ミュージカル パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々(The Lightning Thief)チケットと観劇レポート

ミュージカル「迷子の警察音楽隊」感想

今回はブロードウェイミュージカル「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃(Percy Jackson the Olympians, The Lightning Thief)」を観劇してきました。
原作は小説ですが、2010年にハリウッド映画で実写化されているという事で、まず映画を見てから望みました。
早速、Netflixで映画を見ましたが、「あの怪物をどうやって舞台で表現するんだろう?」という良い意味での期待と、ページの後半で説明しますが、「どうなってしまうのだろう」という悪い予感がしながら劇場へと向かいました。コメディ要素も強い本作品の魅力を紹介したいと思います。

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃 作品概要

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃(The Lightning Thief)
本作品は、ニューヨーク・タイムズのベストセラーに選ばれた小説「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」を基にしています。2010年に、FOX配給で、ハリウッド映画として実写化され、ハリーポッターの映画制作スタッフが手掛けたことで有名になりました。

実際、映画は世界興行収入が200億円を超える大ヒットとなり、主人公を演じたローガン・ラーマンは一気にスターダムを駆け上がる事になりました。

ミュージカル版は、2017年にオフ・ブロードウェイでの公演が決定し、同年のドラマディスク賞(オフ・ブロードウェイ作品におけるトニー賞のようなもの)を受賞しました。その後、シカゴでの公演を経て、2019年9月から16週間限定の特別公演として、堂々のブロードウェイデビューとなりました。

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々のあらすじ

主人公のパーシー・ジャクソンは、ごく普通の高校生ですが、学校生活に慣れず、家に帰れば酒浸りの母の恋人が入り浸っており罵られ、うんざりした生活を送っていました。

そんなある日、学校の課外授業で、引率の先生が突然モンスターに変わり、「ゼウスの稲妻を返せ」とパーシーを襲ってきます。その事件をきっかけにパーシーは、自分が「海の神:ポセイドン」と「人間」の間に生まれた「神と人間のハーフ:デミゴッド」であることを知り、さらにゼウスの稲妻を盗んだ疑いで、神々から狙われていることを知ります。

襲い来る謎のモンスター達から逃れるために、デミゴッド専用の戦士訓練所に向かうこととなったパーシーですが、途中で冥界の神・ハデスの襲撃によって、最愛の母を亡くす事になってしまいます。訓練所で知り合ったルークスから、ハデスがゼウスの稲妻を盗んだ犯人であることを聞き、ハデスから稲妻を取り返し身の潔白を証明することが出来れば、母を生き返らせることが出来ることを教えてもらいます。

方法は一つ、ハデスの住んでいる冥界には死者の魂があり、クエスト(試練)を攻略することで、ゼウスの稲妻を取り返すというものでした。果たして、パーシーはハデスから稲妻を取り返す事ができるのか。最愛の母と再会する事ができるのか。パーシーのクエストへの大きな挑戦がここから始まります…。

パーシージャクソンはロングエーカー劇場で公演中

ロングエーカー劇場(Longacre Theatre)

ロングエーカー劇場(Longacre theatre)正面玄関の様子
日本ではあまり知られていませんが、ロングエーカー劇場(Longacre Theatre)は、劇場の案内係から着実に経験を踏み、最終的には劇場のオーナーまで上り詰めた、ハリー・フレイジー(Harry H. Frazee)という人物が建設した事で有名な劇場です。
ちなみに、本作品が公演される前は2019年トニー賞作品賞にもノミネートされたプロムも公演されていました。

住所:220 W 48th St, New York, NY 10036

20世紀に名を馳せた建築家、ヘンリー・ハーツが手掛けた豪勢な内装を持つロングエーカー劇場の基本情報、創立者の生い立ち、劇場の建築については、詳細ページをご覧ください。

ロングエーカー劇場の特徴

敷地面積が小さく、ステージまでの距離が近いロングエーカー劇場
入場時、スタッフさんに1番最初に言われたのは「トイレやバーカウンターは地下1階だよ」ということでした。地下?というのも納得、会場は想像していたよりコンパクトで、ステージから各階の一番後ろの席まで、非常に近く感じました。

というのもロングエーカー劇場は、敷地面積が小さい代わりに、地下1階~3階までの高さがあり、どこの座席からでも見えやすいように作られているからです。裏を返せば2階と3階は高さと傾斜がありますので、階段の段数が多いように感じました。(運動不足の私は、2階まで登ると息があがりました。(笑)

今回の座席はココでした

チケット券面 MEZZO F 9 の見方:

ミュージカル劇場の座席番号
Mezzanine Odd = 2階メザニン席 奇数列(ステージ向かって右側)
F列(前から9列目)のシート番号F(通路から5席目)


「MEZZO」(Odd=奇数)という意味になります。係員にチケットを見せると席に誘導してくれるので、観劇前から心配する必要はありません。また、案内をしてもらう時に、劇場冊子PLAYBILLもGETしましょう。

英語で書いてあって読んでも…と思わる方も、冊子の真ん中のページに写真付きのキャスト紹介がありますので、観劇前に是非チェックしてみてください。

パーシー・ジャクソン公式グッズ(限定販売)

スタッフおすすめのワッペン(右側)は$18
期間限定公演ではありますが、予想以上にお土産コーナーも充実していました。多くの子供ファンの為に、特別カクテルのKIDSドリンクも用意されているなんて流石です。

劇場限定のグッズ(一部公式サイトで購入できますが、日本へは配送できません)も是非お求めください。

定番のTシャツ($30)よりも、個人的にはワッペン3つセットがおすすめです。日本で安くて質のよいTシャツやトートバックをご購入いただき、アイロンでワッペンをつけることで、自分だけのオリジナルのグッズとしても楽しめます。また3つで1セットですので、ご同行者様とお揃いで(割り勘すればよりお得に)観劇の思い出の品としてお持ち帰り頂くことも出来ます。

観劇後の楽しみ方!キャストの出待ちを体験

主役:パーシー・ジャクソン役のクリス・マカレル(Chris McCarrell)
Playbill(劇場でもらえる冊子)にサインしてもらうため、出待ちを行いました。出待ちスポットは、正面玄関(ウェスト48丁目)の左側です。公演終了後、すぐに出待ちポイントに向かいましたが、本公演が16週間限定ということもあり、既に人だかりが出来ていました。

今回の出待ちで印象的だったのは、主役を含む登場人物全員が出てきたこと、そして他の作品に比べてキャスト全員がかなり若かったことです。まだまだこれから活躍する役者さんなのかな?と思いながらも、迫力のステージを観た後だったので、全員のサイン入りが書かれたPlaybillは、ミュージカルの貴重な思い出の品となりました。

※クリックして画像を拡大

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々観劇後の感想まとめ

冒頭で述べましたが、今回は映画を観たあとでの観劇で、「どんなステージになるのか」という期待と共に、不安の要素もありました。というのも、実は観劇前に監督のインタビュー記事を読んだのですが、その中で「低予算でどこまでクオリティ高く作れるか模索した」という言葉を発見したからです。

今まで多くのミュージカルを観てきましたが、低予算を意識して作られた作品というのは初めてで、安っぽい着ぐるみばかりを観るのは嫌だな、、、と正直思っていました。

低予算ミュージカルの象徴?トイレットペーパーを多様

トイレットペーパーを「水」に見立てる演出
海の神:ポセイドンと人間のハーフであるパーシーは、「水」を操って戦います。観劇の前は、どのように水を演出するのか、アナと雪の女王(Frozen)のようにプロジェクションマッピングを利用するのか?と楽しみにしていたのですが、いい意味で期待を裏切られました。

というのも、水の演出として利用したのが「トイレットペーパー」だからです。横の画像のように、パーシーが水を扱う度にトイレットペーパーが空中を舞っていました。ピンチの時に敵に向かって放つ必殺技のかっこいいシーンでも、トイレットペーパーの水に観客からドッと笑いが湧いていました。笑

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々は、1人7役で演じられる

出演者全員が劇の終了時に挨拶をする「エンドロール」で気づいたですが、役者はなんとたったの7人でした。

それぞれの演者は、歌い方・衣装も全く変えて複数のキャラクターを演じていたので、エンドロールまで全く気が付きませんでした。そして後日調べて分かったのですが、実は7人で47人以上のキャラクターを演じていたんです。

カーテンコールの様子、たった7人で47人以上の役
個人的に一番驚いたのは、パーシーの母役を演じたジャリン・スティール(Jalynn Steele)です。母のサリーを演じているときは、優しい母性溢れる歌声なのですが、魔界への案内人役(ショーガール)を演じてた時は、低音のかっこいいお姉様(というか女王様)で、後日、同じ役者が演じていたと気が付き、そのギャップに驚かされました。

1人で何役も演じることができ、声色も変わって、その場で気づかないほど、役にハマっているなんて、、、。何度見ても本場ブロードウェイのミュージカルはかっこいいなと身震いしました。

若者の葛藤を描いた青春物語

若者の葛藤を描くミュージカル:パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々
トイレットペーパーが飛び交ったり、ショーガールが出てきたりと終始コメディ要素の多い演目でしたが、最後になって、この作品が社会に不満を抱く若者の物語であることも分かって来ました。

これは映画版のネタバレとなりますが、ゼウスの稲妻を盗んだ犯人は主人公の友達、デミゴットで、神々が支配している今の世界は間違っていると、稲妻を盗み混乱を招くことで、世界を壊そうとします。

ミュージカル版は少しストーリーは変わっていますが、最後は社会に不満が有るのならば自分から立ち上がってぶつからないといけないという強いメッセージで締めくくられます。主人公を含めた若者たちは神と人間の子供(デミゴット)であり、言い換えればどちらの世界にも入れない半端者です。時として間違った方向に進むこともありますが、自分の居場所を社会の中に作ろうとする彼らの姿に、コメディ要素はどこへやら、最後にはなぜか考えさせられている自分がいました。

低予算」と聞くとマイナスに考えてしましますが、工夫に富んだ演出で逆に笑いに変えていますし、7役も演じている各役者の演技はまさに必見です。

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