ミュージカル 迷子の警察音楽隊(The Band’s Visit)チケットと観劇レポート

ミュージカル「迷子の警察音楽隊(The Band's Visit)」感想

今回は、2018年のトニー賞で11部門ノミネートされたブロードウェイミュージカルの人気作「迷子の警察音楽隊(The Band’s Visit)」に招待されました。
舞台「Angeles in America(エンジェルス・イン・アメリカ)」と同じ最多数ノミネートした作品という事で、期待を膨らませて観劇して来ました!

ミュージカル:迷子の警察音楽隊(The Band’s Visit)作品概要

迷子の警察音楽隊のあらすじは、エジプトの警察音楽隊がひょんなことからイスラエルの砂漠にある辺境な村に送り込まれてしまうところから始まります。言葉も通じない、文化も異なるエジプトの警察隊を、イスラエルの田舎の住人たちが助け、次第に交流を深めていく様子を描いた物語です。

この作品は、2007年に公開されたイスラエルの映画が原作となっていて、異国の人間同士が持つ悩みや、分かち合いの大切さなどを、歌や楽器、音楽を通して表現している作品となっております。

作品のあらすじ、見どころなど詳しくは、以下のリンク先の詳細ページにまとめていますので、是非ご覧ください。

2018年のトニー賞(第72回)に合計11部門ノミネート

エセル・バリモア劇場に飾られたトニー賞ノミネートのポスターを発見
ブロードウェイの頂点を決めるトニー賞(2018年)で合計11部門ノミネートしています。

ミュージカル作品賞主演男優賞主演女優賞演劇装置デザイン賞演劇照明デザイン賞など、様々な部門でノミネートしている作品なので是非注目です。

迷子の警察音楽隊はエセル・バリモア劇場(Ethel Barrymore Theatre)にて上演中

エセル・バリモア劇場(Ethel Barrymore Theatre)

エセル・バリモア劇場にて上演中の迷子の警察音楽隊
バリモア劇場は、1928年にブロードウェイ最大の劇場運営会社「シューベルトオーガニゼーション」が建てた最後の劇場です。シューベルトオーガニゼーションと深い関わりを持つ劇場設計士のハーバート・クラップによって建てられ、当時絶大な人気を誇っていた名女優エセル・バリモアの名前が由来となっています。

ブロードウェイにあるほとんどの劇場は、開業から劇場名が変わることが良くありますが、エセル・バリモア劇場は、開業から現在に至るまで劇場名及び所有者が一度も変わっていない有数な劇場として知られています。

住所:243 W 47th St, New York, NY 10036

エセル・バリモア劇場の基本情報、劇場の建築についてなど、詳しくは劇場詳細ページをご覧ください。

今回の座席はココでした

チケット券面 RMEZZ E 24 の見方:

ミュージカル劇場の座席番号
Mezzanime Right = 2階メザニン席の偶数席(右サイド)
E列(前から5列目)のシート番号24


シート番号24は、2階フロントメザニン席右サイドの壁側通路側の座席となります。100番台はオーケストラ中央部。数字が大きいと通路側、数字が小さくなるほど中央のお座席になります。

通路側はお手洗いに行きやすい場所ですが、真ん中のお座席の方が座席を離れる際には、立って道を開けなければなりません。

ミュージカル迷子の警察音楽隊は1階オーケストラ席がオススメ!

2階メザニン席からのステージの見え方
エセル・バリモア劇場は、収容人数1,096人と、さほど大きな劇場ではないため、劇場全体をギュッとまとめたような造りになっています。1階オーケストラ席は18列しかないので、舞台との距離がとても近くなり、役者の演技の細かい表情や動く舞台をより体感できるようになっています。

また、役者が実際に楽器を演奏するシーンも見どころになりますので、生演奏を近くで見ることができる1階オーケストラ席がおすすめです。日本人にあまり馴染みのない中東音楽は、より作品の世界観に入り込むことができます。

休憩時間は迷子の警察音楽隊公式グッズをチェック

グッズショップはボックスオフィスの隣と地下1階
メインのグッズショップは劇場の地下一階にあり、ロゴ入りのT-シャツ、パーカー、マグカップやキャップなどが販売されています。作品に欠かせない指揮棒や今回の作品のためにイスラエル人デザイナーが特別に制作したジュエリーなどもおいてあります。

エセル・バリモア劇場のトイレは地下一階にあり、休憩が一切ない、1時間30分の短い公演となっておりますので、お手洗いは観劇前がおすすめです。

迷子の警察音楽隊観劇後の感想まとめ

今回の公演はトニー賞ノミネート発表の直後だったという事もあり、場内は満員でした。1時間半しかない短い公演の中でどのような演技を魅せてくれるのだろうと観劇前は期待を膨らませて待っていました。

今回私が座った座席は2階メザニン席前方セクションの最後列でしたが、想像していたより舞台が近くステージ全体が見渡せたので、舞台装置の変わりようやローラースケートでのシーンなどがよく見れました。5月にもかかわらず劇場内は冷房がかなり効いていたので、上着を持ってきて正解でした。

音楽を通して心を通わせる

登場人物全員が中東訛りの英語で話しているので、何を喋っているのか聞き取りにくい部分はありましたが、集中して見ていくうちに、自然と聞き取れるようになっていたのも不思議な気分でした。まさに、アラブ人とユダヤ人が次第に理解しあえているのと同時に、自分たちも作品に対して理解しようとする意識が重なっているようでした。

キャスト皆が歌う時に発音の良い英語に戻るのが少しおかしくて、クスッとしちゃいましが、一人だけ歌うときも訛りを通して歌っていたのが、ミュージカル主演女優賞にノミネートされたカトリーナ・レンク(Katrina Lenk)でした。彼女だけ、演技している時も歌っている時もずっとアラブ訛りを貫き通していて、キャラクター(ディナ役)に憑依して凄い気合だなと思いました。全身を注いでディナ役を演じていたからこそ今回のトニー賞ノミネートにも繋がったのかなと感心しました。

この作品は、異国に迷いこんでしまったエジプトの警察音楽隊とそれを助けるイスラエルの田舎の住人たちのたった一晩のお話ですが、異国の人間同士が持つ障壁や葛藤などとても人間味のある内容を歌や音楽で表現しています。演出・構成・役者の演技全てが完璧にマッチしていて、とてもよく仕上がった劇だと思いました。

特に楽器の生演奏は観ている人の心を惹きつけるほど圧巻で、打楽器をリズミカルに叩く演奏は見どころです。是非一度ご覧ください!

フィナーレでサプライズゲスト登場

フィナーレ後のサプライズ演奏
ミュージカル終了後、なんとサプライズで本物のニューヨーク市警察の音楽隊が登場しました!

1991年から指揮者として音楽隊を引っ張っているトニー・ジョルジオ(Tony Giorgio)指揮のもと、ステージに上ったバンドは「ニューヨーク・ニューヨーク(New York, New York)」を生演奏!

その後はキャストのアレキサンドリア音楽隊と夢のコラボレーションを果たし、貴重な時間を過ごせました。

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