ブロードウェイミュージカル ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)チケットと観劇レポート

ミュージカル「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」感想

ブロードウェイ・ジャーナリストの井村まどかです。今回は、2024年の第77回トニー賞で、作品賞を含む13部門でノミネートされ、2部門を受賞した「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」を観に行きました。

アリシア・キーズの半自叙伝的なストーリーで、日本人のお客様にも人気が高い本作品の感想をレポート致します。

ブロードウェイミュージカル「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」とは?

ミュージカル「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」感想 グラミー賞を15回受賞し、アルバムの売り上げが6,500万枚以上にのぼる世界的シンガーソングライター、アリシア・キーズが創り上げたミュージカルです。2024年の第77回トニー賞で、作品賞を含む13部門でノミネートされ、2部門で受賞しています。

アリシアの代表曲「イフ・アイ・エイント・ガット・ユー」「ノー・ワン」など、ヒット曲22曲が舞台で歌われ、彼女の「ニューヨーク」への深い愛情が、舞台全体にあふれ ています。演出は、1996年の『レント』や、2017年トニー賞で『ディア・エヴァン・ハンセン』が輝いた際にも携わったマイケル・グライフです。

アリシア・キーズの半自叙伝的なこの作品は、主人公のアリの自分探し、母との絆、そして音楽との出会いと、彼女が成長していく姿を描いていきます。R&B、ヒップホップ、ゴスペルなど、90年代ニューヨークの音楽カルチャーが濃密に息づき、踊りもヒップホップやストリートダンスを大きく取り入れ、キャラクターたちの感情を丁寧に映し出しながら、活気ある街角の鼓動が舞台上に再現されています。

“ヘルズ・キッチン”とは?

ミュージカル「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」感想 タイトルにもなっているヘルズ・キッチン地区は、マンハッタン西側、タイムズスクエアのすぐ近くに位置しています。 1990年代当時は、雑多で荒っぽく、ストリートのエネルギーがむき出しの地域でした。レストランやバー、古いアパートが立ち並び、移民、労働者、アーティストが入り混じる多様なコミュニティを形成していたのです。

舞台では、タイムズスクエアの華やかさよりも、人間臭さや生活感が前面に出る街として、リアルに再現されています。 この地区は、世界的な成功を収めたアーティストやエンターテイナーを数多く生み出してきた場所でもあります。

ちなみに、アリシア・キーズが育ったアパートのビルでは、彼女が生まれる前、ハリウッド俳優サミュエル・L・ジャクソン(『パルプ・フィクション』『スター・ウォーズ』『アベンジャーズ』などで知られる)が若い頃、夜間の警備員として働いていたことでも知られています。

ブロードウェイミュージカル「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」のあらすじ

ミュージカル・ヘルズキッチン感想 主人公17歳の少女アリは、母一人子一人で質素に暮らし、ネオンがきらめく街を間近にしながらも、滅多に会えない父親との葛藤や、自分の将来への迷いを抱えながら日々を送っていました。

彼女の住むアパートには、住民が自由に使えるピアノのある広間があり、アリはそこで偶然ピアノ教師のミス・ジェーンに出会います。ミス・ジェーンは治癒の見込みのない病を抱えながらも、アリの才能をすぐに見抜き、彼女の音楽の世界を広げる手助けをします。

ある日アリは道端で、プラスチックのバケツをドラム代わりに叩く年上の黒人男性ナックと出会います。恋に憧れるアリの若い心が、アリシア・キーズのラブソングに乗せて瑞々しく描かれます。

一方、母親は10代で妊娠したため、舞台女優の夢を諦め、二つの仕事を掛け持ちして必死にアリとの生活を支えてきました。 娘には同じ過ちを繰り返してほしくない一心で、外界から彼女を遠ざけようとしますが、恋に胸を高鳴らせるアリにとって、それは耐えがたい束縛でした。母親と喧嘩したアリがひとりでピアノの部屋にいると、そこに滅多に会えない父親が現 れます。彼は母親に呼ばれてアリのことを相談した帰りでした。 アリは父親の美しい弾き語りに包まれ、束の間の幸せを感じますが、やがて、父親はどれほど魅力的であっても、頼ることは出来ない人だと悟ります。 

最初はアリの若さゆえに彼女とのデートを拒んでいたナックですが、やがてアリは母親に内緒で彼をアパートに連れてきてしまいます――。

「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」の劇場について

ブロードウェイミュージカル「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」はシューベルト劇場にて公演中。歴史あるシューベルト劇場について、下記のリンク先でご確認いただけます。

今回の座席はここでした

1階オーケストラ席 サイド列より観劇

ミュージカル「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」感想 (スタッフ池田代筆)今回は、1階オーケストラ席のサイドのN列(ORCHO N)で観劇しました。

1階席サイド列は角度がついているにもかかわらず、驚くほど視界が開けており、快適に観劇を楽しめました。写真では前列の頭が気になるように見えますが、実際には高低差がしっかり確保されているため、ストレスなく舞台を堪能できます。

また、「ヘルズキッチン」では、多くの観客に馴染みのある名曲が流れる度に場内の熱気が高まります。1階席ではその熱量が直に伝わり、舞台との一体感を存分に味わえるので、1階席での観劇はぜひオススメしたいです。

ミュージカル「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」の感想・レビュー

「ニューヨーク」をまるごと抱きしめるような愛情を感じて

ミュージカル「ヘルズキッチン(Hell’s Kitchen)」感想 アリシア・キーズはインタビューで「この作品はニューヨークへのラブレターです」と語っており、その言葉通り、「ニューヨーク」をまるごと抱きしめるような愛情が、舞 台全体に溢れていることに気がつくでしょう。

ニューヨークの街の荒っぽさや危うさを描きつつも、決して一面的に「危険な街」とはせず、自由と情熱に満ちた街の魅力が伝わる作品です。ダンスは、キャラクターたちの感情を丁寧に映し出す個性的なスタイルで、活気ある街角の鼓動を舞台上に再現していきます。

ラストシーンではキャスト全員が舞台に登場し、「エンパイア・ステイト・オブ・マインド」を力強く歌い上げます。

♪ 誰もがその名を知る映画のワンシーンみたいな街で育った私ストリートは冷たくて厳しい。
でもこのコンクリート・ジャングルで夢がつくられる。 できないことなんて、何もない。
この街のまばゆい光が、きっとあなたを突き動かす ♪


夢を抱く人々を時に突き放し、時に温かく受け入れるニューヨーク。けれど、自分を信じて謙虚に進むことができれば、人生は必ず応えてくれる――

この作品はそんなメッセージを残してくれます。観客は最後、スタンディングオベーションの中で一体となってこの歌に加わり、高揚と感動に包まれたまま幕が閉じます。

どんな人が楽しめる作品なのか?

R&B、ヒップホップ、ゴスペルなど、90年代ニューヨークの音楽カルチャーが濃密に息づく世界。ダンスもヒップホップやストリートダンスといった、日本ではなかなか見られないスタイルが大きく取り入れられています。あの時代の音楽を愛する方には、きっと最高のエンターテインメントになるはずです。

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