ブロードウェイ業界のキング – ミュージカル劇場最多を有する最大手
シューベルト・オーガニゼーション(The Shubert Organization)は、1900年、ユダヤ系アメリカ人のシュベールト3人兄弟長男:リー・シューベルト(Lee Shubert)、次男:サム・シューベルト(Sam S. Shubert)、三男:ジェイコブ・シューベルト(Jacob J. Shubert)よって設立されました。ニューヨークで最も古い劇場主のシューベルト・オーガニゼーションは、設立から現在までに合計約100個以上の劇場を所有し、約500以上のミュージカル作品を制作してきました。ブロードウェイ最大の劇場所有団体として、ミュージカルの歴史とともに歩んできた団体です。口語では「ザ・シューベルツ(The Shuberts)」とも呼ばれています。
シュベールトファミリー(Shubert family)は、元々東ヨーロッパのロシア帝国の一部であったクディルコス・ナウミエスティス(現在のリトアニアにある町)の出身で、1882年に、父ダヴィド・シューベルト(Duvvid Schubart)と母カトリーナ・ヘルウィッツ(Katrina Helwitz)が7人の子どもたちを連れて、ニューヨーク州シラキュース(Syracuse)市に移住しました。当時シラキュース市は、ニューヨーク州中部を代表する商工業都市として発展しており、稼ぎを求める多くの ユダヤ系家族(Jewish Families)がこの町に定住しました。(ニューヨークのユダヤ系コミュニティについては下で詳しく説明しています)
しかし、父ダヴィドは重度のアルコール中毒だったため働き口がなく、シュベールト兄弟は学校に通うことを諦め、幼い頃から外に働きにでることを余儀なくされます。当時10歳のリー・シューベルトと8歳のサム・シューベルトは、庶民向け小劇場の前で新聞を売る仕事を初め、この仕事をきっかけにサム達は、ミュージカルと劇場に興味を持ち初めます。
その後、次男のサムは、数多くのブロードウェイ作品を生み出した劇作家のデーヴィッド・ベラスコ(David Belasco)による戯曲に脇役として舞台に立ちます。ベラスコは「ベラスコ劇場(Belasco Theatre)」の所有者でもあり、当時のニューヨーク演劇界において影響力のある1人でした。サムはベラスコの人物像と演劇様式に惹かれていき、ベラスコの元で劇場経営を学ぶために、俳優業を辞め、ベラスコが所有するベラスコ劇場のスタッフとして活動を初めました。
1900年に、シュベール兄弟は「シューベルトオーガニゼーション(The Shubert Organization)」を設立し、シラキュース市からニューヨーク市内へ拠点を移しました。同劇場運営会社を設立後、ブロードウェイで数多くの演劇を制作しながら、平行して劇場を買収するなど、当時のミュージカル業界では飛ぶ鳥を落とす勢いで進出していきました。
1953年12月25日、リー・シューベルトが82歳で他界し、1963年12月26日にジェイコブ・シューベルトが84歳で他界した後は、会長及び社長の後継ぎを決めていなかったこともあり、1950年代から1960年代は、シューベルトオーガニゼーションによるミュージカル作品の制作活動をしていませんでした。
その後、シューベルトオーガニゼーションは、会長ジェラルド・ショーンフェルド(Gerald Schoenfeld)と社長バーナード・ジェイコブス(Bernard B. Jacobs)を跡継ぎとし、1972年にシューベルト・オーガニゼーションとして再編成しました。また活動停止していたミュージカル作品の制作に入り、「ドリームガールズ(Dreamgirls)」など数々のトニー賞受賞作品を生み出しました。シューベルト・オーガニゼーションは、ニューヨーク・マンハッタン内でオン・ブロードウェイ劇場17個とオフ・ブロードウェイ劇場2個の合計19個の劇場を所有・運営しており、その劇場で公演されたミュージカル作品のチケットやグッズ販売の売上で利益を上げていますが、それ以外にも幅広く他分野で活動を行っています。
1979年から始まったシューベルトチケッティング(Shubert Ticketing)は、世界中で最も使用されているチケット会社の1つで、下請けのチケット販売会社と提携してオンラインでの自動販売やチケット窓口などで、毎年何億枚ものチケットを販売しています。シューベルトオーガニゼーションのチケッティングサービスには、旅行代理店などの第三者チケット販売会社への専用サービス、空席情報やチケット購入をオンラインから簡単にアクセスできるサービスを含めた事業を展開しています。
ちなみに、あっとブロードウェイも、シューベルトから正式ライセンスを得て割引チケットの販売をしております。
シューベルト・オーガニゼーションは、不動産や開発業者から、劇場の上の空間にホテルやビルを建築したいと問い合わせが殺到したため、約2000年から2005年までの間に所有する17の劇場の上空の開発権を売り、約$50 million(約55億円)の利益を上げています。2014年5月にはマジェスティック劇場(Majestic Theatre)の上空(約5315平方メートル)とブローハースト劇場(Broadhurst Theatre)の上空(約110平方メートル)の開発権を、約17.1 million(約19億円)で不動産開発会社のAlgin Managementへ売却しました。そこにナイトクラブのビルが建設されましたが、現在はすでに閉鎖しています。
過去30年間の間、シューベルト・オーガニゼーションはアメリカにある劇場を活性化するための長期的キャンペーンとして、エネルギーと資源を節減するために、シューベルトの所有する全ての劇場やプレイハウスの改装や、市民や地域問題に積極的に参加したりと、ニューヨークのタイムズスクエアやブロードウェイ劇場街(シアター・ディストリク:Theater District)の修復や復興に貢献し続けています。
ユダヤ系アメリカ人(Jewish Americans)は、ユダヤ人系の先祖を持つアメリカ国民を意味し、その大半は中央ヨーロッパや東ヨーロッパから移住したアシュケナジ系のユダヤ人です。このユダヤ系アメリカ人の歴史は17世紀初頭から始まり、現在までにアメリカ全土人口の約1.7%~2.2%を占めており、その数は大体約5,128,000人~6,444,000人と言われています。その中でもニューヨーク市は、イスラエル圏に次ぐ世界第2位のユダヤ人密集地帯で、アメリカ国内では、ユダヤ系アメリカ人口比率が第1位の約9.1%にもなります。ハリウッドやウォール街そしてブロードウェイなど多分野の業界で活躍する彼らユダヤ人は、元々東ヨーロッパで多くの差別や迫害を受け、生き延びる知恵として「空腹のときは歌え。傷ついた時は笑え。」という教えを抱きながらアメリカに渡ってきました。そんな苦境を体験した彼らは、生きるためにまず自分たちの居場所を作ることを原動力とし、生き抜くための知恵やユニークな発想そして創造力を長年に掛けて養いました。その結果、今までにない新しい技術・科学・発想を生み出だし、金融・映画・テレビ・広告・ミュージカル・演劇などの幅広い分野でアメリカ経済の基盤を作り上げ、自分たち人種の存在を世界に知らしめることに成功しました。イディッシュ劇場街から始まったユダヤ人によるブロードウェイミュージカル文化は「生きることを諦めず、悲しい時こそ隣の人と笑い合おう」といった彼らの歴史背景から生み出されたエンターテイメントととも言えます。
ブロードウェイの3大劇場主の最大手、シューベルト・オーガニゼーションが運営しているブロードウェイの劇場一覧です。リンク先にて、各劇場の詳細を確認できます。
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