こんにちはスタッフ池田です。
この度、スタッフ水木と共に、初めてのスリープ・ノーモアを観劇してまいりました。
本公演は、ブログなどで紹介している芸能人の方も多々おり、また、ハマりすぎてなんと5回も観に行ったという友人もおり、「何がそこまで人を魅了するのだろうか?」と、興味を惹かれていた作品でした。
観劇中は本作品の独特の世界観に魅了され、それでいて謎、謎、謎の連続でしたが、やっと頭の整理がついた今、最終的な感想は、こんな体験したことがないと、噛み切れない部分が多すぎるの2つです。
そこで今回の観劇レポートは、この謎めいた演目をより深く理解するために、作品の解説を中心に書き上げました。(※ネタバレを多少含みます。)見どころは抑えたい!という初めての方はもちろん、何度も通っているファンの方にも楽しめる内容になっていますので是非ご覧ください。
スリープ・ノーモア(Sleep No More)について
ちなみに題名である「スリープ・ノーモア」は、ストーリーの基となった戯曲「マクベス」の実際の一文から取られています。寝ている主君を自らの手で殺めたマクベスは、いつか自分も誰かに寝込みを襲われるのではないかと疑心暗鬼となり、「Sleep No More(もう眠るな)」という声が聞こえるようになります…。作品のあらすじは詳細ページをご覧下さい。
他のスタッフの体験レポートもあわせて読もう
こちらのレポートは第三回目の体験レポートとなっていますので、まだ他の体験レポートを読まれていない方は古い記述のものから順に読まれる事をおすすめします!
- 第一弾:2018年7月10日更新
スリープ・ノー・モア初体験レポ - 第二弾:2018年7月23日更新
また行ってきた!スリープノーモア写真付きレポ - 第三弾:2019年10月22日更新
このページのレポートです!
スリープノーモアの会場はマッキトリック ホテル
マッキトリックホテル(The McKittrick Hotel)
The McKittrick Hotelは廃墟として長年放置されていたこともあり、外観だけ見ると少し不安になりますが、入場時間帯はホテル前に列が出来ていますので、心配する必要はありません。
なぜこんな建物で公演をしているのか、疑問に思われる方もいるかも知れませんが、実はこの会場は、Sleep No Moreの制作陣が上演するにあたり、マンハッタン島のありとあらゆる建物の中から、選び抜いた会場となります。
スリープノーモアの予約方法をおさらいする
今回は19時半で予約しましたが、19時には会場の前に到着して列に並びました。というのもスリープ・ノー・モアの予約時間は少し変わっているからです。
スリープ・ノーモアの公演時間について
そして、予約時間は1回目の公演中のどこか(19時~20時)となり、細かい時間指定があるわけではないので、19時前には会場に着いて、早めに入場した方がより長く、作品を楽しめるということになります。
スリープ・ノーモアはチケットが存在しない
そこで予約名をスタッフに伝えると、トランプのカードが渡されます。
待合室となるバーへと進んだら、渡されたトランプの番号が呼ばれるまで、お酒でも飲みながらくつろいでいればOKです。ちなみに、仮面は番号が呼ばれた後、エレベーター内で配られます。
スリープノーモアをより楽しむために
スリープノーモア:事前に知っておくべき3つの心得
- ① 個人行動を楽しむ事
- ② 2人以上で行くときは事前に集合場所を決めておく事
- ③ 動きやすい服装(スニーカー)で行くこと
①Follow your Instinct(本能が赴くままに)Sleep No Moreはとことん1人行動
スタッフ水木と池田、2人の番号も呼ばれて、いよいよパフォーマンスエリアへと向かいました。
今回はたまたま同じエレベーターに乗りましたが、基本的には、バーを出た時から最後まで、1人で行動することになります。会場スタッフからも、「自分が気になった場所に1人で突き進んで行く事」をおすすめされました。個人行動が本作品を楽しむ秘訣のようです。そしてこの忠告に伴い、2名以上で向かわれる場合は、カードの番号が呼ばれる前に、終了後の集合場所を決めておくといいでしょう。
②再集合場所はマンダレイ・バー(MANDERLEY BAR)
ただ、公演の終了時は100人近い人たちがパフォーマンスエリアからバーを経由して、玄関まで一気に移動するので、確実にお連れ様に会えるよう「トイレの前で会おう」などバー内での場所も決めておくことを推奨します。
③軽装・スニーカー必須!とにかく歩き回るマッキトリック ホテル内
公演が始まると、ビルの非常階段のような狭い階段を、気になる演者を追って、何度も往復することになります。演者の動くスピードがとにかく速く、また、場合によっては、砂の上を歩くことにもなったり、血糊や水が飛んできたりします。なので、当日はスニーカー(動きやすい靴)を履き、またいわゆる正装ではなく、動きやすい服装で向かいましょう。
【徹底解剖】スリープノーモア
スリープノーモアを初めて観る人は、「わたしは何を観ているのだろうか…?」と頭を捻りながら観る人が大半ではないでしょうか。
我々2人は、前回、また前々回の観劇レポートを読み込み、またストーリーの基となった戯曲「マクベス」まで読み返してから望みましたが、それでもマクベスには登場しないサブキャラクターが登場してくると、何が起こっているのか分からなくなりました。
しかし、スリープノーモアについて知れば知る程、そのたくさんの伏線と各キャクターに魅了され、これを事前にわかっていれば、もっと楽しめたのに、、、と思うようになりました。
という事で、ここからはネタバレ中心で、謎に包まれた本作品を徹底解剖したいと思います。当日のサプライズを大切にされる方は、ここからは読まないことをおすすめしますが、せっかくの観劇を何倍も楽しむ為には、事前に重要なポイントを押さえておいても決して損はないと思います!また、既に観たことがある方は、紐解きとして一読してみてはいかがでしょうか。
The McKittrick Hotel:館内案内
まず、各フロアに何があるのかを事前に知っておきましょう。なお、2階にある発着点のバー(MANDERLEY BAR)には観劇中いつでも戻ってきて、休憩することもお手洗いに行くことも出来ます。
1階: | ダンスホール、寝屋、地下聖堂 |
---|---|
2階: | マンダレイ・バー(発着点)、ロビー、お手洗い |
3階: | 住宅(マクダフ夫妻の部屋、マクベスの寝室)、墓地、彫刻庭園、中庭 |
4階: | 剥製師の店、仕立屋の店、ヘカテーのバー、暗室 |
5階: | 療養所(浴室、病床) |
これだけは抑えておきたい!スリープノーモアの名シーン
Sleep No Moreは、基本的にはそれぞれのキャラクターが、それぞれの場所でストーリーを繰り広げていますが、作品のキーとなるシーンでは、全員が一堂に会したりします。以下の主要場面は3時間続くストーリーの中で、特に重要な場面なので、当日も是非押さえておきましょう。
※館内撮影不可の為、以下の画像は全てイメージ画像です。
①最初の予言
場所:2階のロビー3人の魔女がホテルのカウンターでマクベスに第1の予言をします。魔女達はマクベスに対し「万歳、コーダーの領主よ。万歳、いずれ王になるお方よ。」と呼びかけ、バンクォーには「王にはなれないが、子孫が王になる」と予言し消え去りました。マクベスはかねてより王位への野望を心に秘めていたこともあり、魔女の予言に秘かに希望を膨らませました。
②舞踏会(※3度あり)
場所:1階ダンスホール散らばっていたキャストが一気に集合し、ダンスホールで踊るシーンです。それぞれのキャラクターを追いかけていた観客たちもおのずと集まることになります。
マクベスは2階におり、怒った様子でダンスシーンを睨んでいます。セクシー・ウィッチがマグダフを魅了し、マグダフの妻はキャサリン・キャンベルが差し出した毒入りミルクを飲んで倒れます。1度目の舞踏会の後、ダンカン王はマクベスに殺されます。
③宴会(※3度あり)
場所:1階ダンスホールダンスホールに大きな横長の机が登場します。ほとんどの登場人物が席に付いた後、マクベス夫妻が現れます。バンクォーが血まみれの幽霊のような容姿で遅れて現れます。
宴会後、登場人物たちが去り、マクベス夫妻が残されますが、突然マクベスがマクベス夫人を見捨ててその場から出ていき、夫人が途方に暮れるところでシーンが終わります。
④第2の予言
場所:4階ガロウ・グリーンのヘカテーのバー(剥製店の裏)ストロボを使った激しい演出が印象的なシーンです。
3人の魔女がヘカテーのバーに集まり、マクベスに「バンクォーに気をつけろ」という第二の予言を備えます。
ヘカテーはテーブルに座っており、事の全てを見守っています。
ストロボの強い光とともに、3人の魔女が動き出すと、マクベスがバーに飛び込んで来て、予言を受け、バンクォー殺害のために走り出します。
⑤カードゲーム
場所:4階酒場マルコム、バンクォー、マグダフの3人がヘカテーのバーでダンカン王の死因について語るシーンです。
3人は座り、酒を飲みながらカードゲームをしていますが、気が狂ったマクベスが突然乱入します。
マルコム、マグダフの2人は逃げましたが、残されたバンクォーはマクベスに殺されてしまいます。
Sleep No moreの登場人物とその動きを徹底解剖する
本作品は、登場人物のそれぞれの物語が、ホテルのあちこちで同時再生されるような構成になっていますが、前述したように、シェイクスピアのマクベスに登場しないオリジナルのキャラクターや、スリープノーモアの世界でのみ作り上げられている関係性も多く、マクベスを理解していてもわからない部分がたくさんあります。
そこで、下記のキャラクター相関図と共に、各キャラクターの特徴を押さえておくと、一段と理解しやすくなる事間違いなしです。
主要キャラクター
マクベス(Macbeth)
スコットランド王ダンカンの臣下、スコットランドの将軍。3人の魔女に王になると予言され、悩んだ末、王を殺す。血で染まったマクベスが部屋へ戻り、マクベス夫人と血だらけになりながら風呂に入るシーンが印象的である。2度目の予言の後、親友のバンクォーをも殺害する。
マクベス夫人(Lady Macbeth)
マクベスの妻。マクベス以上の野心に実行力をも兼ね備え、夫を叱咤して悪行を重ねさせる。魔女たちの予言について書かれた手紙を読み、マクベスと大喧嘩をして1人で舞踏会へ行く。マクベスが王になった後は、罪が襲いかかり、夢遊病や幻覚に襲われることとなる。
ダンカン(Duncan)
マクベスを重用していたが、マクベスに暗殺される。
他のキャストよりも少し年配の役者が演じる事が多い。自身のベッドの近くに小さな教会、本棚、暖炉がある。
ダンスシーンの前に、息子であるマルカムがダンカンの髭を剃るシーンがある。
マルカム(Malcolm)
ダンカンの長男。
父であるダンカン王が殺されたと知り、居合わせたマクダフとバンクォーと父を地下室へ運び込む。
3人はのちに酒場でカードゲームをしながら深く話し合う。
ダンスシーンではボーイ・ウィッチと踊っている。
バンクォー(Banquo)
スコットランドの将軍で、マクベスの友人。魔女たちに自身の子どもたちがスコットランドを支配すると予言される。
王になった後、バンクォーと彼の子孫の存在が気になったマクベスが送り込んだ暗殺者に殺される。後に亡霊となりマクベスを脅かす。
マクダフ(Macduff)
スコットランドの貴族主。ダンカン王の死体を発見する。マクベスに妻子を殺され、マクベスを仇とし、マルカムと手を組もうと試みる。
ヘカテー(Hecate)
特徴:赤地に黒い羽がついた長いガウンの女性呪術を司る女神。
全シーンを通して、悲劇のシーンを不気味に見守っている。
主に自身のバーにいる。
サブキャラクター
マクダフの妻(Lady Macduff)
特徴:妊婦。
マクベスとホテルのロビーで激しく争い、1度殺される。後に生き返り、マグダフと踊るシーンなどがあるが、ダンスシーンでキャサリン・キャンベルに毒入りのミルクを差し出され、倒れる。
ボーイ・ウィッチ(Boy Witch)
特徴:目の下に濃いめのアイシャドウをしている若い男性
3人の魔女の1人。ダンスフロアで、マルコムと唯一男性のペアとして踊っており、また、ビリヤード台で人で踊っている男性。
バールド・ウィッチ(Bald Witch)
特徴:坊主頭の女性。紺色か深緑のドレスにカツラで登場、ダンスシーンの後にカツラを取る
3人の魔女の1人。ダンスフロアでマクダフと激しい喧嘩をするのが印象的。
※その時演じる役者によるので、必ずしも坊主頭ではない。
セクシー・ウィッチ(Sexy Witch)
特徴:フリルの肩紐の緑色のドレスを着ている事が多い
3人の魔女の1人。ダンスシーンでは婦人を挑発しながらマクダフと踊る。ダンスシーンの後、バンクォーに予言を与えたのもこの魔女である。
荷物運びの男性(Porter)
特徴:ホテルのスタッフの服装の男性
マッキトリックホテルの荷物運びの男性。
キャサリン・キャンべルとよく一緒にいる。ボーイ・ウィッチに叶わぬ恋をシているのではという説も。
キャサリン・キャンべル(Catherine Campbell)
特徴:ホテルのハウスキーパーで、メイドの格好をしている強面の女性
マクダフの妻に毒を盛ったミルクを何度も試みている。すべての時計に布をかけ、ダンカン王をベッドに寝せて、ベッドで踊り、メトロノームをセットするなど謎めいた行動が多い人物。お客さんを部屋へ引き入れて、マスクを取って話しかけることも。
仕立て屋(Tailor)
名をFultonという。剥製師の向かいに店を持っており、ヘカテーのバーに足を運んだりする。
剥製(はくせい)師(Taxidermist)
名をBargarranという。仕立て屋とよく一緒におり、剥製店の裏にあるヘカテーのバーに足を運んだりする。
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