こんにちは、スタッフの今田です。ミュージカル観劇はもちろん、ヨーロッパ旅行も好きな私ですが、この度、ニューヨーク、ロンドン、ハンブルクの3都市でミュージカル『マイケル・ジャクソン・ミュージカル(MJ the Musical)』を観劇してきましたので、感想をレポートします。同じ作品でも、国や街が変わるだけで、舞台の熱量、観客の反応、劇場の雰囲気がまったく違って見えたのがとても面白かったので、これは伝えねばと思った次第です。
3都市で観たMJを順番に紹介しながら、それぞれの違いを比べていきます!1か月以内に3カ国を渡って見比べたので、かなり新鮮な比較ができたと思います。
このページの目次
ニューヨークで見たMJ ザ ミュージカル
本場ブロードウェイならではの圧倒的な熱量
まず最初に観劇したのは、本場ブロードウェイの『MJ the Musical』です。3都市で観た中でも、ブロードウェイ公演はやはり圧倒的にエネルギッシュで、全体の完成度も一段高く感じました。
印象的だったのは、マイケル・ジャクソンの音楽が観客の身体にしっかり浸透しているように見えたこと。名曲のイントロが流れた瞬間に歓声が上がるなど、客席のリアクションがとても良く、劇場全体で作品を盛り上げているような一体感がありました。
舞台上のキャストの技術も素晴らしく、特に分かりやすく違いを感じたのが子役たちの上手さでした。ブロードウェイ公演の子役たちは、黒人音楽のリズムやグルーヴがすでに身体に染みついているように見え、ほんの少しの歌い回しや動きにも“本場育ち”の説得力がありました。
アンサンブルまで全員が主役級。舞台に余白がないブロードウェイ公演
ブロードウェイ公演で特に強く感じたのは、アンサンブルやスウィングのダンサーたちの存在感の強さです。全員が単に振り付けをこなしているのではなく、自分の役割以上のところで全力で舞台を生きているように見えました。公演後にも印象に残っているダンサーが何人もいて、舞台のどこを見ても誰かが全力で動いている状態でした。
全体を通して舞台に余白がなく、常にエネルギーが満ちている。この濃密さこそがブロードウェイの良さなのだろうなと、改めて実感しました。作品そのものの熱量、観客の盛り上がり、キャストの技術。そのすべてが合わさって、まさに「本場のMJ」を浴びるような観劇体験でした。
ブロードウェイでの観劇、かなり、かなりおすすめです。MJファンならマストかなと思います……!
ハロウィン当日だけの特別パフォーマンス!
ちなみに、観劇したのは10月31日のハロウィン当日。なんとカーテンコールでは、特別にマイケルの代表曲『スリラー』のオリジナルの振り付けの完コピバージョンが披露されるというサプライズがありました!
これはあくまで2024年のハロウィン公演での出来事なので、今後も同じ演出があるとは限りませんが、実は事前に「ハロウィンの日は『スリラー』の特別パフォーマンスをやるらしい」というタレコミをいただき、急いでチケットを取って観に行きました。
カーテンコールで『スリラー』が始まった瞬間、劇場全体のボルテージが一気に上がり、さすが『スリラー』だなと鳥肌が立ちました。音響も後ろの映像もかなり凝っていて見ごたえがありました♪ ハロウィンに観る『スリラー』は格別ですね、、、。
ロンドンで見たMJ ザ ミュージカル
美しい劇場街で観る、上品なMJ
続いて観劇したのは、ロンドン・ウエストエンド版の『MJ the Musical』です。
ロンドンは、広場を中心に劇場が並ぶ立地がとても美しく、観劇前から「劇場街に来た」という特別感がありました。ブロードウェイのような喧騒とはまた違い、街全体に品のある落ち着いた雰囲気が漂っていました。
客層もスタッフも多様で、アジア系、黒人系、白人系など、さまざまな人が働いていたのも印象的です。また、個人的には劇場スタッフの方々がとても親切で、ブロードウェイと比べると柔らかく丁寧な対応に感じました。
整った舞台。観客は静かに芸術を味わう雰囲気
一方で、舞台そのものはとても整った“お利口さんの舞台”という印象でした。私が観劇した日は、MJ役がマイルス・フロストさん(Myles Frost)ではなく、アンダースタディの方でした。マイルスさんはブロードウェイ初演でマイケルを演じた方で、その後ロンドン公演にも出演。私自身、彼のダンスに惚れ込んで『MJ the Musical』にハマったので、個人的にもかなり思い入れがあります。
そのため、今回はどうしてもマイルスさんの舞台と比べて見てしまう部分もあったのですが、MJ役もダンサーたちも、決められた振り付けから大きくはみ出ることは少なく、全体的にきれいにまとまっているように感じました。
その中でも、黒人女性ダンサーの方の存在感はとても強く、観劇後も印象に残っています。また、フレッド・アステアのダンスシーンがとても華麗で、ロンドンという土地柄もあってか、不思議と作品の中に馴染んで見えました。
観客の反応については、ブロードウェイと比べるとかなり大人しかったです。もちろん『スリラー』など盛り上がる場面では拍手や歓声も起こるのですが、客席全体が熱狂の渦になるような場面はあまりありませんでした。
たとえば、ネバーランドのセットに照明がつくような“アッと驚く演出”でも、ブロードウェイであれば歓声が上がりそうなところ、ロンドンでは客席が一斉にビクッと反応する程度。声を出して盛り上がるというより、目の前の芸術をじっくり受け止めているように見えました。
このあたりは、日本で観劇する時の雰囲気にも少し近いかもしれません。エンターテインメントとして大きく盛り上がるというよりも、作品の内容や舞台上の表現を集中して味わう観客が多いのかなと感じました。
ちなみに、3都市の中でロンドン公演が最もチケット料金がリーズナブルでした。調子に乗って、かなり前方の席を手配しました☺
ハンブルク(ドイツ)で見たMJ ザ ミュージカル
地方公演のような温かさと、プレビューならではの高揚感
最後に観劇したのは、ドイツ・ハンブルクでの『MJ the Musical』です。ハンブルクでは、街の中心部からフェリーに乗り、川を渡って劇場へ向かうというユニークな体験も面白かったです。
ブロードウェイ、ウエストエンドという世界的な劇場街での観劇とは違い、ハンブルクでの観劇はどこか“地方公演を観に来た”ような特別な雰囲気がありました。これはとても貴重な体験で、正直「来てよかった!」と強く思いました。
ドイツ語での公演ということもあり、客層はほとんどが白人の方でした。アジア人はほとんど見かけず、黒人のお客様もかなり少なかった印象です。スタッフの方々は英語がそこそこ話せるという感じでしたが、温かく、笑顔が多く、劇場全体に新しいショーを迎えるワクワク感が漂っていました。
私が観劇したのはプレビュー期間だったこともあり、客席には少しソワソワしたような期待感がありました。観客の表情や仕草からも、「これから新しい作品を観るんだ」という高揚感が伝わってきて、その空気もとても楽しかったです。
手拍子、長い拍手、先に歌い出す観客。自由で前のめりな客席
↑劇場へ向かうフェリーです。劇場の周りには何もないので、観客も、キャストも、スタッフも全員フェリーで移動します。
さて、ハンブルク公演で何より印象的だったのは、観客の観劇スタイルがとても自由で、なおかつ独特だったことです。
まず面白かったのが手拍子です。曲が始まると、しばらく客席全体で揃った手拍子をして音に乗る場面が何度もありました。ブロードウェイやウエストエンドと比べると、少し地方感のある楽しみ方にも見えたのですが、考えてみると日本のコンサートでもこういう楽しみ方はよくありますよね。
また、拍手にしっかり時間を取るのも特徴的でした。アンサンブルのアカペラに大きな拍手が起こったり、ハリウッドのシーンの「touch a stranger〜♪」の部分でも拍手が起こったり、2度目の『スリラー』の後にはかなり長い拍手タイムがありました。ブロードウェイやロンドンと比べても、拍手の長さは明らかにハンブルクが印象的でした。
さらに、MJより先に歌い出してしまう観客がいたのも面白かったです。ロンドンよりも「マイケル・ジャクソンに詳しい人たち」が集まっているように感じました。わざわざ観に来ている、チケットも決して安くはない、だからこそ選んで来ているファンが多かったのかもしれません。
『ビリー・ジーン』などでは、イントロの時点で先に口ずさんでいるお客様もいて、作品に対する前のめりな期待感が伝わってきました。ハンブルク、自由!
リアクションが素直。受け取った感動がそのまま声になる
ハンブルクの観客は、リアクションがとても素直だったのも印象的でした。
『BAD』の後や、『スリラー』冒頭の子役マイケルの歌声に対して「Oh…」と声が漏れるような反応があり、決して“ここは盛り上がる場面だから声を出す”という感じではなく、受け取った感動がそのまま声になっているようでした。
手拍子も、盛り上がってくると頭の上で手を叩いている人がいたりして、それぞれが思い思いに楽しんでいる様子がとても印象的でした。
MJ役の方は、演技に愛嬌があってとても素敵でした。これから公演を重ねる中で、さらに磨かれていくのだろうなと思うと、今後が楽しみになるようなMJでした。
幕間の過ごし方もまるでオペラのよう
ハンブルクで面白かったのは、幕間の雰囲気です。初めて劇場の客席でアイスクリームを食べました(笑)
ロビーには椅子や机がたくさんあり、皆さんお酒を飲んだり、おつまみやアイスクリーム、プレッツェルを食べたりしながら、ゆったりと休憩時間を過ごしていました。その雰囲気は、まるでオペラの休憩時間のようでした。
服装も華やかで、背中の開いたドレスや、キラキラしたスパンコールのドレスを着ている方も見かけました。ハンブルクでは、観劇そのものがより特別な文化として根付いているのかもしれないと感じ、見ているだけでワクワクしました。
音の良さが印象的だったハンブルク公演
もうひとつ、ハンブルク公演で強く感じたのが音の良さです。
これは劇場の音響が良かったのか、私の座席とスピーカーの位置関係が良かったのかは分かりませんが、前からも後ろからも音がとてもクリアに聞こえました。オーケストラの音も柔らかく、全体的にとても聴き心地が良かったです。ちなみに、ハンブルクの劇場は、ブロードウェイやロンドンと違い、劇場自体に専属のオーケストラが付いているそうです。
特に『Man in the Mirror』の入りの音は、ハンブルク公演ではより繊細で美しく聴こえたような気がして、少し泣きそうになりました。
スーパーボウルのシーンでは、あちこちから聞こえる音や、周囲の観客の歓声に包まれて、まるで本当にスーパーボウルの会場にいるかのような没入感がありました。私は1階席中央の少し後ろの席で観ていたのですが、その位置もかなり良かったのかもしれません。素晴らしい観劇体験でした。
3都市で観て感じた違い
同じ『MJ ザ ミュージカル』でも、都市によってここまで印象が変わるのかと驚きました!とても面白い観劇経験ができたと思います。
ブロードウェイは、とにかく本場の熱量がすごい公演でした。観客もキャストも、マイケル・ジャクソンの音楽を身体で知っているような一体感があり、舞台全体からあふれるエネルギーに圧倒されました。
ロンドンは、より落ち着いて舞台芸術として作品を味わう雰囲気がありました。観客は比較的大人しく、歓声よりも集中して観る空気が強く、整った美しさが印象的でした。
ハンブルクは、観客の反応が素直で自由でした。手拍子をしたり、長く拍手をしたり、思わず声が漏れたりと、観客がそれぞれの形でMJを楽しんでいる様子がとても面白かったです。
ブロードウェイは“エンターテインメント”、ロンドンは“鑑賞”、ハンブルクは“娯楽”という言葉が、それぞれの雰囲気に近いかもしれません。
まとめ:おすすめはやっぱりブロードウェイ!でも、MJ ザ ミュージカルは国ごとに違う顔を見せてくれる
国を越えて広がるマイケルの魅力を感じた
今回、ニューヨーク、ロンドン、ハンブルクの3都市で『MJ the Musical』を観劇してみて、同じ作品でも国や街によってまったく違う表情を見せてくれることを実感しました。
特にハンブルクでは、街そのものについても少し勉強しながら歩いていたこともあり、より印象深い観劇体験になりました。ドイツらしい落ち着きや堅実さを感じる一方で、駆け出しの頃のビートルズを受け入れた歴史もある港町ならではのミックスカルチャーや、外からの文化を受け入れてきた空気もある街なのだろうと感じました。
マイケル・ジャクソンの魅力は、アメリカだけのものではなく、言語や文化を超えて広がっていくものなのだと改めて感じました。そして、この作品をきっかけに、マイケル・ジャクソンの魅力がさらに世界中へ広がっていくのかもしれません。
結局、どこで見るのがおすすめ?
おすすめは?と聞かれると、やはり最も熱量が高く、役者のグルーヴ感にもブラックミュージックのルーツを感じられる本場ブロードウェイを推したいです。ただ、それぞれに違う良さがあり、どれも忘れられない観劇体験でした。
マイケル・ジャクソンの音楽を知っている方はもちろん、そこまで詳しくない方でも楽しめる作品です。ぜひ舞台からあふれるエネルギーを感じるために、劇場へ出かけてみてください!また、弊社では『MJ ザ ミュージカル』の音作りを手掛けたヒロ・イイダさんのインタビュー記事も公開しています。後編ではマイケル・ジャクソン・ミュージカルの見どころについても触れているので、作品の魅力が少しでも伝われば幸いです。
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