪いをかけていくオペラ座の怪人がクリスティーヌと出会うことで変わっていくそんな人間物語を描いています。オペラ座の怪人の愛がクリスティーヌへと届くのか。クリスティーヌは周りの反対を押し切り怪人の元へ行くのか、それとも恋人ラウルも元へ戻るのか。最後まで結末が分からない2人の演技は必見です。

原作や物語を理解しておこう

ミュージカル「オペラ座の怪人」をより一層楽しむためには、原作を基にした映画または2004年に公開されたミュージカルを基に制作された実写映画「オペラ座の怪人」を見ることで、ストーリーが事前に頭に入っていれば、英語が分からなくても舞台を楽しむことができます。クライマックスを知りたくないというあたなには、こちらのあらすじを呼んで事前に物語を理解しておこう!

さらに、スタッフの観劇体験レポートでもミュージカル観劇の様子をチェックすることができますので、是非ご覧下さい。

オペラ座の怪人 キャスト情報

オペラ座の怪人役:ベン・クロウフォード(Ben Crawford)

オペラ座の怪人役:ベン・クロウフォード(Ben Crawford) 現在、オペラ座の怪人役を務めるベン・クロウフォード(Ben Crawford)は、過去に「レ・ミゼラブル(Les Miserables)」「シュレック(Shrek the Musical)」「ビッグフィッシュ(Big Fish)」「オン・ザ・トゥエンティース・センチュリー (On Twentieth Century)」「チャーリーとチョコレート工場(Charlie and the Chocolate Factory)」に主演経験のあるベテラン俳優です。彼が作り出すオペラ座の怪人は、傲慢で力強く、どこか悲しげのある気品な演技が魅力的です。

クリスティーヌ役:アリア・エウォルト(Ali Ewoldt))

クリスティーヌ役:アリア・エウォルト(Ali Ewoldt) クリスティーヌ役を務めるアリア・エウォルト(Ali Ewoldt)は、オペラ座の怪人のヒロイン役としては、初となるアジア(フィリピン)系アメリカ人です。過去に、2006年公開の「レ・ミゼラブル(Les Miserables)」と2015年公開の「王様と私 (The King and I)」の主演を果たし、翌年の2016年からオペラ座の怪人の舞台に立ちました。キュートと可憐さをもつだけでなく、歌手力は確かなもので、劇中に彼女が歌うオペラ座の怪人の代表曲「Think of me」は迫力に圧倒されます。

オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)の公演劇場

マジェスティック劇場(Majestic Theatre)

オペラ座の怪人の劇場:マジェスティック劇場 (Majestic Theatre) 住所:245 W 44th St, New York, NY 10036(地図

1927年に開業したマジェスティック劇場は、1988年のオペラ座の怪人開幕のために、約1億円を超える費用をかけて劇場を再構築しました。歴史ある劇場で観劇する、王道のミュージカル作品は格別な体験ができること間違いなしです。

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