ミュージカル ディアー・エヴァン・ハンセン(Dear Evan Hansen)チケットと観劇レポート

ミュージカル「ディアー・エヴァン・ハンセン」感想

こんにちは!11月のニューヨークはすでに気温10度前後となり冬まっしぐらの季節です。
今回は、念願のミュージカル「ディアー・エヴァン・ハンセン(Dear Evan Hansen)」を観劇してきました!2017年度のトニー賞ミュージカル作品賞を含む6部門を受賞したこの作品は、公演開始から2年経過しても連日完売、チケット入手困難な大ヒットミュージカルです。今回、提携先から、昼公演(マチネ)と夜公演(ソワレ)の両方にご招待いただきましたので、公演劇場や、舞台の様子、感想、見どころまで全てをご紹介します。

ディアー・エヴァン・ハンセン(Dear Evan Hansen)について

フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなど、数多くのソーシャルメディア(SNS)が身近な存在となった現代において、ネット社会に依存し、そこでしか自分の存在意義を作ることのできない思春期の少年と、それを取り巻く人間関係を描いた作品「ディアーエヴァンハンセン」。人生において大切なものとは何かを改めて考えさせてくれる作品です

2017年のトニー賞で6部門受賞

ミュージカル「ディアー・エヴァン・ハンセン」感想
第71回トニー賞(2017年)にて合計9部門でノミネートし、そのうち、ミュージカル作品賞脚本賞楽曲賞主演男優賞助演女優賞編曲賞を受賞した作品です。

SNSが世界中で繁栄した今、誰とでもどこでも話せる環境の裏に、必ずしも「孤独」を感じている人は多いはず。
年齢性別を超え、社会との繋がりのあり方を考えさせられる本作品は、多くの人々の心を揺るがせました。

詳細ページではさらに詳しくあらすじや見どころを紹介しているので、是非ご確認ください。

上演劇場はミュージック・ボックス劇場

ミュージック・ボックス劇場(Music Box Theatre)

Dear Evan Hansenが上演されているMusic Box Theatre
ミュージカルの元祖「レヴュー(大衆娯楽演芸)」の公演会場として建築されたミュージック・ボックス劇場は、1921年開業以来、ブロードウェイの歴史と共に歩み続けている由緒正しき劇場です。数あるブロードウェイの劇場の中で、唯一石灰岩を使用している外壁にも注目してください!

住所:239 W 45th St, New York, NY 10036

ミュージックボックス劇場の歴史や特徴などについて詳しくは、劇場詳細ページをご覧下さい。

充実した公式グッズとバーを観劇前にチェック

ミュージックボックス劇場のグッズ売り場とバーは地下にあり、そこにはお手洗いと休憩所まで完備してあります。
広々とした地下には、一昔前に実際にステージ上で使用されていた、1912年製のクラシック・ピアノや絵画が飾られており、シンプルでありながらも18世紀のイギリス建築を彷彿とさせるデザインが特徴的です。

地下の右端に設置されているバー
あっとブロードウェイスタッフが楽しみとしている公式カップですが、今回もバッチリ購入しまして、コレクションに加わりました!

公式グッズは、高校生を舞台にした物語であることから、ノートや筆箱、野球ボールなど学校で使用できる小物類を多く販売しており、一番人気の商品は、オリジナルサウンドトラックと主人公エヴァンのシンボルともいえる青いポロシャツとのことです。
Tシャツに書かれている「ON BROADWAY」はこの演目がウェスト・エンド(イギリス)では公演されておらず、ニューヨークだけで公演している、という事を強調しています。

※クリックして画像を拡大

今回の座席はココでした

今回は昼の部と夜の部の公演を観劇してきましたが、ミュージカル専門用語で、昼公演は「マチネ(Matinee)」、夜公演は「ソワレ(Soiree)」と呼びます。マチネとソワレで座った座席の詳細をご紹介します。

チケット券面 ORCHC G 106 の見方:

1階オーケストラ席 中央 前から8列目(G列)シート番号106からの視界
Orchestra Center = 1階オーケストラ席 センター
G列(前から8列目)のシート番号106


こちらの座席は、なんと定価$400ほどのプレミアム席でした。オーケストラ席のど真ん中に位置しており、ステージに近すぎず、遠すぎず、素晴らしい席でした。

今回の演目は、ステージを全体的に広く使うというよりかは、中央にいる役者をメインに話が進むシーンが多いので、今回中央の座席から演技を見て、より物語に集中し、引き込まれていった感じがします。

チケット券面 ORCHO J 1 の見方

1階オーケストラ席 サイド 前から9列目(J列)シート番号1からの視界
Orchestra Odd = 1階オーケストラ席 奇数列
J列(前から9列目)のシート番号1


ミュージック・ボックス劇場の収容人数は1,025人と他の劇場と比べると少ないため、全体的に前後左右狭いのが印象的です。さらに、前後の座席間の傾斜がほぼ無いので、前に背が大きい方が座ってしまうと、舞台全体を見渡すことができません。

今回運良く通路側の座席だったので、前の方の頭が少し気になる程度でしたが、体の小さい日本人にとって傾斜のない座席は辛いですね。

要注意!ミュージック・ボックス劇場の座席の特徴

1階オーケストラ席中心からの見え方
通常ミュージカルの座席といえば、最前列や前から2~3列目はプレミアム席と思う方が多いかもしれませんが、ミュージカル・ボックス劇場は、舞台と最前列の間が非常に狭く、席が前すぎると舞台を見上げる形になります。

さらに、この劇場は、客席の傾斜がとてもなだらかなので、目の前に大きな人が座ったら視界が塞がれやすいです。

今回私が座ったG列(前から8列目)でやっと目線が真っ直ぐになる辺りなので、1階オーケストラ席中腹以降か、2階席前方がおすすめです。

観劇後の楽しみ方!キャストの出待ちを体験

公演が終わったら真っ先に出待ちに向かおう!

今回も恒例の出待ち&Playbill にサインしてもらうために、公演終了後真っ先に出待ちポジションに向かいました。ミュージックボックス劇場の出待ち場所は、正面玄関の左手に位置します。

2018年10月31日公演のキャスト(スタメン全員出演)
到着した瞬間、先に出待ちしていた観客が「マロリーが帰っちゃった!」と呟いており、妹ゾーイ役のマロリー・ベクテル(Mallory Bechtel)を逃してしまった事に気づきました。彼女のように一目散に帰宅してしまう役者も意外と多く、出待ちしたから必ずキャスト全員と会えるわけではないのが現実です。

しかし!お目当ての主役エヴァン役テイラー・トレンチ(Taylor Trensch)、イケメン助演のコーナー役アレックス・ボニエロ(Alex Boniello)、マダムの美貌溢れるエヴァン母親役リサ・ブレシア(Lisa Brescia)と会う事ができ、ばっちりサインをいただいて記念写真を撮りました。エヴァン役のテイラーはツーショット写真がNGとのことで、少し残念!

※クリックして画像を拡大

ディアー・エヴァン・ハンセン 観劇後の感想まとめ

本作品が”泣ける”と言われる理由

最後はもちろんスタンディングオベーション
友人も居らず、母親にさえ心を打ち明けることができない主役エヴァンだけでなく、シングルマザーでエヴァンを育て上げ、父親の居ない彼に孤独を感じさせているのを申し訳なく感じているエヴァンの母親、両親が自殺してしまったコナー、親の喧嘩ばかりをみて育った子供など、舞台に出演する全ての役がそれぞれ違った孤独を感じ、それぞれが違った孤独との向き合い方をします

そんな、誰しもが感じたことのある「孤独」だからこそ、全ての人が自分の環境に置き換えることができ、知らない内に心の底から感情移入をしてしまう作品だと思います。この作品を通して「自分が感じた孤独」だけでなく「相手が感じる孤独」というものも学びました。

思春期を題材にしたハイスクール・ミュージカル

ディアー・エヴァン・ハンセン(Dear Evan Hansen)の舞台の様子
ディアー・エヴァン・ハンセンは、現代の思春期特有の悩みを題材にしたミュージカル作品の先駆けとなりました。かつて、1996年に公開された作品「レント(RENT)」では、1990年代のニューヨークを舞台に、ドラッグや貧困、セクシュアルマイノリティーなど、若者の社会問題を描いたストーリーで、その年のトニー賞ミュージカル作品賞を受賞しました。

どちらも「その時代のティーンエージャーならではの繊細な心境の変化と、それを取り巻く環境」をテーマにしながら、登場人物のリアルな心境を演出しており、どの時代においてもこういった作品は人々の心に強く影響をもたらすと感じました。

Waving Through a Windowだけじゃない!!

おすすめの楽曲は「You will be found」と「Waving Through a Window」
本作品の代表曲といえば、オープニング2曲目の「Waving Through a Window」が挙げられますが、今回の観劇で一番印象に残った楽曲は、前半最後の曲「You will be found」という曲です。「君は一人ぼっちではない、誰かが君をきっと見つけてくれるから」と、葛藤しながらも孤独を否定し、前を向こうとする曲です。

切ないけどキャッチーで耳に残るサビの部分が印象的で、曲の終わりに近づくに連れて盛り上がっていくのですが、エヴァンがついた嘘がバレるのも時間の問題という背景もあり、完全に前を向いて立ち上がれない演出が何ともいえない感情になります。是非、生で聴いてほしい楽曲です。

ディアー・エヴァン・ハンセン誕生の秘話

実はこの物語の原作アイデアは、楽曲担当のパセクとポールの2つの実体験が元になっています。

1つ目は、ベンジ・パセック自身が高校生のときに体験した「ドラッグ中毒による同級生の死」です。本作品で自殺をしてしまうコーナーのように、彼の同級生もまた、友人が居らず、誰も彼の存在を良く知らなかったため、彼の死後、学校内で彼のことを忘れないようにと、生徒が集まって「同級生を忘れないための活動」を行ったという事です。

2つ目は、2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件です。事件当時、各ソーシャルメディアがあらゆる情報を世界中にリアルタイムで配信する事ができるツールであるという事を世間に認められた事実を、この悲しく、切ない物語に取り込んだのです。

ブロードウェイミュージカル「ディア・エバンハンセン」
「Dear Evan Hansen」とタイトルが付けられるずっと前に、新しい舞台プロジェクトの構想が始まっていました。

映画「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞作曲賞を受賞した名コンビ、ベンジ・パセック(Benj Pasek)&ジャスティン・ポール(Justin Paul)が、2011年に脚本家スティーブン・レベンソン(Steven Levenson)に声を掛けたことから始まり、3人の頭文字を取って「PPL Project:パセック(Pasek)・ポール(Paul)・レベンソン(Levenson)・プロジェクト(Project)」という名で、5年の歳月を掛けてこのミュージカルを完成させたという事です。

2017年のトニー賞総ナメ作品という事で未だに連日満員のDear Evan Hansen。
やっと見れた!という達成感が個人的に大きかったのですが、なぜこの作品が売れているのか、という事が見ながら理解できたのがもっと大きかったです。現代の高校生、現代のSNSの絡み、というテーマは、ありがちと言えばありがちだと思います。ただ、ここまで感情むき出しのブロードウェイ俳優の演技が、ここまで素晴らしい楽曲によって完全に包み込まれたミュージカルは他には無い、と断言できます。

やはり「物語を作った張本人が、ストーリーを作りながら楽曲を書いた」という部分が、大きいのだと思いました。今はもうハミルトンではなくて、ディアー・エヴァン・ハンセンを観ていただきたい。心からそう思います。

あっとブロードウェイのミュージカルチケット ブロードウェイミュージカル 割引チケット 絶賛発売中!

ブロードウェイミュージカルのチケットを、日本にいながら日本語で、どこよりも安く速く安心してご購入頂けます

あっとブロードウェイでミュージカルチケットを買う
  1. 割引チケットを即購入・即確約
  2. ご購入後でもキャンセルが可能
  3. ご予約からご入場まで安心の日本語サポート