ミュージカル オクラホマ!(Oklahoma!)チケットと観劇レポート

ミュージカル「オクラホマ!(Okkahoma!)」感想

75年ぶりにブロードウェイに帰ってきた往年の名作「オクラホマ!(OKLAHOMA!)」に、幸運にも招待されたので今回観劇してきました。
現代のブロードウェイ・ミュージカルの基盤を作り上げたと言われる伝説の2人コンビ「ロジャース&ハマースタイン(Rodgers & Hammerstein)」が手がけた脚本に、現代アートの要素が加わり、更に深みを増した本作品はサークル・イン・ザスクエア劇場で絶賛公演中です。
1900年初頭のオクラホマの農村を舞台にした、小さな村で起きた恋の三角関係は、誰も予想しなかった結末を迎える事に!
劇場の特徴から、作品のあらすじ、見どころ・率直な感想を含めて、今回はミュージカル「オクラホマ」をレポートしたいと思います。

ミュージカル「オクラホマ!(OKLAHOMA!)」あらすじ

看板にも大きくロジャース&ハマースタインの文字があります
オクラホマ州のとある農場を舞台に、恋の三角関係がコミカルに描かれたこの作品では、モテ男の「カーリー」、カーリーが好きな「ローリー」、ローリーが好きな「ジャッド」の3人を中心に物語が進行します。

年に1回の村祭りで、ローリーを独占できる権利をかけた競りが始まり、ジャッドとカーリーは有り金の全てをはたいて、彼女を競り落とそうとします。昔のアメリカの田舎ならではの世界観で繰り広げられる、分かりやすい物語ではありますが、最後の展開はけっこう意外な事になります。

物語の展開、予想外な結末、見どころなどについては、詳細ページに記載しておりますので是非チェックを!

オクラホマ!はサークル・イン・ザ・スクエア劇場にて上演中

サークル・イン・ザ・スクエア劇場(Circle In The Square Theatre)

Circle In The Square Theatreの入り口から見たところ
“ サークル・イン・ザ・スクエア(広場の中にある円形)”その名の通り、ステージが円形に配置された座席に取り囲まれたような独特な劇場となっています。

特徴はなんと言っても、ステージと客席の境目が無いことです。ステージの高さは、最前列の座席と同じ高さにあり、またステージ上に設けられたプレミア席に座れば、目の前の机に演者が腰掛ける、という独特なものになっています。

「スラスト・ステージ」と呼ばれるこの形式は本劇場のみで、またこれによって生み出される演者との距離感も他では決して味わうことが出来ません。

住所:1633 Broadway, New York, NY 10019

観客もまるで劇に参加しているような舞台建築スタイルのサークル・イン・ザ・スクエア劇場の基本情報、歴史、建築スタイルなどについて、詳しくは詳細ページをご覧下さい。

照明はついたままでオーケストラも生演奏

Circle In The Square Theatreでは、オーケストラ隊との距離がとにかく近く、楽器の音はマイク無しの生音がほとんど
公演が始まって驚いたのは、まず歌・バンドのほとんどがマイク無しの生音だったこと、そして客席の照明がついたままだった事です。例えがあまり良くないかも知れませんが「市民会館」のような感じがしました。つまり、他の作品とは違い全く構える事なく観劇が出来たということです。

本作品は朝食を作るシーンから始まるのですが、自分もその新しい一日に入り込んだような気がしました。実際にプレミア席に座る観客には演者から軽い「イジリ」も入ります。(笑)またバンドメンバーも同じ舞台にいることから、演者とバンドメンバーが絡む場面もあります。演者・バンド・観客の垣根が良い意味で無くなる不思議な劇場です。

今回の座席はココでした

チケット券面 ORCHE 225 の場合:

ORCH E 225 から見た眺め
Orchestra Even = 1階オーケストラ 奇数席(左サイド)
E列(前から5列目)シート番号225

欲を言えばステージ上のプレミア席がどうしても気になってしまいますが、正直バウチャーチケットを購入された方はどこの座席でもステージからの距離が十分近いので、劇場の一体感を味わうことが出来ます。

また席によっては演者が出入りする「ヴォミトリウム」というトンネルの真横になる可能性もあります。他の作品でもお得に観劇が出来るバウチャーチケットですが、本公演では特にお得感があると思います。

「オクラホマ!(OKLAHOMA!)」を見た感想まとめ

この作品がアメリカ中部、オクラホマ州が舞台と言われた時に、自分も含めて日本人の人からすると、いまいちパっとしない、想像できないものかと思います。あまり期待せず座席について本編が始まりましたが、いざ観てみると「なんて美しい朝なんだ(What a beautiful morning)」という劇の始まりで歌われる曲は、どこかで聞き覚えがあったような曲調でした。

表題曲「オクラホマ」はオクラホマ州の州歌にもなったとても有名な曲で、会場のアットホームな雰囲気とカントリー調の音楽も相まって、他の作品に比べて、自然と入り込んでいったような気がします。

見どころ:ブロードウェイ初の車イス舞台女優 アリ・ストローカー(Ali Stroker)

本公演が注目を浴びている理由が、原作者が有名であるという事以外に、車椅子の俳優が出演しているという点もあります。話の本筋である恋の三角関係とは別に展開するもう一つの三角関係で、2人の男性を行き来する「アニー」役を演じるアリ・ストローカー(Ali Stroker)は、ブロードウェイ初の車椅子の舞台女優です。

なかなか行動に移せないローリーと違い、アニーはだらしないと思える程に流されやすく、積極的。2人の男性から交互に言い寄られて、どちらにもOKしてしまいます。そんな彼女が歌う「I Can’t Say No」はアメリカの人気テレビ番組でも取り上げられたほど圧巻で、全米にその名が広まるきっかけとなりました。

<<2019年トニー賞で助演女優賞を受賞!>>

2019年トニー賞授賞式での様子
そしてなんと本作品での演技が評価されて、アリ・ストローカー(Ali Stroker)は2019年トニー賞にて、 助演女優賞受賞という快挙を果たしました。もちろん車椅子演者初のトニー賞受賞者です。

ディスアドバンテージを乗り越えての受賞ともあって、受賞が決まった瞬間には会場から一際大きな拍手が上がり、メディアでも大々的に取り上げられました。「ブロードウェイの壁」を破り、さらにトニー賞にも輝いた彼女の魅力的な演技に、是非とも注目してみて下さい。

黒人少女の舞踏

休憩中にステージ上でふるまわれる軽食
途中の休憩時間が終わると、劇場のアットホームな雰囲気が一転します。スモークがたかれ、暗くなったステージに現れたのは一人の黒人の少女。その後、彼女は一言も発する事なく踊り続けます。「現代アートの要素が加わった」と冒頭で説明しましたが、この時間はまさにそれの最たるもの。

そして現代アートあるあるかも知れませんが、観る人によって解釈が違います。今回はスタッフ2人で観劇をしましたが、同行したスタッフの金木の解釈は「主人公(黒人の演者)の幼少期時代に感じた前に進みたいけど進めないもどかしさ」を表現しているという解釈でしたが、私個人としては「当時のアメリカ南部での黒人の苦しみ」を感じたと意見が別れました。

原作とは違う話の展開

劇場の壁に飾ってある銃
おおまかな話の筋が分かった上での観劇でしたが、ラストシーンに近づくに連れて、聞いていた話となんだか違って来ました。そして問題のラストシーンは、ネタバレになるので言いませんが、オリジナルの話とは異なっています。そして変更がなされた理由はすぐに想像出来ました。

舞台はオクラホマがまだアメリカに州として認められる前、日本にも古くから残る「コミュニティの掟」のような物があるように、当時のオクラホマにはそういった縛りが色濃く残っていました。

その強すぎる「掟」は、時として誰かにプラスに働き、時にマイナスに働きます。アメリカ版の「コミュニティの絆」の物語を大都会ニューヨークの真ん中で観るのは少し不思議な感覚でした。

これまでのオクラホマ!とはひと味もふた味も違う

白色の壁に映し出される様々な映像
本作品には工夫を凝らした斬新な演出が各所に散りばめられていました。例えば暗闇の会場で、演者を暗視カメラで撮影し、その映像を壁に写したり、また先程紹介したように、物言わぬ黒人少女の舞踏があったり。またストーリーも基本は原作のまま、そこにメッセージ性が強くなるように細やかな変更がなされていました。

お客さんは白人の年配の方が多かったような印象でしたが、昔からの物語のファンに留まらず、新しい物好きなニューヨーカーに好まれる作品だと思います。言うならば、古い物語に新しい風が吹き込まれた、新しい「オクラホマ!」と呼べる作品になっていると思います!

あっとブロードウェイのミュージカルチケット ブロードウェイミュージカル 割引チケット 絶賛発売中!

ブロードウェイミュージカルのチケットを、日本にいながら日本語で、どこよりも安く速く安心してご購入頂けます

あっとブロードウェイでミュージカルチケットを買う
  1. 割引チケットを即購入・即確約
  2. ご購入後でもキャンセルが可能
  3. ご予約からご入場まで安心の日本語サポート