ブロードウェイミュージカル「キャバレー」のチケット販売

時代は1930年代のベルリン、ストーリーの中で実際に登場する「キットカットクラブ」が舞台となっている。ナチス・ドイツの支配と第2次世界大戦によって引き起こされる社会の混乱を背景に、愛や夢、信念を追いかける登場人物たちがどのように辛く厳しい現実と向き合い歩んでいくのかが描かれている。

主人公は、アメリカ人作家のクリフ・バートンとキャバレーで歌手ダンサーとして働くイギリス人のサリー・ボウルズ。ベルリンに来たばかりのクリフは、自由奔放な性格のサリーに次第に惹かれていく。 ある日、突然キットカットクラブをクビになったサリーは、荷物をまとめクリフのアパートに押しかける。

一緒に時間を過ごす中で愛情を育む二人だったが、戦争や社会の緊張が2人の関係に影を落とし、キットカットクラブで歌手として返り咲きを夢見るサリーと、戦争から逃れるべく安全な故郷アメリカにサリーを連れて帰ろうとするクリフの間には次第に溝が生まれる。

サリーは夢を追うべくベルリンに残る決断をする一方、クリフは彼女との価値観の違いに葛藤しながらナチスの脅威を敏感に感じ取り、社会の厳しさと向き合おうとする。対照的な2人の揺れ動く姿や、移りゆく社会の中で直面する苦労や希望を描いているのが見どころのひとつ。

戦争や社会の混乱が各登場人物にどれほどの影響を与えの関係を引き裂いていくのか、衝撃的な展開や結末は観客に強いメッセージや印象を与える。重いテーマを取り扱っているが、物語の途中に自由や開放を表すゴリラの着ぐるみが登場するなどコミカル要素を取り入れることで、「キャバレー（cabaret）」特有のユーモアをも表現している。