こんにちは、スタッフの池田です。今回は、ミュージカル史に名を刻む名作『オペラ座の怪人』の世界が、ニューヨークで新たな体験型作品として蘇ったと話題のイマーシブシアター『マスカレード(Masquerade)』へ行ってきました。
ブロードウェイで長く愛され続けた『オペラ座の怪人』は、2023年4月に惜しまれながら幕を下ろしました。私自身も、かつてブロードウェイ版を観劇した際、重厚な音楽、劇場空間を満たす荘厳な演出、そしてファントムの孤独と情熱に圧倒された記憶が、今も鮮明に残っています。そんな名作が、今度は“客席から観る”ミュージカルではなく、観客自身が仮面をつけて物語の中へ入り込む没入型シアターとしてニューヨークに帰ってくる。その一報を聞いた時から、この公演をとても楽しみにしていました。
こちらのレポートでは、『マスカレード』に初めて参加した際の感想を、観劇直後の熱量そのままにお届けします!
このページの目次
ニューヨークのイマーシブシアター「マスカレード(Masquerade)」とは?
『オペラ座の怪人』の世界に入り込む、ニューヨークの没入型シアター
『マスカレード(Masquerade)』は、アンドリュー・ロイド・ウェバーの名作ミュージカル『オペラ座の怪人』の世界を、観客自身が歩きながら体験するニューヨークのイマーシブシアターです。
一般的なミュージカルのように客席に座って舞台を観るのではなく、観客は仮面を身につけ、パリ・オペラ座を思わせる空間の中へと進んでいきます。目の前でファントムやクリスティーヌ、ラウルたちの物語が動き出し、時には登場人物に手を取られたり、話しかけられることも。美しい音楽、幻想的な照明、重厚なセットに包まれながら、まるで自分も物語の一部になったような感覚を味わえます。
名曲や名場面の魅力はそのままに、観客が物語の内部へ誘われることで“観る『オペラ座の怪人』”から、“入り込む『オペラ座の怪人』”へ。『マスカレード』は、長年愛されてきた名作をまったく新しい形で楽しめる、ニューヨークならではの注目作です。
伝説のイマーシブシアター『スリープ・ノー・モア』のプロデューサーが届ける新感覚の観劇体験
演出を手がけるのは、2013年に『ピピン(Pippin)』でトニー賞ミュージカル演出賞を受賞したダイアン・パウルス。『ヘアー(Hair)』『ウェイトレス(Waitress)』『ジャグド・リトル・ピル(Jagged Little Pill)』などでも知られ、名作を現代の観客に向けて鮮やかに再構築する手腕に定評のある演出家です。
さらにプロデュースには、ニューヨークの没入型演劇ブームを象徴する『スリープ・ノー・モア(Sleep No More)』などで知られるランディ・ワイナーが参加。まさに、ブロードウェイの名作ミュージカルと、ニューヨークのイマーシブシアター文化が交差したプロジェクトと言えます。
ニューヨークのイマーシブシアター「マスカレード(Masquerade)」のあらすじ
「マスカレード(Masquerade)」のあらすじは詳細ページで詳しく記載しています!ぜひご覧下さい。
「マスカレード(Masquerade)」の劇場について
専用劇場「Masquerade」住所:218 W 57th Street New York, NY 10019
『マスカレード(Masquerade)』の会場は、マンハッタンのミッドタウンにあるとある建物です。セントラルパークやカーネギーホールにも近い、ニューヨーク観光の中心地に位置しています。もともとは老舗アート用品店「Lee’s Art Shop」として知られていた建物を改装し、『オペラ座の怪人』の世界を体験するための特別な会場として生まれ変わりました。
一般的なブロードウェイ劇場のように客席と舞台が分かれているわけではなく、建物全体がひとつの巨大な舞台装置のようになっているのが大きな特徴です。観客は会場内を移動しながら、パリ・オペラ座を思わせる部屋や通路、階段を巡り、物語の中へ少しずつ入り込んでいきます。
タイムズスクエア周辺の劇場街からもアクセスしやすい立地でありながら、一歩中に入ると外のニューヨークの喧騒を忘れてしまうほど、濃密で幻想的な空間が広がっています。『マスカレード』は、劇場で作品を“観る”というより、建物そのものの中で『オペラ座の怪人』を体験するような、新しい観劇スタイルを楽しめる作品です。
写真は、劇場内に設けられたバーエリアです。『マスカレード』のすべてのパフォーマンスが終わった後は、ここでドリンクを購入し、まるでヨーロッパのパーティに招かれたような華やかな雰囲気を楽しむことができます。このエリアでのみ、写真撮影が許可されています。
「マスカレード(Masquerade)」のドレスコード・グッズ・お土産について
厳格なドレスコードと配布されるマスクについて
『マスカレード』に参加するうえで、まず気分を一気に高めてくれるのがドレスコードです。会場前にできた列を見ても、黒や白、シルバーを基調にした装いの方が多く、開演前からすでにとてもフォーマルで華やかな雰囲気が漂っていました。普通の観劇とは違う、特別な夜が始まるのだと感じられて、この時点でかなり気持ちが高まりました。
公式案内では、服装は黒、白、シルバー、またはそれらを組み合わせた装いが指定されており、フォーマルまたは少し華やかなイブニングウェアが推奨されています。普段の観劇よりも少しおしゃれをして会場へ向かうだけで、もうその時点から『オペラ座の怪人』の世界が始まっているような感覚に。これが本当に楽しいです!
さらに、入場時には仮面舞踏会らしいマスクも必要です。自分で黒、白、シルバー系のマスカレードマスクを用意して行くこともできますが、色の指定があるため、事前に確認しておくと安心です。持っていない場合は会場で無料のマスクを配布してもらえるので、手ぶらで行っても世界観にしっかり入り込めるのは嬉しいポイントです。私たちはマスクを用意できなかったので、会場で配布されたものを使用しました。
配布されたマスクは観劇中に身につけるだけでなく、終演後にそのまま持ち帰ることができます。実際に会場で仮面をつけた瞬間、ただの観客ではなく、秘密の舞踏会に招かれた一員になったような気分に。ドレスコードとマスクがあることで、観劇前から『マスカレード』ならではの特別感を全身で味わえました。
グッズも販売していました
パフォーマンス後に案内されるバーエリアを抜けた先には、『マスカレード』のグッズ売り場もあり、Tシャツやマグカップなど、『マスカレード』の世界観を感じられるアイテムが並んでいました。作品の雰囲気に浸った直後に見ると、つい何か持ち帰りたくなってしまいます。観劇の思い出として、ぜひチェックしてみてください♪
ニューヨークの「マスカレード(Masquerade)」の感想・レビュー
ここからは、『マスカレード』に参加した感想を時系列でレポートしていきます!若干ネタバレはありますが、作品の雰囲気がふわっと伝わる程度に抑えています。
順路① 入場前から気分が上がるドレスコード!スマホ撮影は禁止!
会場は、セントラルパーク寄りのミッドタウン。アメリカの有名デパート「NORDSTROM(ノードストローム)」の向かいにある建物です。メールに記載されていた集合時間に間に合うように到着すると、すでに会場前には“それっぽい人たち”の列が。ひと目で『マスカレード』の列だとわかりました。
私はあり合わせの黒い服で向かったため、本格的なドレスアップとまではいきませんでしたが、それでも自分なりに少し気合いを入れて身支度を整えて行ったので、列に並ぶ方々のフォーマルな装いや、気合いの入った自前のマスク(羽根が付いたゴージャスなマスクの方もいました)を見て早くもテンションが上がりました。
順番にまわってきた係員に写真付きのIDを確認され、パスワードを告げるとチェックイン完了です。「マスクはある?」と聞かれ、持っていないと答えると無料配布のマスクを受け取ることができました。一緒に出かけた後輩と「これ、どっちが上?」とワイワイ話しながら装着。最終的には、係員さんの付け方を参考にしました。
建物に入ると、まずコートチェックがあり、荷物を預けます。私は服にポケットがなかったためスマートフォンも預けてしまいましたが、パフォーマンス終了後のバーエリアは撮影可能なので、スマートフォンは手元に残しておいても良かったかなと思いました。
また、コートチェックの引換タグもどこかに保管する必要があるので、グループのうち1人はポケットのある服で行くと安心かもしれません。ちなみに公演中は撮影禁止のため、スマートフォンを持ち込む場合はカメラ部分にシールを貼られます(画像参照)。
順路② シャンパングラスが手渡され、マスカレードの会場へ!役者さんと踊る特別な経験
なんと!仮面舞踏会で役者さんに手を取られ、一緒に踊ることができました!(立ち位置的にラッキーでした)
その後、マダム・ジリーによる短い歌唱講座があります。教わるのはあの名曲『Masquerade』の一節。『オペラ座の怪人』をよく知っているファンは、最初からサラッと歌っていてさすがでした。歌詞を少し予習しておくと、ここからさらに楽しめると思います。歌詞の参考はこちら。
そして、仮面舞踏会の会場となる部屋へ入ると、視界が一気に煌びやかに!観客も役者さんたちと同じフロアに誘導されるため、本当に自分がマスカレードに参加しているような気分になります。
私は立ち位置がなかなか定まらず、少しキョロキョロしていたところ、役者さんに手を取られ、仮面の向こうから「一緒に踊ろう」と誘われ、まさかの社交ダンスを踊ることに!仮面舞踏会の景色に混ざる感じなので、私が下手っぴなダンスをしていようと誰も見ていませんが(笑)、こうして観客も自然に物語の一部になれるのが、イマーシブシアターの面白さですね。個人的に、仮面舞踏会に参加することはずっと憧れだったので、その夢を疑似体験できたようで本当に嬉しかったです。
順路③ オペラ歌手にバラを投げ、見世物小屋の観衆になる!
『マスカレード』の楽しいところは、ただ物語を眺めるのではなく、自分もその場にいる人物のひとりとして参加している感覚を味わえることです。会場を巡る中で何度もその面白さを感じましたが、特に印象に残ったものを2つご紹介します。
1つ目は、オペラを歌い上げるクリスティーヌにバラの花を投げたこと。まさか自分が「ブラボー!」と言いながら舞台へ花を投げる日が来るとは思いませんでした(笑)。直前にクリスティーヌの同僚の女性からバラの造花を手渡され、何か言葉をかけられたもののうまく聞き取れず、「なんだこの花は……?」と思いながら手にしていたところ、目の前でクリスティーヌの歌唱が始まりました。そして歌い終わった瞬間、周りの観客に合わせてバラを投げることに。物語の世界の一部になれたようで、とても楽しかったです。
2つ目は、見世物小屋の観衆になったこと。薄暗く、少し雑多で妖しい空気が漂う空間は、ゾッとするほど世界観が作り込まれていて、個人的にはここが一番、19世紀のヨーロッパに迷い込んだような感覚を味わえた場面かもしれません。ピエロや大道芸人たちの姿を見ていると、当時の人々はこうした見世物に胸を躍らせたり、日々の疲れを忘れたりしていたのかもしれないと想像が広がりました。きらびやかなオペラ座の表側だけでなく、その時代の雑踏や熱気まで感じられるのも、『マスカレード』ならではの面白さだと思います。
順路④ 名曲が目の前で息づく。俳優さんを間近で見ることで歌声と表情に深く胸を打たれる
そもそもミュージカル『オペラ座の怪人』は名曲だらけです。こんなにも心を震わせる名曲揃いのミュージカルは他にあるだろうかと思うほど、次から次へと胸に残る楽曲が披露されます。
そんな『オペラ座の怪人』の楽曲を、俳優さんたちに手が届きそうな距離で聴けることが、何より贅沢でした。表情の揺れ、息づかい、声の震えまで感じられる距離だからこそ、歌に込められた感情がまっすぐこちらに届いてきます。ただ音楽を聴いているというより、登場人物たちの想いを真正面から浴びているようで、胸に深く刺さりました。
特にラストシーンで見せたファントムの表情と声は圧巻で、思わず涙がこぼれました。
順路⑤ パフォーマンス後はバーエリアへ!舞踏会の余韻まで楽しめる贅沢な時間
パフォーマンス後は、蝋燭の灯りが揺れる幻想的なバーエリアへ案内されます。ここではドリンクを購入でき、観客たちはそれぞれ談笑したり、写真を撮ったりしながら、カジュアルなパーティのような時間を過ごしていました。我々が訪れた日は、ファントム役の方が知り合いに挨拶をしに来ていて、すぐそばでお酒を飲んでいるという驚きの場面も。つい先ほどまで物語の中にいた人物が、同じ空間にいる。その不思議な距離感に、最後まで胸が高鳴りました。
写真にも写っていますが、バーエリアにはゴージャスなドレスに身を包んだダンサーの方がいて、時にゆったりと歩き、時に優雅に舞いながら、空間全体に仮面舞踏会の余韻を漂わせていました。観劇後の興奮が少しずつほどけていく中で、もう一度あの世界に包まれるような、なんとも贅沢な時間です。
会場内には、ファントムとクリスティーヌが劇中で乗る船や、天使を模した石像も置かれており、観客たちは思い思いに記念写真を撮っていました。私たちも、素敵な仮面を身につけたカップルに後輩が話しかけたことをきっかけに、楽しく会話を交わすことに。観劇の感動を抱えたまま、ドリンクを片手に他の観客と談話できる時間まで用意されているのは、『マスカレード』ならではの魅力だと思います。
圧巻のパフォーマンスを観た後、すぐに現実へ引き戻されるのではなく、バーエリアで少しずつ余韻を味わう。この時間があることで、『マスカレード』の世界と現実がなめらかにつながっていくように感じられました。最後まで夢の続きの中にいられる、幸せな締めくくりです。
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