ブロードウェイ作品ができる過程

ブロードウェイミュージカルのプロダクションの制作過程、公演期間、給料を解説

ブロードウェイミュージカルのプロダクションとトライアウト

ブロードウェイ公演決定までの3つのプロセス

ステップ1 億単位のお金を集めるために出資者の前で演者がプレゼンテーション

ブロードウェイの作品が出来上がるまでに、実は年単位の時間と莫大なお金がかかっているのをご存知ですか。過去最大の製作費と言われた作品は、2010年から2014年まで上演された”Spider-Man Turn off the Dark”で、なんと7500万ドル(約75億円)が投資されました。

この莫大な製作費は、製作者が自腹を切るのではなく、出資者を募って資金を集め、成功した際にその利益を出資者に配分するのが通常です。そのため出資者を募るのが作品を作り上げる上で重要なステップになります。そのステップはリーディングと呼ばれており、作品の一部の歌やセリフを出資者の前で披露します。セットや衣装はなく、俳優がマイクの前の立ち、簡素に行われる事が多いですが、出資者たちはポテンシャルを見込んで出資します。プロデューサーにとって、出資者はとっても大切な存在です。そのため出資者は「エンジェルス」と呼ばれています。

ステップ2 トライアウト(Tryout)と呼ばれる地方公演

出資の目処がたつと、制作陣は作品の仕上げにかかります。しかし、いきなりのBroadwayでの上演はお金がかかり、リスクも高いため、まず地方劇場でトライアウトという試し公演を1ヶ月半ほど行います。実際にお客さんを入れた本番さながらの公演ですが、公演中に客席の反応を見て作品をどんどん手直ししていきます。よって、トライアウトの初日と最終日では大幅に歌やセリフ、セット、ダンスが変わっている、ということは決して珍しくありません。また地方でのトライアウトは1回とは限らず、2回、3回と繰り返し行う作品も少なくありません。それだけBroadwayに作品を持っていくことは難しい事なのです。

ステップ3 ブロードウェイ公演スタート

トライアウトを経て、これは行ける!という確信が持てたら、いよいよブロードウェイ・デビューです。オープニングナイトを迎える前に約1ヶ月ほどのプレビュー期間が設けられているのですが、このプレビュー期間中に最後の調整が行われます。そのため、この期間中にメディアは批評を書いては行けないという紳士協定が結ばれています。プレビューが終わるといよいよオープニングナイトとなります。オープニングナイトを迎えてやっと作品がBroadway作品ができたということができます。 ここまでにかかる時間は作品それぞれですが、短くても3年、長いと10年以上かかることもあります。

ブロードウェイの公演期間の仕組みについて

ブロードウェイ作品の成功のキーはメディアの批評と口コミ

Broadwayの公演期間は、通常はオープン・アンド・デッドラン(Open and Deadrun)と呼ばれる、チケットが売り続ける限り公演を続ける、という体制で行われます。作品が続くためには、広告などのプロモーションも大切ですが、何より重要なのは批評と口コミです。作品の幕が上がるとメディアがすぐに批評をオンラインサイトなどに掲載します。この批評はその後のチケットの売上を大きく左右すると言われていますが、近年ではツイッターなどのSNSによる口コミも批評と同じかそれ以上にチケット売上に影響します。

毎年20本近く新作が生まれるブロードウェイですが、実は1年以上続く作品は10%前後と言われています。5年以上続く作品になるともっと稀。何十年と続く作品がある一方で、オープニングナイトの翌日にクローズしてしまう作品もあるなど、ブロードウェイはとても厳しい世界なのです。

ブロードウェイの給与体系(ギャラ)について

ブロードウェイ俳優の年収は10万ドル~

ブロードウェイに出演するためには、オーディションを勝ち抜く必要があります。 日本のように、スター俳優がキャスティングされることもありますが、ブロードウェイでの経験がなかったり、アンサンブル(キャストの芸術的な基準やテクニックを維持する責任者)でしかブロードウェイに出演した経歴しかない俳優がオーディションで見事主役の座を射止めることもありますし、反対に、ある作品で主役を演じていた俳優が、他の作品ではアンサンブルの一人となることもあります。とにかく実力主義の大変厳しい世界です。

また、アメリカは俳優の労働組合がとても力を持っていて、ブロードウェイに出演する俳優は、必ずこのActor’s Equity Association(通称AEA:舞台俳優のための労働組合)に加入する必要があります。この労働組合によってブロードウェイに出演する俳優の最低賃金が定められており、 単純に最低年収は10万ドルと決められています。ステージに上がる全てのパフォーマーに適用されますので、端役のアンサンブルでも、子役であっても最低10万ドルが支払われます。少々高額に思えますが、週6日公演があり、マチネ(昼公演)も含めて考えると、たへん過酷な労働条件であるともいえます。※2015年現在の情報となります。

ハリウッドスターがブロードウェイに出演する場合

もちろん年収10万ドルは最低賃金で、過去にはザ・プロデューサーズのオリジナルキャストであるネイサン・レイン(Nathan Lane)とマシュー・ブロデリック(Matthew Broderick)が同作品に期間限定で再出演したときや、Xメンのウルヴァリン役で有名なヒュー・ジャックマン(Hugh Jackman)と007シリーズで有名なダニエル・クレイグ(Daniel Craig)が出演したA Steady Rainという演劇では、それぞれの出演料が週$100,000(1600万円以上)、ジュリア・ロバーツが出演した作品では、週$150,000(2400万円以上)の契約だったと言われています。※$1=160円で計算

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