New 42nd Street – ブロードウェイミュージカルの劇場団体
新42丁目(New 42nd Street)は、1990年に「42丁目沿いに位置する劇場の再建築とタイムズスクエア周辺の観光地化の向上」を目的としてニューヨーク州と市によって設立された非営利団体です。
この団体の主な目的は、マンハッタンで一番賑やかな大通り沿い(7番街と8番街の間)に並んだ歴史ある7つの劇場の長期管理と自身が経営する2つの劇場の運営であり、本社も同じ42丁目沿いに構えています。
今でこそ年間6000万人以上の観光客が訪問しているニューヨークですが、目的地とされるブロードウェイの劇場街やタイムズ・スクエア周辺は、1980年代後半まで、重犯罪が多発する危険地域でした。特にタイムズ・スクエア~8番街付近は、売春婦やアダルトショップが軒を連ねるなど、今からでは想像もできないような景観でした。そんな犯罪都市として有名であったニューヨークは、1980年代頃から観光地客が激少し、本来演劇の会場として使用されていた劇場も映画館やテレビスタジオとして使用されれることが多くなっていました。
そこで、1990年代に入った頃、ニューヨーク市長に就任したルドルフ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani)がニューヨーク州と市と連携して、犯罪で荒れ果てていた42丁目の治安改善と42丁目に位置する7つの劇場を再開発することよって、42丁目の活性化を目的とした劇場再建築計画「The Redevelopment of 42nd Street」を打ち出し、その計画を全面的に担う団体として「新42丁目(New 42nd Street)」を設立しました。
新42丁目が最初に再建築を行った劇場は、1900年に建築された「ビクトリー劇場(Victory Theater)」でした。この劇場は元々演劇会場として開業するも幾度となく所有者が変わり、1930年代~1940年代は映画館として使用されていました。1940年代以降廃墟化していたこの劇場に目を付けた新42丁目は、1990年に劇場を買い取り、約11.4万ドル(日本円約1,282億円)を掛けて再建築を行いました。後の1995年に、子どもや家族向けの演劇、サーカス、人形劇、オペラ、ダンスなど、ファミリー・エンターテインメントに焦点を当てたオフ・ブロードウェイ劇場として再オープンし、劇場名を「ニュー・ビクトリー劇場(New Victory Theater)」に改名しました。現在も新42丁目の所有劇場として運営を行っています。
続いて新42丁目は、42丁目に隣接して建てられていた「アポロ劇場」と「リリック劇場」の劇場再建築を開始しました。1903年に建設されたリリック劇場と1910年に建設されたアポロ劇場は、当時劇場として開業するも世界大恐慌の影響で映画館に姿を変えていました。そこで、1996年にニューヨーク州と市が協同してアポロ劇場と旧リリック劇場の所有権を買い取り、2つの劇場を保護下に置いた後、1年がかりで取り壊して座席数1,900席の1つの劇場に建て替えました。現在の「リリック劇場(Lyric Theatre)」の歴史は劇場詳細ページを御覧ください。
1933年に建築されたリバティー劇場は、2000年にエンターテインメント会社「フォスター・シティ・エンタープライズ(Forest City Enterprises)」の複合施設の一部として再建築が行われ、蝋人形で有名なマダムタッソー館(Madame Tussauds New York)やライブレストラン「リプリーズ・ビリーブ・イット・オア・ノット!(Ripley’s Believe It or Not!)」や、全米展開しているゲームセンター・チェーン「Dave & Buster’s」として再オープンしました。
1918年に開業したセルウィン劇場は、ヒットミュージカル作品を輩出するも世界恐慌により約60年間ほとんど使用されていませんでした。その後1992年に、新42丁目が劇場再建築計画の劇場の1つとして買収しますが、他劇場の再建築を行っていた新42丁目は、すぐには改装をを行いませんでした。そこに目を付けた運営会社「ラウンドアバウト・シアター・カンパニー(Roundabout Theatre Company)」がセルウィン劇場を約24万ドル(日本円約23億円)を掛けて修復することを打ち出し、運営権を譲り受けました。改装工事後、2000年7月27日に座席数750席の「アメリカン・エアライン劇場(American Airlines Theatre)」へと改名し、再び劇場として再オープンしました。 2023年、ラウンドアバウト・シアター・カンパニーが同社の名誉役員のにちなんで「トッド・ハイムズ劇場(Todd Haimes Theatre)」と改名をしています。
7つ目の劇場となるタイムズスクエア劇場は、1920年に演劇会場として開業しました。しかしヒット作品に恵まれなかったタイムズスクエア劇場は、後にプライベートライブ会場や映画館として姿を変えます。その後、1990年代以降廃墟化していた劇場を、ニューヨーク市と新42丁目が買い取りますが、タイムズスクエア劇場の出入り口は42丁目側にしか存在せず、機材や小道具の積み込みが難しかったため、すぐに修復作業が開始されませんでした。
42丁目に位置する「エンパイア劇場」はタイムズスクエアを代表する遊楽施設へと変貌しました。
1912年に著名建築家トーマス・W・ラム(Thomas W. Lamb)によって建築されたエンパイア劇場は、1998年に新42丁目による劇場再建築が行われました。劇場から映画館として使用されていたこの劇場は巨大な敷地であったことから、42丁目の遊楽施設としてそのまま映画館として利用することを決定し、25スクリーンを所有する巨大映画館「AMC Empire 25」の名で再オープンを果たしました。
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7つの劇場再修復を行った新42丁目は、2000年に自社の本拠地となる10階建ての舞台芸術複合施設「New 42nd Street Building」を42丁目沿いに建設しました。建物内には、新42丁目を含む7つの非営利団体が使用する3階のオフィススペースやリハーサルスタジオ「New 42nd Street Studio」に加え、非営利団体や商業舞台芸術団体に向けて貸出を行っていた座席数200席のオフ・ブロードウェイ劇場「デューク・オン・42ストリート(The Duke on 42nd Street、2019年に閉館)」が含まれます。42丁目の再建を行い、タイムズスクエア周辺を観光地として復活させた新42丁目は、今日のニューヨークの舞台芸術を支えています。
ブロードウェイの劇場会社、新42丁目が運営しているニューヨークの劇場一覧です。
ザ・ニュービクトリー劇場
デューク・オン42ストリート
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