ミュージカル トッツィー(Tootsie)チケットと観劇レポート

ミュージカル「トッツィー(Tootsie)」感想

今回はマーキス劇場で公演されていたミュージカル「トッツィー」を観劇してきました。
1982年に大ヒットしたコメディ映画「トッツィー」は、若かりし頃の役者ダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)が女装した事で有名ですが、今回のミュージカルでは、ディズニーミュージカル「アナと雪の女王(FROZEN)」でハンス王子を演じたサンティノ・フォンタナ(Santino Fontana)が女装をしていることで話題を呼んでいます。映画の面白さをそのままミュージカルへ持ってきた、本作品の魅力をレポートしたいと思います。

ミュージカル「トッツィー(Tootsie)」あらすじ

全米放送のABCテレビが「今期絶対見ないといけないミュージカル!」と称賛
実力はあるが頑固な舞台俳優マイケル・ドーシーは、犬猿の仲にあるディレクターとの大喧嘩をきっかけにミュージカル業界から締め出されるはめに。

どうしようも無くなった彼がとった最後の手段は、女装をして女優「ドロシー・マイケルズ」になりきる事。女優としてオーディションに受かり、他の演者と協力しながら、作品を大成功へと導いていきます。

しかし、主演女優ジュリー・ニコルズと過ごす時間が増えるに連れて、彼女の事がだんだん好きになり、ついには性別を偽ることに限界を感じ始めます。果たして女優として成功してしまった彼が選んだ行動とは、、、

本作品のあらすじ、見どころなどについて詳しくは、詳細ページをご覧ください。

マーキス劇場(Marquis Theatre)で公演中のトッツィー

マーキス劇場(Marquis Theatre)

ホテルの2階にある劇場の入口
マーキス劇場(Marquis Theatre)はマリオットマーキースホテルの中にあるので、まずホテルに入り、エレベーターで2階に上がってから劇場の入口へと向かいます。

ちなみに同じブロック内にはハミルトンが上映中のリチャード ロジャース劇場(Richard Rodgers Theatre)、また通りの向かいにはライオンキングのミンスコフ劇場(Minskoff Theatre)など、たくさんの劇場が隣接しています。

他の劇場に比べて新しく、またホテルの中にあるので、綺麗で、落ち着いている印象を受けました。またバリアフリーがコンセプトの一つとなっており、全ての階段の傾斜は緩やかで大きめの手すりがついており、足腰が弱い方でも問題なく入場できるようになっています。

住所:210 W 46th St, New York, NY 10036

ブロードウェイで2番目に新しい現代的なマーキス劇場の特徴、座席配置、建築様式などについて詳しくは、詳細ページをご覧ください。

トッツィー観劇前のチェックポイント

ホテル内の廊下に並ぶ歴代のミュージカルのポスター
ホテルと劇場をつなぐ廊下には、歴代ミュージカルのポスターがずらりと並んでいます。ミュージカルの歴史を感じるとともに、自分の好きな作品をこの中から探すのも楽しみの一つですね。そして、劇場に入って左側には公式グッズ売り場があり、2階の階段を上がった正面にはバーがあります。

グッズ売り場では、Tシャツなどの衣類が多く目立ちましたが、トートバックなどの小物もあり、女装モノのコメディ映画らしく「女になるのは男の仕事じゃない(Being a woman is no job for a man)」と書かれたアイテムが陳列されていました。 原作となる映画は1982年に公開されていますが、見に来ている客層は思ったよりも幅広く、公演中に各所から子供の笑い声も聞こえました。

※クリックして画像を拡大

今回の座席はココでした

チケット券面 MEZZL B 11 の場合:

今回の座席は2階メザニン席の左側、B列の11番
Mezzanine Left = 2階メザニン席 左側
B列(前から2列目)シート番号11(通路から6席目)


座席の傾斜も比較的緩いマーキス劇場ですが、前の座席との幅が十分に広く、視界が遮られるような事はありませんでした。2階から観て印象的だったのはバンドのコンダクターの姿が観えたことです。

女性のコンダクターで、演者のタイミングにあわせて、バンドを指揮する後ろ姿はとてもかっこよかったです。トッツィーは大きな舞台装置が何度も入れ替わりますので、少し離れた座席でも、全体の様子がよく分かって楽しむことが出来る演目となっています。

トッツィー(Tootsie)を見た感想まとめ

本作品は「ミーンガールズ」や「ビートルジュース」のように大ヒット映画を原作としています。基本設定は変わらず、世界観もそのままなので、映画ファンの方の本作品への期待は大きいのではないでしょうか。

ストーリーはミュージカル用に変更が加えられ、女装をした主人公が、ミュージカルを仕上げていく過程が話の軸となっています。映画を知っていて興味を持たれた、または、ミュージカル初心者という方に、ピッタリの作品です。

第73回主演男優賞受賞:サンティノ・フォンタナの歌声と早着替え

男の格好をして、女物のバッグ、そしてヒールを持って帰宅
みどころはなんと言っても、サンティノ・フォンタナの歌声です。男声で歌う太くてたくましい歌声と、女声で歌う高くて綺麗な歌声は、同じ演者がやっているとはとても思えない程圧巻です。

また、めまぐるしく男と女を作品中に何度も行き来するので、宝塚ばりの早着替えが何度も行われます。男の姿はあまりパッとしない彼が、真っ赤なドレスを着た姿はとにかく映えますので、是非とも注目してください。そして彼はこの作品で、演技が評価されて、第73回トニー賞で主演男優賞を受賞しました。彼の演技にぜひとも注目してみて下さい。

英語が分からなくても笑えるジョークあり

1982年公開の映画のポスター
元々がコメディー映画なので、設定・ジョークを含めて誰でも笑えるミュージカルになっています。好きな女性に「女」として好かれ、またついには迫られて葛藤する主人公の姿には、会場から何度も笑いがおきていました。他にも女装した主人公を好きになりすぎた若い舞台俳優は、お腹に彼女の顔のタトゥーを入れてしまったりします。

また、舞台監督がダンスの振り付けを説明する場面では、日本で言う「3回回ってワン」のように「猫、猫、ウサギ、ウサギ、3回まわってパン」など踊りながら説明しています。アメリカンジョークを笑うには言葉の壁がありますが、本作品に関しては英語が苦手でもお腹のそこから笑えます。

映画の世界からミュージカルの世界へ

面白く、かつ、華やかに仕上がっているミュージカル
本作品の最後は「僕は男として女性のそばにいるより、女性として君のそばにいるほうが良い男だ。(I was a better man with you as a woman than I was with a women as a man)」と締めくくられます。話の筋が違っても着地点が映画と同じであることに、原作への深いリスペクトを感じました。

またストーリーはミュージカルの仕上がっていく過程や舞台裏などにも触れていますので、ミュージカルの素晴らしさ、面白さを全面に押し出した作品となっています。観終わった後はなんだか「ミュージカル通」になれたような気がしました。映画の世界からミュージカル舞台へと飛び出した本作品は、原作ファンに留まらず、ミュージカル初心者にもぜひともおすすめの作品です!

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